数年後
パンパンパ~~~~ン。
子育てに仕事にと大忙しの日々を過ごしていたら、あっという間に四年が経った。
あれから僕は二児のパパ!
四歳になる大姫と一歳になる中姫がとっても可愛い!
どっちの娘も葵の上によく似て美少女だ。
そんな中、頭の中将が「残念だな、源氏の君に似た娘ならさぞかし美しかったというのに」とケチを付けるような事を言い放ったため再度、四の君の調教が始まった。
任期を終えて播磨から戻ってきた蔵人の少将は、右大将に昇進し『明石の大将』と呼ばれている。
摂津に建設した貿易都市『福原』は西日本を繋ぐ一大交流地点となった。
因みに『福原』と命名したのは僕だったりする。
言っとくけど、他意はない。
偶々、中心都市が史実の『福原』だったせいだ。平清盛が出来なかった夢を僕がする!と言いたいところだけど僕に貿易や経済の知識なんてない。こんな風にしたいな~~と適当に現地責任者に言って丸投げだよ。儲かっているみたいだから現地の人よっぽどやり手なんだろうね。
「今度は東の方に赴任したいものです」
明石の大将が怖い言葉を放つ。
東ってどこ?
「もしかして『鎌倉』とか考えてる?そんでもって坂東武者を支配下に置こうかと思ってるの?」
「おお!流石、源氏の大臣ですな!都に居ても北から南、西から東へと全国の内情を良く御存知だ!できれば蝦夷の事も詳しく聞きたいですな!」
あかん。墓穴ほった?
前に北海道の事を話したら物凄く食いつきが良かったんだよね。行動派の明石夫婦の事だ。北に行くぞ!なんて言えば家臣を引き連れて討伐に向かいかねない。
「まあ……それはおいおいに。蝦夷よりも先に東北の安定化だよ」
「それは心得ております。まだまだ若輩の身ですが、いずれは東北に都にも劣らない大都市を築き上げたいものですね!」
「福原のように?」
「福原とはまた違った都市にしたいものです!その時はなにとぞお力をお貸しください!」
「うん」
明石の大将夫婦よ……君達、この国をどうしたいの?
この分じゃ、近いうちに「東北に向かいます!」とか言いだしそう。
それで『鎌倉』造って『平泉』も造ってそうな勢いだ。
僕も『内大臣』に昇進したからね。国政にも色々と口を出せる立場だったりする。
明石の大将の父君である元内大臣は『太政大臣』に昇進している。本人は隠居したがっていたけどそこは引き留めた。一人だけ楽をしようったってそうはさせない!不幸は分かち合うもんだ!




