魔帝国プラノーヴァ、一方冬乃たちは……
フレンは竜の使い魔を呼びそれに乗ってプラノーヴァに向かった。
なんかの魔法なのか全然風圧を感じないので普通に喋れる。
「そういえばお仲間はどうした?」
「連れてきてませんけど?」
「は?じゃあ僕は何故死角から攻撃されたんだ?」
「私の魔法ですよ」
まっいいか相手に手の内らさすほど馬鹿ではないだろうし
「この竜はフレンの使い魔なのか?」
「はいそうですよ、竜の使い魔は七つの大罪のみんなに配られるんですよ、憤怒はブラック、嫉妬はイエロー、怠惰はグリーン、強欲はレッド、暴食はパープル、傲慢はオレンジ、色欲はピンクの竜です」
「僕は一体何色だろう?」
「どうせグリーンですよ」
「僕が怠惰だと?」
「嫌だなーそんなこと言ってないですよ。この七つの大罪は特殊な能力があるんです。それを使いこなす事が出来る優秀な存在が七つの大罪の名を授かるんです」
つまり何でもいいのか随分適当だな、いや適性がないといけないから何でもって訳ではないんだけど、怠惰の適性とか色欲の適性とかバカにされそう、って結局怠惰の適性が有るってどうなんだ?名誉っぽいけど……馬鹿にされた気分
「つまりフレンには強欲の適性があったって事か?だったら人は見かけに寄らないな」
「そうですか?」
フレンは楽しげに言った。
「そういえば本当の名前を言ってないですね。私はフレン・マモンです」
「コラシエールってのは?」
「偽名ですよ、七つの大罪になるという事は家名を捨てるという事だから……コラシエールは七つの大罪になる前の家名です」
つまり僕も時夜・なんたら、になるって事か、なんか嫌だな
「未だに昔のコラシエールって偽名使っているとか未練たらたらだな」
「それはほら、私は強欲ですから一度自分の物だったものは奪われたくないんですよ」
夕方くらいでようやくプラノーヴァ魔帝国が見えた。
「そろそろ着きますよ」
僕はフレンに担がれてプラノーヴァ魔帝国の城に入り、魔皇帝の玉座の間の扉の前に連れてこられた。
扉は禍々しい装飾をしていて門番が左右に分かれて立っている。
「七つの大罪、強欲のフレン任務を達成し朝凪時夜を連れてきた」
フレンは門番に報告をして扉を開けてもらい中に入る。
玉座の間は150×150×5くらいの大きさだ(縦×横×高さ)床には赤い絨毯が敷かれ扉の両端を平行に真っ直ぐ直線を引いたところに6㍍間隔で柱が立っている。そして15本目くらいから階段があり2㍍くらい上がった所に玉座がある。
僕とフレンは階段の少し前で止まり跪くとフレンは魔法を解いた、勿論僕は拘束されている為絨毯に寝転がっているので顔は見れない
「七つの大罪、強欲のフレン任務を達成し只今戻りました」
「そうか良くやった、下がっていいぞ」
「はっ!」
そう言ってフレンは認識阻害の魔法で顔を隠して玉座の間から出ていく。
「さて時夜と言ったか、我が魔帝国の軍門に下れ」
「嫌だな」
「そうか、だがそうも言ってられないんだ。悪いが協力して貰おうか」
そう言って魔皇帝は指をならし部下に僕を何処かに連れていかせた。
冬乃視点
プラノーヴァ魔帝国に行く為に船に乗り半日かけて海を渡り遂にプラノーヴァ魔帝国に着いた。
「魔帝国はここから徒歩で2日の所にありますけど、ここは魔法を使いましょう」
秋人の土魔法で4人乗りの車っぽいやつを造りユニスの炎魔法で加速して一気に移動し、僅か5時間でプラノーヴァ城に着いた。
「城に着いたのはいいけど、ここからどうすんだよ?」
秋人は冬乃に問いかける
「とりあえず情報収集をしましょうか、今は11時くらいだから先に昼食にしましょう」
とりあえず適当な洋風レストランで昼食を取りつつ今後の予定を決める
「やっぱり情報収集は酒場くらいしか無いだろ」
「じゃあ、秋人、頼んだわよ」
「おい、……まあいいけど」
「あら、やけに素直なのね」
「女が酒場に行くと面倒な気がしただけだ」
「やっさしー」
ラキが秋人に酒場を押し付ける事に成功
「そんなことより他はどうすんだよ」
秋人がラキに揶揄られて耐えきれなかったのかそんな質問をしてきた。
「私たちはこの帝都の人に適当に聞き込みをする予定です」
秋人は冬乃の解答が気に入らないのか「俺ハブられてるよな?」などと聞いてきたが「そんなこと無いですよ適材適所です」と言って解散した。
夜中の宿屋にて
「情報を共有しましょうか」
冬乃の提案にみんな頷いたのでみんな情報を話していく、勿論防音空間を作っているため音漏れは無い
情報をまとめると月末に新たに七つの大罪の席に誰かが着いた為セレモニーがあるみたいで、七つの大罪全員が出席して祝う予定との事、あとは少し奇妙な噂があったわね、何でももう七つの大罪は全て埋まっている為セレモニーがあるなんておかしい、だから七つの大罪の誰かが死んだなんて言われている、って感じになっているわね。
「つまりどうやっても6月初めの授業は眠いな」
「秋人はいつも眠いとか言ってるじゃない」
「まあそうなんだけどな、でも流石にラキも徹夜は厳しいだろ?」
「確かに健康に悪いから嫌なんだけどそうも言ってられないから仕方ないわ」
なんか秋人とラキが言い合うのがデフォルトになってきたわね。
「はい、では月末にお兄様奪還作戦を開始します内容は……」
こうして冬乃たちはそれまでセレモニーの開催場所の下見やら逃走経路の確認やらをして月末を待った。