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3.41.俺も練習


 一度子供たちをベンツに任せ、俺は一匹で誰もいない山に登った。

 その理由はただ一つ。


『負けてらんねぇーーーー!!』


 と、いう事です。

 子供たちの著しい成長を見ていると、俺の使える魔法の数に心許なささえ覚えてくるのだ。

 不安で仕方がない。


 それに、子供たちの持つ適性魔法を使った複合魔法を、俺はこれから教えていかなければならないのだ。

 様々なことにチャレンジしていくしかない。


 因みに……今俺が使える魔法はこのようになっている。


==============

 『風属性』

 竜巻、台風、つむじ風、風圧、風刃、風神(風・身・雷)


 『炎魔法』

 炎上牢獄


 『水魔法』

 銃水弾、水狼


 『雷魔法』

 纏雷 雷円陣、感電水(雷・水)


 『土魔法』

 土壁、土狼、城壁、土剣山


 『光魔法』

 太陽の杭、聖水(水・光)、浄化(呪いや状態異常解除)、無限箱、聖槍


 『闇魔法』

 ワープゲート、魔力吸収、魔力譲渡、魔力量感知、威圧


 『回復魔法』

 『身体能力強化魔法』

==============


 すっくな。

 え、すっくな。

 俺この一年とちょっとなにしてたん。

 あ、平和に狩りして複合魔法練習しまくってたわ。


 えーでも改めてみるとショックだな……。

 この数はないわーまじないわー……。

 練習しよ。


 よし、とりあえず炎魔法から行きたい所だけど……。

 火力調整できないからまた今度。

 なので、比較的安全な水魔法から攻めていきましょう。


 水魔法は水狼と水弾だけで乗り越えれる気がしないでもないけど、他のを作っておいても、損はない。

 まずは水魔法で、レインのやっていた水刃を作り出したい所だ。

 同じ魔法の複合は難しいのかどうかも、これでわかる。


 イメージは完璧!

 後は実践あるのみ!


 と、いう事で俺は水の弾を作り出す。

 勿論水魔法の複合なのだが、それを三つほど混ぜ合わせる。

 これでできなければ、俺は水刃を使う事は出来ないだろう。


 空中に作り出した水に、水流を加えていく。

 あの時見たのは、こうして中の水圧を高めている様子だった。

 とりあえず真似しているのだが、成功するかはわからない。


『チャージ完了! ほい発射!』


 ズドガァン!


『…………』


 爆発した。

 盛大に爆発した。

 目の前にあった崖に、大きな穴が開いている。


 なんですかこの意味の分からない火力の大砲は。

 あのすいません、俺こんなもの注文した覚えはないんですけど……え? 返品不可?

 ああ、そうですか……。


 ちゃうねん!

 俺のやりたかったのはあのレーザーカッターみたいな綺麗で細長い奴でかっこいい奴なの!

 間違ってもとりあえず爆発させときゃいいだろ、みたいな兵器じゃないのぉー!!

 いやでもまぁ水爆っていう名前つけようかしらね! うん!


 なんかいきなりすんごいの作ってしまった……。

 まぁいいけどさ……。


 でも水刃はできなかったな。

 これはもしかして、適性魔法に水魔法がないとできないタイプの奴か。

 てなると俺は真似できないな~。

 残念だが、これは諦めるとしよう。


 ハイ次行きますよ次!

 負けたくないんでどんどん行きましょうッ!


 もうちょい水魔法欲しいな。

 ん~~水魔法……水魔法……何があるかなぁ……。

 てかこういうのって考えてできるようなものじゃない気がするんだよね。

 偶然できたとか、戦いの中で作られたとか、大体そんな感じ。


 ……あ。

 そういえば俺、防御魔法ほぼなくね?

 土魔法しか防御魔法ないじゃん!

 水も固まっていれば防御魔法になるし、何より向こうの様子が見える!

 お! これは閃いたのでは!?

 よっしゃ早速やってみよう!


