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ビースト  作者: 秘伝リー
4/9

融合

 ビーストと雷鳥の接触に気付く命と朱音達。


〜命・朱音VS〜


「あのバカが」

「あれほど言っておったのにのぉ」

「すぐに向かいたいが、まさか雑魚相手にここ

 まで苦戦するとは」

「(大蛇よ間に合わんかったか……。ここで尽

 きてしまうとわのぉ)」

「朱音さん。ビーストは再生が早いです」

「攻撃が再生に追いつかない。ここは一旦退き

 ます」


 雑魚だと思っていたビーストだったが群にな

 ると驚異的な再生能力を発揮するようだ。

 そして更に大きいビーストに異変が起きた。


「次から次へと何じゃ」


 20m級のビーストが10級mのビーストを

 捕食しているではないか。


「化物っ調子に乗るなよ」


 命が新たに鬼神を呼び出した。


「左腕も持っていけっ」


 鬼印から血が流れ出している。

 命は少し苦しそうな表情を浮かべる。


「(今の実力では負担が大きいか)鬼神服人っ」


 左腕も右腕同様に鬼神化した。


「ジュバグァバージュバグァバー」


 巨大ビーストが結界内に響き渡る爆音で吠え

 た。捕食を済ませた巨大ビーストは更に巨大

 化し30m級越の超巨大ビーストへと進化。


〜雷鳥VS〜


「外野が騒がしいな。まあ後で片付けるか。よ

 し1分で答えろ」


 どうする雷鳥。


「答えろも何もこの妖怪とは今さっき会ったば

 かりだから知らねえよ。(やべえ次元が違う)

 お前こそ何なんだよ」


 そして1分経過し、


「お前に答える義務はない。時間だ死ね」


 その瞬間、雷鳥が隠し持っていた妖魂が激し

 く光り始めた。

 

「何だ急に!?光り出したぞこの玉。眩しい。

 あれ?意識が……薄れて……」


 激しい光に包まれた雷鳥は徐々に意識が薄れ

 ていく中で誰かの記憶を見る事になる。



`悪き力は災いの前触れ殺せ殺すのじゃ`


`すまない、こんな力があるばかりに。次に転

 生したときは必ず……必ず……`


`妖怪と人間はなぜ戦う`


`神力に唯一贖える仏通力こそ`


`我々は力を奪われた存在`


`人間と妖怪の間に子供だと!この愚か者め!

 赤子諸共殺せ!!`


`こんな世の中でも憎むな……`


`二つが一つに。二つは無限に`


`助けに行けそうにない……お前に託す`


`この力はこの世界を救う希望`


``「次はお前の番だ!!」``



 光は収まり雷鳥の意識が戻った。


「何だったんだ今の」

「貴様、妖魂に何をした?」

「不思議な感覚なんだけど……。あれ?何でオ

 レ泣いてんだ」


 雷鳥の悪き力と何か関係があるかもしれない。


「まあ良い。妖魂はお前を殺してからゆっくり

 探すとするか」


 ビーストは雷鳥を凄い勢いで蹴り飛ばした。

 先回りしダイレクトで前回転蹴り。地面に強

 く叩きつけられた。


「スーーー」


 そしてビーストは息を大きく吸い込んだ。


「バアーーーーッ」


 何と口から光線波を放った。

 辺り一帯が消し飛んだ。これは酷い……。


「ふっ所詮は人間だな」


 ビーストが再び妖魂を探し始めた時だった。


「ダーーーッ」


 大きな声と共に砂埃から雷鳥が飛び現れた。


「フーいきなり攻撃してきやがって。服がボロ

 ボロじゃねえか!てか死んだと思ったんだけ

 ど……生きてるじゃん。何で?」


 存在に気付いたビーストは雷鳥の元へ。


「(かなりの威力で放ったはず。何故生きてい

 る)お前、何をした?やはりあの妖怪と関係

 がありそうだな」

「だから知らねえって言ってんだろ」

「まあ良い、後でゆっくり探すとするよ。次は

 殺し損ねはないぞっ」


 ビーストは凄い勢いで雷鳥に突進。

 顔面からまともに食らいヨロける。

 そのまま首を掴み締め上げた。


「このまま死ねっ」

「うわあ……息ができねえ……」


 バシュッ!

