表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/119

閑話 四の君side

「お断りします」


「ええ~~どうしても?」


「どうしてもです」


「顔良し、頭良し、性格良しだよ?お買い得ってもんでしょう?」


「……自分で言います」


「だってもう時間がないんだよ。なりふり構っている場合じゃない!」


「何度、求婚されても返事は同じです」


「ええ~~~~!」



 

トボトボと『弘徽殿』から去っていく光にも困ったもの。出会った時から私に求婚してくるのだから。人妻である事も知っての上での求婚。まあ、私としても悪い気はしません。くすぐったい気分にさせられてホワホワしたものを感じるのも事実。


「やれやれ、また光を振ったのかい?」


「私は頭の中将の正妻なんですよ。仕方ありません」


「そんなもの何とでもなるというのに」


困った方がココにも一人。

残念そうな表情を浮かべる目の前の貴人。


「光は将来有望だよ?元服の際に授けられる官位は従三位だ。あの子は頭も良いし協調性もある。母上(弘徽殿の女御)おじい様(右大臣)とも気が合う。出世は間違いないよ。四の君なら安心して光を任せられるんだけどね」


「東宮様……」


「四の君と光は仲が良い。光の事は気に入っているのだろう?」


「弟のように思ってます」


「本当に?」


「ええ!ほ・ん・と・う、です」


「そういう事にしておこう」


楽しそうに笑う東宮の姿に少しゲンナリしてしまう。

一体何処まで気付いているのかしら?

けど、私が光を「弟分」と思っているのは本当のこと。それに「夫君」が追加されても私的には何の問題もなかったりする。なら、どうして求婚を断わったかというと姉上(初恋の君)の代わりはゴメンだということ。姉上(弘徽殿の女御)と比較されるのもゴメンだわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