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ビースト  作者: 秘伝リー
9/9

超再生の代償

〜医務室〜


「入りまーす」

「あら富竹君じゃない」

「おー夏子先生、変わらずお綺麗で」

「そりゃどうも。なんたって私の才覚は美容整

 形ですからね」

「とても還暦を迎えたとは思えません」

「アフロのおっちゃん、じゃあババアじゃん」

「誰がババアだって?」

「めっめっめっそうもない…少年っ黙りたまえ」

「怪我人?今は人事異動で人手は私だけよ」

「そうか今日は私達も含め移動日でしたね」


 夏子先生は界を見るなり険しい表情


「その男の子を奥の部屋にあるベットに寝かせ

 て。急いで」

「はい。あのー少女はどういたしますか?」

「彼女は大したことないわ。あとで点滴でもし

 てあげるから」


 富竹は言われるがまま急いで界を奥の部屋に

 あるベットに寝かせた


「富竹君、この子の才覚は?」

「えー確かリスクリターンだったような…ダメ

 ージを攻撃力に変換する技のようです。私も

 仲裁する際に少々手が痺れてしまいましたわ。

 ワッハッハッハッ」

「この子、才覚を使い続けると20歳まで生き

 れないわよ」


 富竹含め雷鳥達も驚きの様子


「夏子先生それは一体?」

「また後で説明するわ。とりあえず今から裸に

 なるから部屋出てくれる」

「何と大胆。夏子先生ーお手伝いいたしますっ」

「富竹君っ」


 富竹をジーっと睨む夏子先生


「すいません…少年っ部屋で待機だ」

「分かってるよ…おっちん、この人って本当に

 強いの?」

「強い。はずだが…しかし蛇に睨まれた蛙だな」


 鼻水が出ている富竹…



〜界と夏子先生〜


 全裸の夏子先生


「さっ仕事よ」


 夏子先生が合図をした途端に全身から赤と青

 のヒルが沸いて出てきた。数にして数百


「赤ヒゲ青ヒゲ、急いでよ」


 赤のヒルは口の中へ、青のヒルは界の体を包

 み込む。赤のヒルは損傷した細胞を再生、青

 のヒルは神通力を供給し始めた


「フー、とりあえずは処置オッケーね」


 1時間が経過。処置を済ませ部屋から夏子先

 生が出てきた


「夏子先生、界はどうなりました?」

「とりあえず安定してるわ。折れた骨や壊れた

 細胞は私の才覚である程度は治しておいたわ。

 最低でも1週間は入院と戦闘は無期限」

「無期限ですか?」

「それより富竹君」

「はい」

「この子の体質は知ってて?」

「はて?存じ上げておりませんが何か?」

「知らないみたいね。この子は命減少性細胞急

 速活再生紫斑病」

「???」

「この紫斑、実際に観るのは初めてだわ(でも

 何故この年代の子が…)」

「なんと。で要するに?」

「難病で人の何十倍ものスピードで細胞を活性

 化させ怪我などを治してしまう」

「なんと?!しかし良い事では?」

「それに伴って内臓循環器は劣化し始めている。

 特に心臓年齢は60歳後半。この急速な細胞

 活性だから成せる才覚ね。でもあと1回もし

 くは2回この才覚を使えば心臓発作か老衰で

 死ぬわよ」


 一同驚きを隠せない


「これからの戦いは仲間を庇って戦うほど甘く

 ないからな。この界洋介って男は最前線では

 使えないな」

「おっちん人を物みたいに言うんじゃねーよ」

「とにかく富竹君、この子は預かるわ」

「わっ分かりました」


 医務室をあとにする富竹と雷鳥



〜闘技場〜


 飛鳥音乃あすかねの17歳・先天性能力・才覚は風・神

 通力10500MAX神通力21000


 鬼州命きしゅうみこと16歳・先天性能力・才覚は鬼・通力

 10000MAX神通力20000


 富竹と雷鳥が闘技場に戻ってきた


「試合終わった?」

「みたいだな」

「かなり時間を要したからな。将人」


 三試合目は既に終わっているようだ


「あれーかなりかなり遅かったねー」


 田村が富竹と雷鳥に近付いてきた


「色々あってな」

「タム兄ー試合はどっちが勝った?」

「命だよ。アイツまた更に進化してるよ」

「くそ〜俺も戦いて〜」

「で田村、次は雷鳥の試合だな」

「はい,富竹剛vsですね」


 富竹が田村にヒソヒソ話しを始めた

 