 何かが引きちぎれる音がした。


「えっ?!」

「イテーーッーー。なっ何が……起きた?!」


 叫んだのはビーストだった。

 バシュッっと言う音は、何とビーストの腕

 が引きちぎれた音だった。


「俺がやったのか?」


 しかしビーストは負傷しながらも雷鳥に攻

 撃を仕掛けてきた。


「ビーストの攻撃がハッキリ見える」

 

 ビーストが負傷しているとは言え力の差は

 歴然だったはず。何故か雷鳥がビーストの

 攻撃を全て回避している。


「さっきみたいな圧を感じねえ」

 

 今度は雷鳥がビーストに攻撃。

 パンチを数十発放つ。

 全てクリティカルヒット。

 

「俺が強い?それともアイツが弱い?」


 ビーストは原形を保てないほど無惨な状態。


「はぅあぁはぅあぁ」


「なかなか……やるじゃないか……。だがこの

 程度の攻撃は私には効かない」


 そう言うとビーストは体の破損箇所をスライ

 ム化させ、あっという間に再生させた。

 何と言う自己修復機能だ。

 


「はぁーはぁー……。とは言え貴様よくもっっ」


 ビーストは最速スピードで雷鳥に突進。

 雷鳥は両手でそれを受け止めていた。

 そのままビーストの頭をロック。


「貴様ホントに人間か?」

「そこんとこ俺も知りてえよ」


 雷鳥はビーストに頭突きをお見舞。

 続けて強烈な正拳突きをボディに叩き込む。

 そのまま岩場に叩きつけられたビーストは先

 程よりも原形を保てない無惨な状態である。


「何度やっても……俺には自己修復機能が……

 この通り元通りだ」


 ビーストは自己修復を試みるが完全に修復し

 きれていない。


「おいおい。腹に穴が空いたままだぞ」

「うっ!?くそっ」


 ビーストは自己修復を繰り返し何とか再生す

 ることが出来たがダメージの蓄積は否めない。


「あの方より選ばれしディノス・リーモだそーっ」


 ビーストは大きなスイングで殴りかかるが雷

 鳥は懐に入り込み渾身のアッパー。

 ビーストは嘔吐し崩れ落ちる。


「オレって無双状態じゃん」

「こんな下等ーー人種にっっっっっやられてた

 まるかーーーー!!」


 突然ビーストの体が崩れはじめた。



〜命・朱音VS〜


 命・朱音と戦っていたビースト達がディノス

 の元へ向かい始めた。


「おー良かった良かった。敵が退散してくれた

 わいのぉ」

「何が良かっただ。最悪のシナリオだ」

「まぁまぁここは清水坊に任せるかのぉ(しか

 しあやつが生まれ変わりの一人とは)」



〜雷鳥VS〜


 ディノスはビーストを吸収し始めた。


「集まれクソどもっ。そして私の力となれ!!」


 しかし何か違和感。


「ありゃどっちが吸収しとるか分からんのぉ」


 なんとビーストがディノスを吸収している。


「お、お前らーー私はディノスだぞっ。おいっお

 いっ……ミナガっロっ…ラ…シ…」


 ディノスはビーストに吸収されてしまった。

 巨大な風船のようにパンパンに膨れだし今にも

 爆発しそうである。

 


〜命・朱音〜


「鬼道州のガキ聞こえるか?」

「なんだ鴉妖怪」

「あれは爆発するぞぃ。これ以上近づくのは不

 味いのぉ」

「近づく近づかんの問題以前だ」

「うむ。お前さん羅生門は使えるんかい?地獄

 の鉄壁門番」

「なぜお前がそれを知っている?」

「あれでも凌んじゃろうのぉ」

「何もしないよりはマシと言うことか」


 命は鬼の両腕を返し元に戻した。首の後ろに

 ある鬼の印を手の甲に移動させ術を施した。


「鬼神よ死界より呼び起こせっ羅生門っ」


 命は奇妙で不気味な形をした門を召喚した。


「死にたくなければこっちへ来い」


 爆発に備え朱音達も羅生門に身を隠す。



〜雷鳥VS〜


「ギャーギョエージュバジバキモキモー」


 ビーストの塊が叫び出した。もう爆発する。


「どうすんだよ。てかタム兄まだかよ」

「普通の攻撃なら中のエネルギーが破裂して即

 爆発。どちらにしてもあの状態なら3分後に

 はタダじゃ済まないな。早めに倒すぞ」


 誰だコイツは?


