表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/119

閑話 鳳凰side


運悪く皇帝とその配下に見つかった。


深手を負わされて必死に逃げた。

いつの間にか海を越えていたようだ。海を越えた先も大陸と大差ない、と思っていた。まさか、あのように()()()()()を持った人間が存在するとは。近年稀に見る美しさだ。しかも為政者としても申し分ない才覚と人柄ときている。青年がこの国の『帝』となり名を「朱雀帝」と称するようになった頃、朱雀の弟が現れた。


あれには驚いた。


人が持つには実に禍々しい気配を有していた。一瞬、人に化けた妖怪かと思ったぞ。妖力に近い()()()だった。しかも大妖怪が持つ程の量を身の内に取り込んでいる。


よくもまあ……人として生きていられるものだ。




「光、鳳凰様に失礼だよ」


「兄上!」


「私の治世に現れてくださったのだ。出来る限りの『おもてなし』をしなければ罰が当たるというものだよ」


「兄上!!」



やはり異常だ。

ゆっくりと移動し、朱雀の隣に座る。

朱雀の弟は光という名前だが、「光」というより「闇」といった方が正しい気がするぞ。神獣と分かっていて睨み付けてくる豪胆さは認めよう。朱雀にも懐いているようだしな。


ここ(御所)が新しい家になるのだ。

この不可思議な生き物を観察し見極める時間は十分ある。


近づけば肌で感じるほどの「気」だ。

そんな訳の分からない物を背負い込みながら平然としている人間に苦笑してしまう。この人間は自分が何者なのか分かっていない。



人として生涯を終えるか、それとも人以外の()()()に進化するのか。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