閑話 朱雀帝side
私の局は不穏な空気に満ち溢れている。
原因は弟と鳳凰様だ。
「兄上、このような凶暴な大鳥を傍に置くなんて危険です!」
ピィ!ピピィ!!
鳳凰様も光に負けず抗議してくる。
人嫌いの鳳凰様はともかく、光は動物好きだったはず……どうしてこうなってしまったのか。
もしかして大きい姿の鳳凰様だから光は気に入らなかったのかな?小さい姿のままなら愛しんでいたのかもしれない。最初に出会った鳳凰様のお姿はとても愛らしかったから……。あの時は酷く傷ついてきて元の姿に戻れなかったと仰られていた。
「二人とも少し落ち着こう」
一度、お茶でも飲んで気持ちを落ち着ける必要がある。そう判断したのはある意味正しく、ある意味無意味であった。光と鳳凰様は壊滅的に相性が悪かったのだ。
光は「愛玩は他に幾らでもいます!そうだ!子猫なんてどうですか?家に住まう害虫を駆除してくれる賢い動物です!」と積極的に猫を飼う事を推し進めてくる。
弟よ、鳳凰様は神獣。神様なんだよ。愛玩動物と一緒にしてはいけない。
鳳凰様は「無礼な人間だ!そなたにちっとも似ていない禍々しさだ!」とご立腹。
光と鳳凰様とは仲良くして欲しかったので残念でならない。美しい二人が横に並べばそれだけで極楽浄土と勘違いしそうなほどだというのに。
「聞いてますか?兄上!」
ピィー!!
息はピッタリなんだけど。
残念でならない。