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ビースト  作者: 秘伝リー
1/9

雷鳥

「市街地でビースト発生、数2体レベル4をス

 リーマンセルで向かいます」


 街ではビーストが暴れまわっていた。


「ビースト2体レベル4処理完了し戻ります」

「最近特に数が多過ぎて妖怪の手も借りたいよ」

 

 1815年、日本妖怪大戦終結。

 1816年、人妖平和条約、調印。

 年月が流れ2015年ことは起こった。

 全国各地で多々報告のあった奇妙な空間の亀

 裂から見たことのない謎の未確認怪獣【通称

 ビースト】が現れ街は一瞬にして火の海と化

 した。この危機に能力者達が立ち上がりビー

 スト対策チームを設立。


 その名はS・W・A・T



「急がねえと遅刻だー」


 スワット関西支部に向かう1人の青年。

 彼の名前は清水雷鳥15歳。


「着いた。ここがスワット関西支部」


 雷鳥とは別に2人が先に並んでいた。


 

〜スワット関西支部〜


「えー嫌だけどお前らの指導係やらせてもらう

 田村だあ宜しくー」


 田村とは別でもう1人。この人も上官だろうか?


「タムっちーんパト行ってきまーーす♡ニュー

 フェイス??ここに来たってことは・ス・ワ・

 ッ・ト・っだね。お姉さんが歓迎で抱きしめ

 てあげるぞっ♡」

「早よ行けー。って田村さんだろー」


 隊員には見えないキャピキャピ姉ちゃんが、

 大きい胸を揺らしながら去って行った。


「えーアイツはあれでもスワット隊員でお前ら

 の先輩でまた改めて紹介するわ。でお前らは

 今期の特殊部隊スワット関西支部の候補生。

 スカウトを受けてくれてありがっとー。神通

 力3000第2位、十二支平旦の朱雀朱音14

 歳。神通力5000第1位、最年少天才鬼道

 衆の鬼州命15歳、神通力第3位、3000

 清水寺長男の清水雷鳥15歳。ええ今日から

 1カ月は候補生として現場に行ったり施設内

 外で訓練に励んでもらう。折角だから自己紹

 介でもいこうかあ。ではまず、朱雀朱音」


 見るからに人見知りオーラを出している朱音。

 そしてその肩に怪しげな鴉。そして……


「おい若造。朱音は人見知りで基本ワシが受答

 えをする岩助じゃ、良いのおっ」


 鴉が喋った……


「わ……わかりました」


 田村は一瞬、固まってしまった。


「朱音は青虎の使い手じゃ。神龍の麗羅は朱音

 の姉じゃ。あの家出女がっ」

「(なんかペース乱されるなぁてか聞いてない

 んだけど…)麗羅?あーはいはい何度か会っ

 たことあります。関東支部の隊員ですね。

 確か肩に鳥が乗っていたような…(なるほど

 姉妹だね)」

「ところで候補生とやらは3人だけか?」

「今期は関東支部で3名と関西支部で3名です。

 もっと多い年もあれば逆にもっと少ない年も

 あります。神通力1000以上が入隊資格の

 ボーダーになるんで該当者なしって年もあり

 ます。因みに現在の正隊員は50名ほどです」

「50名ほどとは少ないのぉ」

「公式発表されていない隊員も居ますがおっしゃ

 る通り。結構人間界でも派閥あるんですよ。

 それと平和が続いていたと言うこともありま

 す。妖怪との平和条約以は特殊能力を鍛錬す

 るどころか使用することすら無くなり自然と

 力は弱まっていきました。生まれてくる子供

 に関しては特殊能力自体を持たないのが一般

 です。なんせ200年も経ちましたから」

「で神職者をスカウトっちゅうことか」

「面目ない。ただ神職者以外でも特殊能力を持

 つケースもあります、現に隊員でも居ます」

「それをどうやって見つけるんじゃ?」

「本部の感知モニターがあります。広範囲を十

 km単位で神通力500を超える数値を感知

 します。反応があった場所をハンティング部

 隊が調査に向かいます」

「十km単位とは一苦労じゃのぉ」

「ハンティング部隊には小型レーダーを携帯し

 てもらっています。範囲はかなり狭くなる分

 一m単位で感知出来ます」

「ワシら妖力と同様、神職者なら神通力を自在

 にコントロール出来るがのぉ」

「おっしゃる通り(見透かされてるみたいだね)

