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BLUE TONIC 【1巻】  作者: じゃがマヨ
プロローグ
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プロローグ



 【共通祖先LUCA】——1997年.4月



 ウイルス、大腸菌、線虫、魚類、昆虫、鳥類、サル、そしてヒト、すべてに共通する遺伝子的な祖先のことを通称ルカ(LUCA、Last Universal Common Ancestor)という。


 地球誕生は45億4000万年前(±5000万年)とされ、生命誕生はそれから数億年経ってからと考えられている。



 まず、生命とは何かだが、一般的な定義としては生物とは、細胞膜などで外界と自分が分けられ、自分のコピーを作ることができ、外から取り込んだ物質を利用し、生命を維持できる(代謝できる)存在ということになっている。


 最新の研究によれば、LUCAは39億年以上前に確認されているが、この地球という惑星にどうやって生命が誕生したのかという疑問は依然として残っている。


 生命誕生のメカニズムに関する仮説はいくつかあるが、大きく二つの意見に分かれる。


 仮説の一つ目は、地球起源説。


 地球の物質から生まれたという説だ。


 太古の地球に海ができ、二酸化炭素や一酸化炭素、窒素、水(メタンやアンモニアがあったという説もある)があったと考えられている。


 これらの物質が混ざり合った「生命のスープ」に、紫外線などの宇宙線が浴びせられ、何らかの作用で偶然に生物が誕生したという説だ。


 仮説のもう一つは、地球外起源説だ。


 これは「パンスペルミア説」ともいい、汎用の意味の「パン」と精子とか種、種撒きという意味の「スペルミア」の合体語となっている。


 地球の外からやって来た物質が、太古の地球に何らかの作用をし、そこから生命が生まれたという説だ。




 【生命の重要な「部品」を発見】——2021年.11月



 この両方の仮説に関する新発見が、日本の研究グループから発表された。


 北海道大学低温科学研究所の東野尚成准教授、海洋研究開発機構の春山豊上席研究員、九州大学大学院理学研究院の安藤浩一教授、東北大学大学院理学研究科の近藤雅史准教授らの研究グループで、太陽系の最古の隕石から生物のDNAやRNAに含まれる核酸塩基5種類(ウラシル、シトシン、チミン、アデニン、グアニン)をすべて検出したのだという。


 これまで地球外からの隕石を調べても生命の遺伝情報をになうDNAやRNAを構成する「部品」を検出した例は少ないという。


 例えば、インフルエンザもそうだが、RNAだけでは代謝もしなければ自分のコピーも作ることはできない。


 RNAが酵素的な役割を持ったリボザイム(ribozyme)や核酸のように振る舞うタンパク質があったとしても自分のコピーを作ることはできないだろう。


 今回、同研究グループは、地球外からの隕石に欠けていた「部品」を新たに発見したことになる。


 分析に使用したのは、1969年にオーストラリアに落下したマーチソン隕石、2000年にカナダに落下したタギッシュレイク隕石、1950年に米国ケンタッキー州に落下したマレー隕石の3つ。


 この中でもマーチソン隕石は、これまで最も研究されてきた隕石で、太陽系ができる前、約46億年前という地球上で見つかった中で最も古い物質を含んでいるとされている。

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