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2.18.増えた仲間たち


 あれから一週間が過ぎた。

 ようやく追加された群れも馴染み始め、各々が任された役目を果たしているようだった。


 その間の俺はというと……ボッコボコになった場所を修繕するという謎作業を俺がする羽目になった。

 ……縄張りを綺麗にしておくのは必要なことらしい。

 土魔法を使えるのは、ロード爺ちゃん以外には俺とお父さんしかいない為、元気な俺が走り回っていくことになった。

 勿論お父さんは群れの狼に指示を出したりするので忙しいので、手伝ってはくれません。

 お爺ちゃんには無理させられません。

 結果、俺一人で修繕することになりました。


 ベンツは、入ってきた群れがいた縄張りを見て回り、地形を把握していた。

 数が増えたので、その分見回りに入れる狼も増える。

 なので、縄張りの拡大も視野に入れなければならなかったのだ。

 何時までも狭い縄張りで、この数を養うのは難しいからである。


 ガンマはその屈強な体を駆使して……いなかった。

 大雑把な性格のガンマには、何もしてもらわないという事が群れの総意である。

 何か任せて成功した試しがないのだ。

 という事であるならば、何もさせないというのが一番良い。


 なので、基本的にはいつも通り縄張りの見回りと、狩りをしてもらっていた。

 これはずっとしてきている事なので、安心して任せられる。

 今日も大量の獲物を狩って持ってきてくれているようだ。


 さて、俺たち兄弟の行動はこんなものだ。

 次は、入ってきた群れのことについて話したい。

 だがその前に……この群れの正確な数を伝えておこう!


 元々いた俺たちの仲間が十二匹。

 そして、入ってきた群れは三十八匹。

 合計で五十匹の大きすぎる群れとなったのだが、ここにまた加えて六匹入ることになった。

 それはどうしてかと言うと……。


 そうです! 子供が産まれましたぁー!

 いやぁああ可愛いなぁああ!?

 俺たちも昔こんなんだったんだよなぁ~可愛い~。


 だけど、産まれたばかりなのでお母さん狼には唸られる。

 仲間と言えど、産まれたばかりの自分の子供には近づかせたくないのだろう。

 そこまでわかってて近づくなどという事はしない。

 なので俺は木の陰から、こっそりと可愛い子供たちを見ているのだった。


 早く一緒に遊びたいものである。

 魔法を教えた時に、地面をお手し続けるあの姿がまた見れるのだと想像すると、顔がほころんでしまう。

 子供は何をしていても可愛い物だ。


 と、いう事で合計五十六匹の大所帯となってしまった。

 この数の狼たちを養うのは、苦労するかもしれないが、この狼たちはもう俺たちの家族である。

 皆が皆、協力して支え合っていかなければならないだろう。

 それはここにいる全ての狼が理解していることだ。


 さて、縄張りだが……これは本当に随分と大きくなった。

 まず俺たちが元々いた縄張り。

 そして、今回入ってきた群れの縄張り。

 そこまでを繋げてしまったのだ。

 ダンベルみたいな形の縄張りになってしまったが、時間をかけて周囲の環境を共有していき、最終的には円形の縄張りにする予定らしい。

 

 縄張りは円形にするのがセオリーらしいのだが……まぁ区画分けとか楽だもんね。

 という事で、平地の縄張りと、一つの山を丸々飲み込んだような縄張りになった。

 入ってきた群れは元から数が多かったので、縄張りも広かったようだ。

 これは覚えるのに時間がかかりそうだなぁ……。


 ああ、そうだそうだ。

 入ってきた群れの狼たちは、基本的にはお父さんの指示に従って動いていた。

 それはメスもオスも関係ないようで、全ての狼が縄張りの警戒をしながら、狩りを行っているようだ。

 多分狩りの仕方とかを見て、どれくらいの力量があるかを見ておきたいんだろう。


 俺もどんな魔法使って狩りするのか見たい所ではあるが……実はまだ地形の修繕が終わっていないのです。

 でも残すところはあと一つ……。

 俺が寄生された一角狼と戦った場所である。

 あそこには、お父さんが傷つけた爪の跡があるので、それを片付けに行かなければならない。

 ぶっちゃけ面倒くさいです……。


 ていうか一番大変だったのリーダー同士が戦ったあの場所だよ!

 遠いし木は倒れてるし地面は抉れているし!

 木の処理が一番大変だったよ!

 土魔法って結構大変なんですよ……まじで。


 とは言っても、切り倒された木を元に戻すなどという事は勿論できず……とりあえず、風刃で枝だけ全部切ってその辺に放置しています。

 これどうしよう。

 ざっと見ただけでも百本くらいあるぞ……。

 この体じゃなければ何かに加工して犬小屋みたいなの作りたいんだけどなぁ……。

 絶対子供たち喜ぶじゃないですか。

 まぁ今覚えてる魔法じゃ無理なんですけどね……。


 あ、でも土魔法で行けないかな?

 って思ったけど、既に地面から切り離されている状態の木は魔法で加工できないらしい。

 生えている木で家を作っても良いのだが、そうするとなんだか木の根の家みたいになって不格好だ。

 俺が作りたいのはログハウスみたいな……そういうのだからこれはちょっとなぁ……。

 せめて木の皮を剥がせたらそれっぽくなるんだろうけど。


 まぁできないことをずっと考えていても仕方がない。

 さっさと仕事に戻るとしましょう。


 てか一週間経ってんのにまだ地形の修繕終わらねぇってどういうことだよっ!

 いや魔法の特訓にはいいんだろうけどさっ!

 俺は! 子供と! 遊びたいんじゃぁああ!


 不満をまき散らしてはいるが、やはり行くところは修繕ヵ所。

 苛立ちを原動力に地形の修繕に励むのだった。



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