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ビースト  作者: 秘伝リー
7/9

模擬戦1VS1

〜近畿地区〜


「タム兄ー、俺たちは変わらずここってこと?」

「まぁ雷鳥とおっちんさんの融合は未知の部分

 があるからね。何かあったときに本部に近い

 方が都合が良いし、チームではないが俺も同

 じ近畿地区でね」

「お前のような危険分子が自由に動けるはずが

 ないだろ」

「チッ命はいちいちうるせーな」

「早速だけど、夕方から関西地区担当になる隊

 員と顔合わせがあるから宜しくー。警察庁・

 防衛隊・妖怪も今回から出動してくるから、

 くれぐれもトラブルにならないように。特に

 防衛隊には気をつけてね」

「何かあれば雷鳥様が黙らせてやるっぜ」

「防衛隊は幹部クラスでナノマシンを要するっ

 て言ってたよね。ナノマシンって何か分かる?」

「ナノマシン??タム兄ー、ナノマシンって?」

「対戦闘兵器」

「命は何でも知ってるね」

「第二次世界大戦後、平和が保たれていたのは

 国々が経済力や武力を保持し互いに牽制し合

 うことで成り立っていた。馬鹿正直に平和を

 唱えた国は経済の破綻や他国から圧をかけら

 れ内戦にテロ、アメリカを中心に連合国から

 の制圧。響きは悪を正義が正すかのように聞

 こえるが、これも戦争。自国も最悪のケース

 は避けたいが平和を全面的に公表している以

 上、防御以上の武力を持つことができず予算

 も最低限。よって、世界でも下位の軍事力。

 アメリカ中心の経済が傾けば最悪のケースは

 避けられないと考え密かに研究を進めていた

 キメラ化を実行に移した。罪人関係なくとに

 かく神通力の高い人間をスカウトしマウス実

 験で成功したキメラ細胞を移植。神通力とキ

 メラ細胞を掛け合わせた力がナノマシン」

「その通り。世界もこの力を警戒し日本は他国

 と均衡を保っている。そして今や日本の防衛

 隊は世界犯罪や海外の内戦でも活躍している」

「凄いじゃん。だったら心強いじゃん」

「まともな志ざしを持っていればの話、大半は

 殺戮を楽しんでる族ばかり。下手すれば俺た

 ちも殺され兼ねないってこと」

「どっちが化物だか。俺様妖怪の方がマシだな」

「本当に恐ろしいのは人間かもしれんのぉ」



 夕方、関西支部地下闘技場にて関西地区配属

 の隊員が集まった



〜地下闘技場〜


「はーいみんな集まってるねー」

「将人、久しいな」

「剛、あーお前もしかして近畿地区担当?」

「それ以外でここに居るのか?嫌そうだな」

「いや別に(苦手なんだよなぁコイツ)」


 田村と同期の富竹である。かなり田村をライ

 バル視しているようだ


「なかなかの実力者ばかりだな」

「おっちん、俺たちより強い?」

「雷鳥よりは全員強い」

「ありゃ」

「田村に絡んでる男はかなり強い」


 全員揃ったようなので田村が挨拶をする


「今日から近畿地区の配属の皆さーん、早速な

 んだけど右から順番に自己紹介と行きましょ

 うか。名前・才覚・元所属支部・意気込み一

 言を宜しくー」

「将人、まずは言い出しっぺからだろ」

「はいはい。田村将人・才覚は雷・元関西支部・

 一応ここ近畿地区のリーダーすることになっ

 てます。あと新人発掘のハンティングも兼任

 してまーす」

「将人がリーダー?!俺じゃないのか?」

「知らねーよ。文句なら山地さんに言ってくれ」

「関西副支部長か」

「今は西日本統括マネージャー」

「関西贔屓だろ。まぁイイ」


 仕切り直して


「関東支部から来た富竹剛だ。才覚はマグマ、

 火の性質では最強。敵を焼き尽くす際に巻き

 添いを食わないよう祈る」


「どうもー小原瑠璃です♡私の才覚は具現化♡

 タムっチンと同じで元関西支部だよ♡仲良く

 してください♡」


「関東組の界洋介です。才覚はリスクリターン。

 受けたダメージを一定時間だけ神通力に変換

 することが出来ます。諸刃の剣って感じです」


「姉の飛鳥音乃ですわ」

「妹の飛鳥奈乃や」

「私と奈乃は関東支部から参りました。才覚は

 2人とも風」

「やっと関西に帰って来れたっちゅねん」

「私は東京でも良かったですのよ」

「音乃、大阪人ソールはないんかいな」

「奈乃、私たちは大阪ではなく正確には奈良で

 すのよ」

「黙っとれ音乃っ」


「えっと…朱雀朱音です…宜しく…お願い…し

 ます…」

「関西組、朱音の才覚は氷で十二支平旦。でワ

 シは世話係の岩助じゃ」


「将人、確か関東支部にも十二支が…」

「あれ?剛は知らないの?朱雀朱音の姉で十二

 支食時の朱雀響香」


「鬼道衆の鬼州命。同じく関西・才覚は鬼・一

 言はない」

「俺の名前は清水雷鳥。関西支部・才覚は…なし。

 あと訳あって多尾って妖怪と融合しました…」


 関東支部から来た隊員は妖怪と融合した雷鳥

 を観るのは初めて。おっちんを観るのも初め

 てである

 

