表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/119

閑話 藤の中納言side


「……父上、四の君を止めなくていいんですか?」


「なら、お前が止めろ」


「無理に決まっているではありませんか!」


「そうだろ」


父上と並んで、四の君が女房や下女に不思議な衣と恐ろしい被り物を身につけさせているのを眺めるしかない。これから四人の君は、夫の浮気相手の屋敷を襲撃する準備をしている。止めたいが止められない。


「女の戦いに男が口を挟むもんじゃない」


「父上……四の君の場合は物理で潰す気ですが……」


「それでもだ」


「本当に罪にならないのですか?」


「二の宮様が全て下準備を調えてくれた。儂も確認したが完璧なまでのお膳立てだ。あれでは検非違使も動けんだろう」


父上は死んだ魚のような目になっている。私も同じ目をしているだろう。こんな時、長男は貧乏くじを引く。弟達は既に逃げ去っているというのに。



我が家は他家とは違って「女」が強い。

どれだけ強いかというと、右大臣家の跡取り候補(男児)を産んだ側室が「あれ?何かおかしい」と感付き「生き残るには総領姫(弘徽殿の女御)を筆頭とした姉妹と敵対してはいけない」と察するのに時間が掛からない。

揃いも揃って気が強く政治も明るく、その上に情報通ときている。


そんな女傑揃いの右大臣家の姫君たち。

右大臣家「最恐の女」は間違いなく総領姫(弘徽殿の女御)だ。

だが「最凶の女」は四番目の姫だったりする。



 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