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6.48.これからのこと

投稿忘れて増したスイマセン……


 さて、交渉が終わったとなればいろいろやることがある。

 まずは拠点を移動したい。

 と言っても数匹だけだ。


 レイたちの棲み処の様に新しく拠点を構えるだけなので、まぁ第三拠点かな。

 俺が入れるくらいの拠点を人間の里付近に作っておきたいのだ。


 交友関係を結んだ以上、近くに居た方が何かと便利だろう。

 向こうから用があった場合、とんでもなく長い距離を移動してもらうなんてことはなくそう。

 それに、セレナのこともある。

 あの調子じゃ帰りそうにもないし、誰かが見張っておかなければならないだろう。


『どうだベンツ』

『兄ちゃん早く拠点を! それとリューサーの所に行って解約方法を!!』

『ああ、心配なのね。了解』

『リューサー!!』

『後でな』


 とりあえずベンツとラインには血印魔法の話をしておいたので、セレナの状態の把握だけはしてもらっている。

 それを聞いてもっと混乱しているようだが……まぁまた今度にしてくれ。

 今はこっちで忙しい。


 セレナに通訳を頼んで近くの森に拠点を構えてもいいかどうかを聞いてみる。

 するとあっさり許可が出たので、今からでも拠点作りをしておきたい。


 俺の土魔法で家を作るだけの簡単なお仕事なのではあるが……普通の洞窟の方が他の仲間たちにはうけがいいんだよな。

 なので森の中に小さな山を作って、そこを拠点にしようと思う。

 後でいい所を探しておくか。


 とりあえずこの拠点に住むのは俺とベンツとライン、それとセレナだけで問題ないだろう。

 ラインは凄く協力的だから大丈夫。

 問題はベンツだが、セレナがここにいるという事なので帰るわけにもいかなくなった。

 まぁ今の状況じゃあ目を離したくはないわな。


 本拠点にいる仲間たちにも後で来るかどうかを聞いてみるが、大丈夫だったとしても暫く俺たちがここに住んで問題ないようであれば呼び込むことにする。


「え!? あれがお父さんじゃないの!?」

『そうだよー? あっちの真っ黒なのがお父さん』

「てっきり君のお父さんはあの白くて大きいのだと思ってたよ……」

『リーダーなのー! 強いんだよー?』

「やっぱりそうなんだぁ……」


 セレナとベリルは二人……一人と一匹で盛り上がっている。

 普通に会話をさせておけば俺たちの事をベリルは理解してくれそうだな。

 あの子はまだ子供だし、仲間の情報はあまり分かっていないだろうから放っておいても問題はないだろう。


 心配なのはこの子のせいで他の子供たちが懐いてしまう事なのだが……俺はこれでも別にいいと思っている。

 そうでなければ人間との共存はできない。

 それに子供たちや俺たちの認識を変えなければならない。

 難しいことは分かってはいるが、俺たちも変わらなければならないのだ。


 とはいえ、しっかりとその人間は見させてもらうけどな。

 今回はベリルだったからいいわけで、他の適当な子供たちに俺たちの家族をおいそれと預けることは絶対にしない。

 最低限自分の身を守れるようになってからだな。

 セレナは例外だが……。


 信用に足る人間。

 なかなか見つかるもんじゃないが、俺が見た限りベリルとヴァロッドは大丈夫そうだ。

 ベリルは約束を守ってくれたし、ヴァロッドは皆の前で俺たちの事を守ると宣言した。

 俺たちの存在の重要性が分かったという事もあるのだろうが、それだけでも十分信用はできると思う。


 他の人間はまだ分からないから駄目だがな。

 この辺はしっかり見ていこう。


 俺がしばらく考え込んでいると、森の奥から小さな遠吠えが聞こえて来た。

 あれはヴェイルガの声だ。

 どうやら殲滅が完了したらしい。


『オール兄ちゃん。ヴェイルガたちがなんか言ってるよ』

『だな。とりあえず帰らせるか』


 遠吠えで帰還命令を出しておく。

 急に吠えたので近くにいた人間は少し驚いているようだったが、それだけだと分かって安心したらしい。


 やはりこの体の大きさでは何をするにしても迫力がありすぎるか。

 うん、慣れてくれ。

 俺は体の大きさを調整することはできないからな。

 毛玉みたいになることはできるけど。


『ああ、そうだ。三狐、お前らリューサーの所に行って血印魔法の話を──』

『『『絶対に嫌です!!』』』

『そこを何と──』

『『『嫌です!!』』』

『……セレナを連れて来たバツとして』

『『『行かせていただきます!!』』』


 竜が苦手だという事は分かっているが、俺と三狐以外、道を知らない。

 俺が離れるとどうなるか分からないし、ここはこいつらに任せよう。


 だけど憑りついてるんだよなこいつら。

 離れることってできるんだろうか?


『『『オール様の魔力の籠った土狼に乗れば、ある程度は移動できるかと』』』

『そうなのか。じゃあありったけの魔力詰めとくから宜しくな』


 という事で土狼を作ってそれに三狐を乗っけておく。

 後は全力疾走でリューサーの所へと向かってもらうことにした。

 三日もすれば戻ってきてくれるだろう。


 よし、じゃあ俺は森の中に行くかね。

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