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小さな遊戯会  作者: ルシア
2/2

パンドラ予定記。??・ナイトメアパーティー

あの龍はどこかに消え、戦艦はあらかた片付け終えたな…

それを確認した私は通信機に手を当てて皆への指示を出した。


「こちら、エンド。各隊、敵を殲滅。損傷艦は旗艦の後ろに追従して港へ向かえ。キトラは私について来い。赤い光が目印だ」


そう言って私は腰に付けた玉に魔法で火を付けて空へと放り投げた。


― ― ― ― ―

sideキトラ


「あ、あれが目印の奴かな?」


明るい炎が打ち上がり、夜の海を赤く染めていく。

それを見た私は、直様そちらへ泳ぎだした。


「…あ、来たな。行くぞ」


近付いていくとエンドがこちらに気付いたらしく、手を差し伸べて来る。

私はその手を掴み、足から作ったヒレ付き台座を分離させた。


それを確認したエンドは翼を羽ばたかせ、港へと向かっていく。


「…キトラ、見えるか?やはり警戒されている様だ。敵は…レイヴン爆撃機、エンフォーサー、後は未確認のバイクだな。百何十体程居るが、殺れるな?」

「もちろん!任せて!」


エンドに聞かれ、二言返事で肯定する。

まぁ、もちろん殺せないはずが無いけどね。


「わかった、スキルを発動させろ。行くぞ?」

「了解!【千変万化】【暴虐】【狂乱】」


腕が大きく、鋭く変わっていき、視界が赤く染まる。

そして狂乱を唱えた時、エンドから手を離された。

空中から落下していき、速く、速く地面へと落ちていく。


そのまま、落ちる真下の肉に向かい腕を伸ばす。


グチャッ、そんな音と恍惚な感触が共に私を蝕み、その肉の下の鉄塊を貫いた。


「ガアアアァァ!」

「敵襲!敵襲だぁぁ!」


雄叫びを上げると、肉が何かを私へと撃ち込み、逃げたり近付いたりしてくる。

そいつへと手を伸ばし、喰らいつく。

遠く、近く、目に映った肉に向かい走る脈動。


そんな時、声が聞こえた。


「【雷霆万鈞(らいていばんきん)】」


白い光が落ち、肉が焼かれる匂いと、鮮やかな死の香り。

肉は逃げ惑い、狂騒が迫りくる。


あぁ…なんて幸せなんだろう?


― ― ― ― ―


雷で敵を焼き、走り、目の前の敵を切り裂き、その奥の敵へと向かっていく。

キトラと私から敵達は逃げ、着実に数を減らしていっている。


そんな時、遠くに何かが光り、キトラが吹き飛ばされた。

肉片となり、キトラの体の一部が消えた。


敵の増援がやってきたのだろう…

キトラは吹き飛ばされたが、すぐに再生するだろうし敵も後少し。

ここはキトラ一人でも十分だろう。


なら――


「眠気も醒めるような悪い夢を魅せてやろうじゃねぇか【血界】」


何ヶ月か振りに抜いた2本目の大鎌を手に、走り出した。

パンドラとデストラスを同時に使うのはいつ振りだったか。

確か、ルウと戦った時が最後だったはずだ。


「【絶雷】」


雷電霹靂(らいでんへきれき)雷霆万鈞(らいていばんきん)は私が創り出した魔法。

雷電霹靂は全方向への拡散、雷霆万鈞は一方向への特化型。


その力は私が1番知っている!

この一対の刃に、この雷を込めて、振るう!


「【雷霆万鈞】【雷電霹靂】」


― ― ― ― ―

sideキトラ


戦いが終わり、理性が戻り始めてきた頃に、遠くで何か一筋の光が見えた。

その光を目で追っていると急にふと光は消えた。


それは、小さな光の柱となり、空へと登っていったのだ。

その後、その光に反応するかのように大きな雷が降り、爆轟が訪れた。

大きな音に、吹き飛ばされるような衝撃が私を襲った。


その後に聞こえた声はこう告げた。


「制圧完了。全隊、アナザー王国港に停泊せよ。休息、整備、搬送が終了し次第、進行を開始する」

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