「皆も知ってると思うが、2ヶ月前ビーストの

 襲撃で何らかの条件が揃い雷鳥に俺の妖力を

 渡す形になった。雷鳥は言わば半妖。俺は頭

 脳とちょっとした妖術を使える程度の小さい

 体だ。お互い目的のために妖怪もスワットと

 共に戦う仲間だ。宜しく頼む」


 近畿地区配属隊員の軽い自己紹介を済まし、

 田村がここで


「これで全員だね。この8名が近畿地区担当の

 メンバーになりまーす。じゃあ早速だけど、

 1対1の模擬戦しまーす」


 えっ?!と言う表情の隊員達


「予想通りのリアクションありがとー。よし、

 あみだくじで決めるぞー」


 あみだくじを書き始める田村


「順番に選んでってよー」

「タム兄、今から?」

「そうだよ。雷鳥ビビってる?」

「ビビってねえけど、会ったばかりだよ。相手

 のこともよく分かってねえのに」

「雷鳥、知らないからだ。だな田村」

「流石おっちんさん」

「おっちん、どゆこと?」

「おっちんさん、俺が話します。まず情報があ

 る敵と戦えるとは限らない。攻めてくるのも

 今日かも明日かもしれない中で少しでも早く

 近畿地区の隊員の戦闘スタイルを生で見てお

 いた方が良い。まあ全てを含めてこの模擬戦

 が一番なんだよね」

「そゆ意味なら分かったけど、こんな館内で戦っ

 ても大丈夫?」

「その心配は大丈夫。この地下競技場は避難用

 シェルターにもなっていてミサイルの2、3

 発撃ち込んでも平気でーす」

「人間の技術は凄いのぉ田村よぉ」

「どうも。じゃあ順番に選んでねー」

「将人、まずは俺からだ」

「ストップストップ。剛と俺は対象外だから」

「なるほど。確定で俺とやり合うってことだ

 な、将人」

「それもない」

「なぜだ?怖気づいたか」

「あのねー…。いくら頑丈なシェルターとは

 言え、俺とお前が戦ったら間違いなく壊れ

 るよ。自分のレベルくらい把握してよ」

「確かに…じゃあこのモヤモヤはどうする?」

「また改めて戦ってやるから我慢しろ」

「本当だな?嘘は許さんぞっ」

「分かった分かった(苦手だよコイツは)」


 では改めて、あみどくじで組み合わせを…


「1試合目は小原VS朱音」


 小原瑠璃おばらるり24歳・後天性能力・才覚は具現化・

 神通力20000MAX神通力40000超


 朱雀朱音すざくあかね14歳・先天性能力・才覚は氷・

 神通力8000MAX神通力15000

 プラス青虎4000


「10分後に試合開始だから神通力でも高めと

 いてね。模擬戦だから相手を殺すつもりで戦っ

 てね。じゃないと意味ないしね」

「殺されたけたら田村が助けにくるかいのぉ?」

「はい岩助さんそのつもりです。戦闘不能かギ

 ブアップで終了。何かあれば僕が止めます」



〜朱音側〜


「平旦より伝わりし青き虎十二支の名の下に、

 ショウファン」


 青虎を召喚


「さあどうするかのぉ朱音」

「難しい…よね…岩ちゃん…」

「うむ、とりあえず地盤凍結で足場を固めて様

 子をみるかのぉ」

「岩ちゃん…試したい…技がある…」



〜小原側〜


「さっいっきなりいくよー♡」


 アメリカMRIリミテッド社50AEデザート

 イーグルを具現化



〜田村と雷鳥〜