 突発的に特殊能力が目覚めたケースは比較的

 イージー。厄介なのは既に能力を使いこなし

 ているケース。色んなパターンが考えられ最

 悪は敵の可能性もあると言うことです。なの

 でハンティング部隊は経験値の高い隊員で構

 成されています。因みに俺も結構経験値高い

 んでハンティング先発部隊です」

「まぁお前さんが強いのは分かるわい」

「どうも」


 田村は岩助を只者ではないと感じていた。

 

「タム兄っ」

「タム兄はやめてよ」


 雷鳥が田村に馴々しいのには訳があった。

 雷鳥は3人兄弟の長男。妹は巫女修行で親交

 のある寺で生活をしている。弟は清水寺の次

 期当主。本来は長兄が当主となるはずだった。

 しかし生まれながらにして悪き力が宿ってい

 たため為来りにより本来は殺される運命だっ

 た。為来りに物申したのがノブこと清水幸伸

 【33歳】が雷鳥を引き取る事に。そんなノ

 ブに親しみや憧れを持つようになり本人もス

 ワット隊員を志すようになった。因みにノブ

 はスワットのトップ隊員でタム兄こと田村将

 人【29歳】はノブの直属の部下で家にもよ

 く遊びに来る仲だからである。


「はい雷鳥どうぞ」

「清水雷鳥。全てのビーストは俺が倒します」

「はい、意気込みはありがとー。(まさかホン

 トにスワットに……トホホー今日はノブさん

 とサシ飲みだな。)はいっ次は鬼州命」


 黒髪ロン毛の落ち着いた雰囲気の青年。


「ある事件を追って情報収集に都合が良いため

 スワットのスカウトを受けた。特に馴れ合う

 つもりはないが宜しく頼む。足を引っ張るよ

 うなことは控えてもらいたい」

 

 イラッとする雷鳥と岩助。


「鬼道衆のガキが生意気を言いよって」

「そんな事言う奴に限って弱いんだよな」

「ならここで照明してみるか」


 雷鳥と命が一触即発。


「はいはい仲良く仲良くー。(先が思いやられ

 るよ……)」

 

 突然アナウンスが流れてきた。


「南野トンネルにてビースト発生、ビースト発

 生、10から15体確認、敵はレベル4敵は

 レベル4」


 ビーストの出現である。田村は本部に連絡。

 

「こちら田村、正隊員が全員出払ってるんで小

 原を単体で先に向かわせます。候補生3名を

 連れて自分も現場に向かいます」


 ビースト出現に1人はしゃぐ雷鳥。


「バトル?バトル?来たー戦うぞータム兄っタ

 ム兄っ行く?行く?」

「あーうるさい。雷鳥くれぐれも邪魔しないで

 ね。てことでとりあえず現場に行こうか」



〜トンネル入口〜


 各自、神通力を足に集中させ超スピードでト

 ンネルに向かう。


「はい到着ー」


 ビーストはこの先500mに居るようだ。

 一番乗りの田村と少し遅れて命と朱音が続い

 て到着。更に5分ほど遅れて雷鳥が到着。


「おーい待ってくれよー」

「雷鳥、遅いねえ。現場への遅れは被害拡大に

 繋がるよー(悪き力が邪魔してるとは聞いて

 いたけど、神通力を安定供給出来ないだねぇ)

 じゃあ全員揃ったね。ビーストのレベルは4

 だけど決して気を抜かないように」

「タム兄ー」

「何よー雷鳥。って田村さんでしょが。まぁも

 う良いけど本部では弁えてよ」

「タム兄、レベル四てピンと来ねえんだけど」

「そうだねぇ、神通力500もあれば十分に倒

 せる。だから単純に君達でも問題なく倒せる。

 ただ、レベルだけで見ていると痛い目に遭う

 よ。ビーストは未知な部分が多いからね。特

 に実践経験の少ないメンバーは要注意」

「清水のガキは可能性あるのぉ。朱音にはワシ

 が居るから問題ないじゃろ」

「おい鴉っ俺様を甘く見るなよっ。てか鴉が喋

 んじゃねーよっカーカー鳴いてろ馬鹿っ」

「生意気なことをぬかしおってっ。何百年先輩

 じゃと思っとるんじゃっ口の利き方に気をつ

 けんかいっ」

「はいはいはい。(あー指導係したくないんだ

 けど……)じゃあ改めて500m先にビース

 ト居ますんで行きますよ。行くよっ」


 田村は凄い勢いでトンネル内に。

 後に続く命と朱音と雷鳥。

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