1.1.転生
はじめましての方は初めまして! あけましておめでとうございます!
私は真打と申します! 『しんだ』じゃありません『しんうち』です。
転小龍第三章を投稿すると同時に、新作の人外物も投稿し始めることになりました!
今回も転小龍に続き題名が長いです……。
なので、また略します。
『転生したら狼だったけど、仲間を信じて生き抜きます』
略して『転狼信』! てんろうしんです!
いろんなところで何度も言っていますが、この主人公は人化しません。
その点を踏まえた上で、この物語をお楽しみください。
気が付くと、真っ暗な空間が広がっていた。
無駄にはっきりと意識がある。
ここは……?
周囲を見渡そうとして見るが、上手い事首が持ち上がらない。
どうやら自分は今地べたにうつ伏せになっているようだ。
手に力を入れようとして見るが、これまた上手く動かすことが出来ない。
一体どういう事だろうか。
自分の身に何があったかを思い出そうと思考を巡らせてみるが……。
……あれ!? なんにも思い出せない!?
え、ちょっとまって?
俺は……確か家に帰って……それから……それ……から……。
家に帰った所までは記憶がある。
だが、自分がどうしてこうなってしまったという、経緯は一切思い出すことが出来なかった。
あれ?
……俺の名前……なんだっけ……。
家族っていたっけ?
でも家はあったし……あれ?
頭に強い衝撃を与えてしまったのだろうか。
混乱していてよく整理することが出来ない。
よ、よし。こういうときは少し落ち着いて整理をするんだ。
ま、まず……俺は多分記憶喪失だ。
名前が思い出せないわけだから、これは間違いない……。
で、俺の親は多分いるとおもう。
……俺何歳だったっけ。
いやっほう! 重症じゃねぇか!
でも、自分が記憶喪失だってわかってるから……まだいい方なのかな。
……んな訳ねぇだろ阿呆!
暗い空間の中で自問自答を続けていく。
そうしなければ、この空間に押しつぶされそうな感覚が近づいてくる気がする。
要するに、怖いからその怖さを紛らわしているのだ。
このような暗い空間に閉じ込められて、平常心を保てる人などいない。
どれだけ手を近づけても、全く見えない空間だ。
長時間この場所に閉じ込められていれば、気が狂ってしまいそうだった。
てか体動かしにくいな!?
どうした俺の体!
大丈夫!? 俺の体大丈夫なの!?
急に自分の体が心配になり、体を細かくチェックしていく。
まず顔。
口は動かせるし、耳も動かせた。
鼻も問題なさそうで、息をすることが出来ている。
何か心地よい匂いがするが……。
しかし……目が開けられなかった。
もしかしたら目隠しか何かされているのかもしれない。
それに気が付くと、少し気が楽になった気がした。
どうやらどこかに閉じ込められているという事はなさそうだ。
落ち着きを取り戻したので、体をもう少し詳しく調べていく。
手。
開かねぇだと!!?
あ、足……足も!!?
でも辛うじて動かせ……いやこれ手が動いてるだけだわ。
ええええええええええ!?
待って待って待って!!
俺の体どうなってんのぉおおおお!?
ぺちっ、ぺちっ。
…………ぺち?
何か尻尾みたいなのが尻にくっついてる気がする。
え? しっ……ぽ?
意識して動かしてみると、それは安定こそしないものの、しっかりと振れる何かがあった。
そして思い出す。
何故耳が動いたのかと。
それに気が付き、動かしにくくて仕方がない腕を何とか持ち上げ、自分の頭に持ってくる。
すると、手が耳に触れた感触が伝わってきた。
耳はペタンと一度垂れ下がってから、またピンと伸びる。
その時に顔を触るのだが……異様に鼻が高いという事に気が付く。
手が顔に当たったためか、光が飛び込んでくる。
うわぁっ!
眩しくて反射的に目を閉じてしまう。
だが目が少し開いたことで、外が明るい空間であるという事が理解できた。
眩しさに慣れてきたところで、ゆっくりと目を開けて周囲を確認する。
目は片目しか開かなかったが、今はそれでも十分だ。
少しだけ開いた片目で前を見る。
……え?
目を向けた先には……大きな狼がいた。
色の真っ白な狼で、目は青色だ。
これは俗にいうアルビノの狼なのではないかと思うほどに美しく、優しい目つきでこちらを見ていた。
他の場所も見るために体を捻って方向を変える。
隣には、小さな子供の狼らしき動物が、二匹寝転がっていた。
どちらも色は黒に近い灰色だ。
まだ目が開いていない。
生まれて間もない子供なのだろう。
そこで、自分の体を見てみる。
見られる部分は非常に少ないが……手だけはしっかりと見ることが出来た。
そこにあったのは……隣で寝転がっている狼の子供と同じ形をした、手だ。
そして、自分の色は白色だった。
わっつざふぁっく!!
状況を速攻で飲み込んだ俺は、きゅーというかわいい声でそう叫んだ。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
これを書き始めたのが去年の10月25日。
小説を書き始めてようやく一年が経過しました。
なので……ちょっとくらいは書き方とか文章力とか上がってるはず……?
気のせいですかね。
まぁそんなことは置いておいて、やっと新作を投稿することができて私は満足しています。
それも、転小龍から見てくださっている方々や、Twitterで応援のメッセージをくれる読者様のお陰です。
本当に有難う御座います!
これからも精進していきますので、皆さまお付き合いのほど、宜しくお願いいたします。
真打でした。