「タム兄ー、姉ちゃん何でも具現化って無敵じゃ

 んかよ」

「そんな無敵が存在するなら苦労しないよ」

「そうなの?」

「そうなの。能力を使う度に神通力は消耗し大技

 なら更に神通力を消耗する、そして底をつけば

 使えなくなる。個人差はあるけどゲームでよく

 あるマジックポイントだね」

「わかりやすいっ」

「小原のように具現化する場合も自分の神通力を

 超える力は発揮できない」

「例えば?」

「そうだな…同じ剣を具現化しても基本神通力や

 残り神通力によって、攻撃力・防御力・特殊能

 などなどレベルが異なるんだよね」


10分経過。試合開始である


「はじめっ」


〜小原VS朱音〜


 先に仕掛けたのは朱音


「地盤凍結」


 闘技場全体の地面を凍らせた


「青虎、お願いします」


 透かさず青虎が小原に襲いかかる


「いやん♡足場が悪いよー♡」


 小原は体勢を崩しながらも青虎を攻撃


「ローっクオン♡」


 10発の神通弾を撃ち込む。真面に食い倒れ

 込む青虎

 


「ヒット♡連射可能、ハンドガン最強のデザー

 トイーグルなのだ♡」


 しかし撃たれたはずの青虎の姿がない


「あれ?消えた?ん?雪?氷?あれれ♡」

「小原さん…地面を凍らせた際に空気中に無数

 の氷結晶を発生させました…」

「とりあえず始めとしては上々じゃ朱音。あん

 たさんからは青虎が見えとらんようじゃな。

 あんたが撃った青虎は氷結残像。無限にある

 氷の結晶と戯れるんじゃなホッホッホー」


 無数の青虎が小原を襲う


「これは困ったぞ♡」


 デザートイーグルの具現化を解いた


「敵が複数の時は女子おすすめ♡イングラムM

10なのだ♡サプレッサー装着の40連射♡」


 今度はサブマシンガンを具現化し神通弾を連

 射しまくるが…


「当たらないねー♡虎君が上から下から右から

 左から現れては消えて…んー困ったー♡」


 サブマシンガンの具現化も解き、なぜか準備

 運動を始める小原



〜田村と雷鳥〜


「小原の姉ちゃんヤバいじゃん」

「朱音達の見事な先制攻撃だね。でも、あれじゃ

 小原は倒せないね」



〜朱音VS小原〜


「なかなか良い攻撃だね♡でもこれじゃ私は倒

 せないよ♡」

「朱音さん、一気に畳みかけます」

「青虎…気をつけて…」


 青虎はスピードを更に上げた。神通力を一点

 に集め渾身の一撃を放つ


「だから倒せないよ♡」


 小原は上着を脱ぎ青虎を闘牛のように避け、

 前転空中回蹴りで地面に叩きつけた


「いくら見えなくても間合に入ってから対応出

 来るスピードだよ♡」


 一撃で青虎は戦闘不能



〜田村と雷鳥〜


「タム兄、小原の姉ちゃんの体…」

「雷鳥も男の子だなぁ」

「じゃなくて傷だよ。おっちんも思っただろ」

「確かに身体中が傷だらけだな。特にあの大き

 い傷跡は5年ほど経ってるな。田村、ボイン

 の姉ちゃんは入隊何年目だ?」

「4年です」


 富竹が話に割り込んできた


「なんだ将人、小原のこと言ってないのか」

「剛は黙ってろ」


 これは何かありそうだ



 







 


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