左大臣家へ婿入り
美しい!!!
陶器のように白い肌、艶やかな黒髪、高貴な顔立ち、桜色の唇。
葵の上、メチェクチャ美人!
なんかいい匂いもするし……原作の光源氏は何故彼女に不満だったんだろう?
謎だ。
後宮で綺麗処をみて目が肥えているはずの僕でも驚くほどの超美人さんなんだよ?
「一生、大事にします!」
つい、叫んじゃったよ。
葵の上は真っ赤になってるし、義両親の左大臣夫妻はそんな僕達を微笑ましく見ている。
義兄の頭の中将は何とも言えない表情をして、「女は一人じゃないぞ」と頭の中将がボソと言ったせいで葵の上が真っ青になっちゃった事は一生覚えとく。
「義兄上、少しあちらでお話しましょうか」
にっこり微笑むと何故か頬を染めた頭の中将は、僕に手を引かれて隣の部屋に行き、僕直々に丁寧にお話したら理解してくれたよ。
ちょっと音が煩かったかもしれないけど、大宮様や葵の上は特に気にしていないみたい。よかった!
しばらく歩けないだろうから、頭の中将の正妻である四の君にお手紙だしといたよ。僕はいい子だから詳細をキッチリとしたためておいた。
頭の中将は左大臣と一緒になって生まれたての子鹿のようにプルプルしてるけど、どうしたのかな?
「何故、妻に手紙を?」
頭の中将がプルプルしながら質問してくる。
なんで手紙だしてるかって?
「それは僕と四の君が仲良しだから!日頃から文通してるんだよ。だからね、頭の中将のことはよ~~~~~~く聞いてるよ。あ~んなことや、こ~んなこともネ」
笑って教えてあげたら、白目むいて倒れちゃった。
僕は親切だから、四の君の屋敷まで頭の中将を届けるよう惟光にお願しておいた。
惟光が「東宮様にお伝えしなければ……」とかなんとか青い顔でブツブツ言ってたけど、どうしたのかな?
暫くの後、四の君の屋敷から悲痛な男性の雄叫びが聞こえてくる、と噂になった。
どうやら以前プレゼントした『旦那の調教用のムチ』を使ってくれているようで何より。四の君からお礼の手紙と共に沢山のお菓子もくれたので、葵の上と一緒に美味しく頂きました。
そうそう、葵の上も四の君と文通始めたんだよ。二人とも義姉妹になるけど、今まで全然交流がなかったんだって。僕を介して交流を始めたらとっても気が合ったらしく、義母の大宮も交えてよく女子会してるよ。
四の君は、僕のお姉ちゃん的存在だからね。
え?
何時から「姉」になったんだって?
僕の最後の求婚を正式に断られた時からだよ!「妻」がダメなら「姉」!これだよ!奥さんとお姉ちゃんが仲良くなって僕は満足。




