表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ビースト  作者: 秘伝リー
2/9

新種のビースト

〜トンネル内〜


 全員トンネル内に到着。先客がいるようだ。


「あれれー早いねー」


 小原がビーストの大半を倒してしまったよう

 だ。返り血を浴びて笑っている姿は不気味で

 しかない。


「タムっチーン♡」


 ビーストの残骸が天井や地面に飛び散ってい

 る。残り2体が残っているが怯え切って戦意

 喪失である。レベル4ビーストと小原では戦

 闘値の差が歴然である。


「小原、食っ付くなー」

「タムっチーン冷たい〜♡」

「もう2体しか残ってない上に戦意喪失。知性

 はないと聞いてたけど本能で怯えるんだね」

「たーまたまパトロールで近くに居たんだよー

 ん♡あと2体もチュッチュクチュー♡」

「これだけ力の差があれば仕方ないか」


 小原のギャップに唖然とする候補生達。


「タムっチーン♡昨日さポイントでカラーした

 んだけど分かる?」


 ドンっ!


 恐怖が頂点に達したビーストはいきなり襲い

 かかってきた。吹っ飛ばされた小原。


「……」

 

 倒れこみ全く動かない。


「タム兄、あれ助けないとヤバいよ」

「確かにお洒落はよく分からん」

「いやタム兄そこじゃなくて……」

「お・ば・らー・大丈夫ー?」


 ピクっピクピクっ。一瞬動いたような……


「とーーう。シュッ」


 無傷?なのか?


「はい♡」


 あの攻撃をまともに食らってドヤ顔で起き上

 がった小原。


「神通力を部分的に集中させ防御力を上げるの

 は知ってるよね?そして小原ぐらいの実力者

 になると頭で考えなくても体が勝手に反応し

 て瞬時に対応出来る。なので、あれくらいの

 不意打ちは問題ないってわけ。まあかなりの

 反復練習が必要だけどね」


 しかし、お気に入りの髪をビーストに少し切

 られた小原の様子が急変。


「よくも……」


 小原の表情が更に変わった。


「よくも……よくも……」


 緑色の闘気が見て分かるほど溢れ出している。

 かなり神通力が急上昇している。


「乙女のっーー乙女のっーー髪はっ命♡ゆーるー

 さーな〜〜い♡」


 小原の才覚発動。

 バレットM82AIを具現化。戦争でも使わ

 れる最高位の大型ライフル。


「えっ何?タム兄あれ何?」

「才覚も知らないのか」

「命の言う通り。あれは小原の才覚で具現化」


 後天性能力者

 才覚は具現化

 彼女は小原瑠璃おばらるり24歳

 イメージしたものを現す具現化

 神通力20000MAX神通力40000越


「乙女の怒り詰め込んで♡」


 具現化した大型ライフルに神通力を注ぎ込む。


「発っ射ーーー♡」


 大きな光の弾道はビースト目掛けて一直線。

 ビーストを包み込みそのまま外へと光の弾道

 は消えトンネルは一瞬明るくなった。

 ビーストは跡形もなくなってしまった。


「小原やり過ぎ」

「ゴメンちゃい♡」


 小原の桁外れた攻撃でトンネル内ビーストは

 全て消滅し処理完了

 