 まずは水を大量に作り出す。

 それを壁のように伸ばし、魔力を流し込んで硬くする。


 と、とりあえずこんなもんか。

 でもこれじゃ成功しているかどうかわかんないなぁ……。

 何かぶつけてみたい。

 んーと、じゃあとりあえず……。


『風刃っ!』


 勢いよく腕を振るい、風刃を今しがた作りだした水の壁にぶつけてみる。

 貫通すれば後ろにある木に傷がつくので、どれだけの威力であれば耐えられるのかがこれでわかるだろう。


 風刃は水の壁にぶつかると、びちゃっと水を切るが、すぐに水の壁は元に戻ろうとして収縮する。

 暫く見ていたが、それ以降は特に何かが起こるという事はなかった。

 後ろを確認してみれば、木には傷がついていない。

 どうやら先ほどの風刃は完全に防御できたようだ。


『おおー。結構強めに撃ったんだけど、これなら戦闘でも使えそうだな。前が見えるっていうのは便利だぞ!』


 戦闘で視界が見えなくなるというのは、非常に危険なことだ。

 これで少しでも敵の動きが捉えれるのであれば、不覚を取ることはぐっと下がるはず。

 我ながらに良い魔法を考えた。

 だがまだ少なすぎる。

 もう少し、何かいい魔法を考えていったほうがよさそうだ。

 今水魔法を二つほど作ったが、もう一個くらい何か欲しい。


 そう言えば……なんで氷魔法がないのだろうか。

 あっても不思議ではないのだが……何か作り方があるのか?

 何と何混ぜたらいいんだ……。

 わからん。


 分からない物はその辺にぽいしときましょうね。

 いずれ分かる材料が手に入るかもしれないのですから。

 その時にまた実戦してみましょう。


『水狼』


 おもむろに一匹の水狼を作り出す。

 かと言って、何か思いついたわけではない。

 なんとなく作ってみただけである。


『お前って土狼と違って視界共有はできないよな~』


 土狼は何故か視界を共有できる。

 だが、水狼はできないのだ。

 この違いは何なのだろうかと考えてはみるが、そんな物分かるわけがない。


『……んー?』


 水狼を見ていると、何か閃きそうだ。

 だがまだ何かが引っ掛かっており、閃きそうなのを邪魔し続けている。

 そこで、水狼の情報を再確認してみた。


 水狼は湖で使えば群れを成すことが出来るが、こうして魔力だけで水を作ろうとすると三匹が限界。

 視界は共有できない。

 やられた後は破裂して、近くにいた敵を吹き飛ばす効果がある。


『んー……群れ……数……。あ、リーダー』


 群れにはリーダーがいるのが普通だ。

 だが、俺の作る水狼や、ルインお婆ちゃんが作る水狼にはリーダーらしい奴はいなかった。

 その考えに至った瞬間、目の前の水狼に変化が起きる。


 姿が一際大きくなり、毛の長さがどんどん長くなっていく。

 魔力で作った水だというのに、ここまで大きくなるのはあり得ないことだ。

 だが、あっとう言う間に俺と同じくらいの大きさになってしまった。

 これは魔力は関係ないらしい。


 すると、大きくなった水狼が尻尾で地面をはたく。

 その地面からは、十匹程度の水狼がまた出現した。

 地面から現れた水狼は、俺が今まで作っていた一回り小さい水狼である。

 どうやら大きくなった水狼が作り出した物のようだ。


『わぁー……どうなってん』


 何がどうなったのかわからないが、後ろの小さな水狼は、どうやらこの大きな水狼が動かしているようで、俺の意思とは関係なく動き回っていた。

 これは非常に戦闘が楽になるのではないだろうか。

 たったこれだけで十一匹の戦力。

 そして破裂する機能付きであり、戦力としては十二分だ。

 だが、やはりこういった便利な魔法程、欠点がある物。


『魔力消費やっば!』


 四六時中魔力を作り続けないと、俺の中にある魔力が空っぽになってしまいそうな勢いでどんどん減っていく。

 これは非常に燃費が悪い。

 そう思い、とりあえずその水狼を解除した。


 大きい水狼を解除すると、他の水狼も一緒に水になって消える。

 どうやら大きいのが消えると、他のは力を失って一緒に消えてしまうようだ。


『意思のある水狼か~。よし、これは水狼の王と名付けよう』


 これだけあれば、とりあえず水魔法は良いだろう。

 水狼の王はなかなか使い勝手が悪そうだが、強そうな魔法なのでその辺は目を瞑る。


 よーし、次は雷魔法だ!


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