「そうだな。よっしゃっっ……て誰ーっ?」

「俺?多尾だ。さっき妖魂渡した多尾だ」

「いや死んだでしょ」

「知らん」

「知らんって」

「そんなことよりお前は仏通力者だな」

「仏通力?」

「まぁ俺も詳しくは分からないが変わった力が

 あるとか言われたことないか?」

「確かにある。悪き力が宿りしとか」

「悪き力な。まあその力と俺の妖魂が何らかの

 化学反応が起こったんだ。お陰で死なずに済

 んだ。まあ大半の妖気を持ってかれてこんな

 姿になっちまったがな」


 雷鳥の肩にちょこんと乗る15センチほどの

 可愛い妖怪。これが本当にあの伝説の上位妖

 怪、八首の大蛇(多尾)なのか。


「時間がない。倒すぞ」

「どうやって?」

「俺の力が使えるはずだ。そんなことよりお前

 の体では長くは保たない。お互いタイムリミッ

 トの条件付きだ」

「??」

「さっきのビーストと優勢に闘えてただろ?俺

 の妖気を吸収したからだ。しかもラッキーな

 事に2首3首状態の力に等しい。ただこのま

 まの状態で闘えば俺の妖気に耐えきれずお前

 の体は消滅するだろう。とりあえず早めにア

 イツを呼び出すとするか」

「アイツ?」


 多尾は地面に何かを描きはじめた。


「次にオレの血を垂す」

 

 多尾は描いた印に血液を数滴垂らした。


「よし。妖気を流し込むんだ」

「妖気を流し込む?」

「なんだそんなことも分からないのか。お前達

 で言う神通力を流すイメージだ」

「その神通力を今まで思い通りに使えた試しが

 ないんだよな。他の奴らみたいに足に集中さ

 せて早く移動したり細かい技?ってのが使え

 ないし。あと才覚すら何か不明」

「もしかしたら仏通力と何らかの関係があるか

 もしれないな。全く通力を使えないのか?」

「いや、なんか思いっきり殴ったり気合い入れ

 たりするときには知らないうちにヤル気ーっ

 て出てるみたい」

「仏通力で本能系。まあ気合で出てるならそれ

 でも構わんからやってみろ」

「よっしゃー」


 雷鳥はいつもの気合いを入れる要領で通力を

 印に流し込んだ。

 

「本当に通力が出ているな。よし、こう唱えろ。

 妖獣召喚、来い黒蛇」


 雷鳥は多尾の言う通り唱えた。


「妖獣召喚っ」


 地面が光出した。


「来いっ黒蛇っ」


 渦が舞う。


「何が起きたんだ?」

「来るぞ」


 何と10m級の黒蛇が姿を現した。


「おいコラっお前が呼び出したんか!!殺すぞ!!

 お前っ人間やろ!!どこでこの術覚えたんじゃ!!」

「勘太郎、落ち着け。訳あってあの爆発しそう

 なヤツを飲み込んでほしい」

「あーっ誰にもの言ーてん……あれ!?おっち

 んさん?おっちんさんじゃないですかぁ。ど

 うもどうも。どないしたんですか?めっちゃ

 小さあなってますやん。訳ありでっか?」

「訳あってこのガキに妖気を渡した。今日から

 俺の代わりに呼び出すので宜しくな。とは言っ

 ても俺も常に居る」

「わかりやし〜」


 勘太郎は雷鳥を睨みつけた。

 上手くやっていけるのか……。


「なあなあ、あれヤクザじゃん。これは下手す

 りゃこっちが殺されるだろ」

「大丈夫。たぶん」


 そんな不安はさて置き、やる気満々の勘太郎。


「おっちんさん早速行きまっせ」


 勘太郎はビーストに接近。

 そして一瞬で丸呑みした。

 瞬きする暇もないほど一瞬の出来事だった。


「早っ。てか一瞬かよ」


 ドカーーン


 ビーストは勘太郎の中で爆発した。


「これであとは消化して完了だ」

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