「…分かった」


 困った表情の田村


「はい。今日の模擬戦はこれで終了ー」

「タム兄ー俺の試合は?俺の?」

「また今度。はい、また呼びに来るんで1階の

 休憩ルームで待機。以上」



〜医務室〜


 界の事情を聞いた田村は富竹と医務室に


「夏子さん、田村です」

「話しは聞いたみたいね」

「夏子先生、私が大体は話しておきました」

「でっ、彼の病気なんだけど合点がいかな

 いのよ」

「夏子先生っどう言うことですか??」

「富竹君、近いんだけど」

「すいません」

「彼の病気は1900年前後に民間のキメラ実

 験で出た汚染水が原因。因みに現在日本で確

 認している患者は0」

「今で1人になったってわけね」

「もし現在に汚染水が流れ出るようなことがあ

 れば大問題よ。界君が実は120歳のお爺ちゃ

 んだったりして」

「人体実験」

「おいおい将人、キメラ実験は成功してナノマ

 シンがあるだろう。今更過去の資料を使って

 実験などするか?ねえ夏子先生ー」

「分からないわよ。目的がキメラではなく病状

 側の超再生」

「だ、だとして誰がそんなことを?夏子先生の

 話では超再生のリスクは莫大な寿命ですよ」

「剛、あくまで推測だ。夏子さん、とりあえず

 このことはここだけの話で」

「富竹君と居た子には知られてるわよ」

「雷鳥ですね。僕から口止めしときます。また

 何か分かれば報告します。では行きます」

「夏子先生、怪我したらすぐに来ますんで」


 部屋を出る田村と富竹


「剛、俺は少し本部に行って来る」

「おいおい将人、隊員達はどうするんだ?」

「あっこれ隊員の少編成書いてるから宜しくー」


 田村は本部へ向かった



〜休憩ルーム〜


 富竹が他の隊員と合流


「みんな休憩中失礼。将人…いや田村リーダー

 が用事で本部に行っているため少しの間だけ

 俺が指揮を摂る。何ならこのまま指揮を摂り

 続けても構わないが…ふっふっふ」

「アフロのおっちゃん」

「何だ清水少年。あと俺はまだ29だ」

「修行とかしたいからさぁすることないなら帰

 りたいんだけど。」

「修行とは素晴らしいぞ清水少年」

「話がないなら帰らせてもらうぞ」

「まあ待て鬼衆ボーイ。田村リーダーから小編

 成のリストをもらっているから発表する」


 隊員達は富竹の声に耳を傾けた


「鬼衆命・朱雀朱音・清水雷鳥、スリーマンセ

 ルTEAM命ー!」

「何で命チームなんだよっ」

「ふっ」

「こら命っ今笑っただろ」

「だから何だ。俺が適任だと誰が見ても分かる

 だろ。いい加減黙れ」

「まあ俺様か岩ジィの方が適任だがあくまで人

 間からなら命で仕方ないだろ」

「おっちん、どっちの味方ぢよ」

「任務成功や生存率を上げるため仕方ないこと

 だから黙って従うだな」

「あー飽きんで済むわいのぉほっほっほー」

「ガンちゃん…性格…悪いよ…」


 続いて


「飛鳥奈乃・飛鳥音乃、ツーマンセルTEAM

 ダブル飛鳥っ!」

「よっしゃーやったるでー」

「これで本来の力が出せますわね」


 続いて


「小原瑠璃・俺、ツーマンセルTEAMアフロ?

 名前で書かんか将人のやつ。TEAM富竹ー」

「タムっちんじゃないのかー♡まあタケっちで

 も問題なーい♡」

「将人じゃなくて悪かったな。」


 話しの最中に警報音が鳴り響く。


「関西地区から距離50m付近にてビースト発生

 ビースト発生。数10〜15体確認。敵レベル

 10〜15。?!ーー1体測定不能ーー恐らく

 デゥイスーー付近の隊員は現地に向かわずその

 まま待機」


 田村が不在の中、万全で戦える隊員は富竹と雷

 鳥のみ。測定不能のビーストが前回同様ノービ

 スを吸収して力を増幅するタイプなら戦力的に

 武が悪い。


 


 



 



 



 

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