「まっこんな感じだけど大丈夫?」

「まぁこれくらい出来んと話にならんわのぉ。

 のぉ朱音」

「私……別に……」

「姉ちゃんスゲー。これがスワット正隊員の実

 力。タム兄っノブもこれくらい強い?」

「アホか。ノブさんは次元が違うよ」


 帰ろうとした瞬間すごい揺れが襲う。


「何!?地震??タム兄っ何が起こったの?」


 ドカーーーンッ

 ゴロゴロゴロゴロッ

 少し揺れが止んだと思いきや、更に大きな

 爆発音が鳴り響く。

 ドッカーーーンッ


 揺れは激しくなる一方だ。


 ドバーーーンッ


 トンネルが耐えきれず崩れだした。


「やばいー♡崩れるよー♡」

「呑気な姉ちゃんだなーっ」

「嫌な予感がするぞぉ。朱音っ神通力を全て防

 御に回すんじゃ。臭い獣とは別に高い質の妖

 気が流れ出しておるのぉ」

「急いで出るよ。小原、最後尾は頼んだよ」

「ブーラジャー♡」


 岩助が何かに気付いたようだ。


「ヤバいのぉ。ん!?この妖気は!?もしや」


 全員、足の裏に目一杯の神通力を集中。


「全員オッケー?行くよっ」


 猛スピードで崩れ落ちる破片を避けながら進

 んで行く中、雷鳥が遅れ気味だ。


「やべー俺だけ間に合わねえ」


 小原がニヤリ笑った。


「ブーストキャノーン♡」


 小原は神通波を後方に放った。

 その波圧でトンネルの入り口まで飛ばされ何

 とか全員脱出。外に出て全員が驚いた。



〜トンネル外〜


 見たことのないビーストと妖怪が闘っている。


「痛ーっ。でも助かったよ姉ちゃん」

「どうも♡」

「やはり大蛇じゃったか。しかし弱々しい妖気

 じゃのぉ。首の封印が効いとるのぉ」


 思わず声に出してしまった岩助。


「あれが大蛇?大蛇は死んだはずでは?」

「うおー強そーなバケモノが戦ってるんですけ

 どーーっうおーうおーっ」

「雷鳥、黙らっしゃい」

「ういーっす」

「岩助さん。書物で読んだ大蛇は退治されたと。

 それにイメージとはかなり異なります。知っ

 ている事を教えてもらえますか」


 聞かれては不味かったようだ。


「ふう仕方ないのぉ……。ここだけの話じゃか

 ら他言はするでないぞぉ。あれは二代目で書

 物は初代。初代大蛇は下級妖怪を守るために

 自ら盾となり、男神スサノオに殺されたんじゃ」


 全員、岩助の話しに耳を傾けた。


「男神スサノオは罪を犯した妖怪を裁いておっ

 たのは事実。しかし戦いを繰り返しをしてい

 るうちに力を求め裁きに快楽を覚えたのじゃ。

 その結果、剣に取り憑かれ無差別に人間と妖

 怪の殺戮を繰り返した。勿論、神の座は剥奪

 されたが、この事実が神にとって汚点になる

 と考えた最高神は事実を塗り替えたんじゃ。

 そして張本人のスサノオと事実を知る人間・

 妖怪を別の神々に裁かさせたのじゃ。当時を

 知るのは最高神と一部の神。妖怪大戦の大蛇

 は二代目で多尾と言う名前で戦っておった」

「どうしてそんな情報を岩助さんが?」


 命が意味深な一言を呟く。


「鴉天狗は堕天使」


「(鬼道衆のガキは知ってそうじゃのぉ)ワシ

 らにも色々あるんじゃ。それよりこのことは

 不用意に他言せんように」


 今戦っている多尾と言う妖怪は、書物で死ん

 だと伝えられていた伝説の古代上位妖怪八首

 の大蛇だった。ここに居る隊員はその事実を

 知ってしまう。その時、田村に無線で連絡が

 入る。


「……了解」


 田村の表情が曇る。


「表情が険しいのぉ」

「別の場所にも同様の敵が現れたみたいです」

「かなり計画的な敵さんじゃのぉ。それより多

 尾が苦戦しとる思ったら尻尾が0じゃ、これ

 も折込済。田村どうするんじゃ?」

 

 話がまとまってない中、突如空間の亀裂から

 大小数十体のビーストが現れた。


 

 多尾0尾(妖力値50000)

            VS

        謎のビースト(レベル600)


〜多尾vsビースト〜


「流石は上位妖怪。しかし未完全体らしいね。

 完全体なら勝ち目はなかった。かな?とにか

 く上の命令だから妖魂は頂くよ」

「尻尾が揃ってりゃこんなクソゲス屁でもねー

 のに……」


 かなり一方的にやられている多尾。尾が揃っ

 ていない上に正規の封印解除ではないため妖

 力が不十分の様子。



〜トンネル外〜


「タムっちん、あのビースト喋ってない?♡」

「知性があるビースト」

「私たちはどうしまちゅ?♡」

「あの知性のあるビーストを生きたまま捕まえ

 て支部に連れ帰る。目的が気になる。小原は

 空間の亀裂から流れ出しているビーストを倒

 しながら新人君たちを頼む」

「タム兄っ俺たちはどうすんの?」

「お前達は見学……ん!?」


 ?!会話の途中に突如、謎の覆面が現れた。

 気配は全く感じなかったはずなのに。


「皆さん、こんにちは」


 味方でないのは間違いなさそうだ。

 謎の覆面との距離を取る隊員。

 田村と小原は神通力を高めて既に戦闘態勢。

 候補生達も遅れて戦闘態勢に入ろうとした

 瞬間、田村が叫んだ。


「手を出すなっ」


 候補生ではレベルが違いすぎると判断した

 田村は、その場で踏み留まらせることを指

 示した。小原と田村は更に険しい表情。



「小原、全力で御に集中。お前なら力の差は

 分かるよね?」


 田村と小原の汗が尋常ではない。


「賢明な判断です」


 謎の覆面は一瞬で田村の背後を取る。同時に

 小原を光の糸で縛る


「痛いっ♡」


 田村だけは辛うじて反応出来ているようだ。


「俺の背後に立たないでくれる」


 田村は攻撃を仕掛けるが当たらない。


「タムっチーン背後取られちゃってるぅ♡♡」

「反応してます。ってお前は?」

「私は捕まっちゃってるぅー♡」

「アイツ結構の遣り手みたいよ」


 宙に浮いている謎の覆面。一体何者なのか。


「あなたがリーダーですね。かなりお強い」


 今度は田村が覆面の背後を取ろうとするが回

 避されてしまう。


「貴方は計画の邪魔になります。退席を」


 謎の覆面は、一瞬で田村と小原の背後に回る。

 速いと言うより空間を移動をしているようだ。


「いつの間に?!小原っ気をつけろ!」

「遅いですよ」


 凄まじい衝撃波動で田村と小原を上空に吹っ

 飛ばした。同時に謎の覆面は術を発動。


「厳塞要徼」


 一瞬で半径五〇〇m範囲の結界を張り巡らせ

 た。しかも観たことのない術式である。結界

 の範囲が尋常ではない。


「妖魂の回収まで見物しててくださいね。では

 また、必ず、どこかで」


 謎の覆面は去り、空間の亀裂は閉じた。



〜結界外〜


「タムっちーん助けてー♡」


 田村は光の糸を雷刀で切ってあげた。


「サンキュータムっちん♡でもあーあーどうし

 まちゅでちゅ?♡」


 田村は結界をひと調べるみるが


「どうもこうも、結構複雑そうな結界ね……完

 全にやられたね」

「雷撃の極み使えば良かったじゃん♡」

「うるさい。面倒だから全神通力で壊しちゃう

 か笑笑……って駄目だよね、中の皆んなが無

 事で済まないね」


 田村と小原は戦線離脱?!。結界内に残され

 た3人と亀裂から現れた数十体のビースト。


 上位妖怪多尾VS知性を持つビースト

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