6.2.再確認
では他の子たちの確認をしていく。
シャロたちも互いに番を作って夫婦となった。
パートナーは、シャロとニア、デルタとレイン、ラインとレイア、メイラムとラムイム。
シャロ、デルタ、ニア、レインは一匹の母親狼から産まれた個体なので、子供たちの免疫が落ちないかどうかが心配ではあるが、まぁ一度くらいなら問題ないだろう。
人間ではなんかそう言う話を聞いた気がしないでもない。
動物となるとどうなのかは知らないけどね……。
因みにこの四匹の子供はまだ産まれていない。
お腹は大きくなっているのでそろそろだとは思うけどね。
メイラムとラムイムはスルースナーの群れだった狼だ。
子供はまだ産まれていないが、ラムイムのお腹は大きくなっている。
毒魔法を得意とするメイラムの子供なので、どんな子になるのか少し楽しみだ。
母親に影響がなければいいのだが。
ラインとレイアは違う親の子なので、全く問題はないだろう。
生まれたての子供なので、慎重に見守っていく必要がある。
二匹の子供は四匹で、名前はラインが全て付けた様だ。
名前をレリー、ロー、アルー、ティー。
全員が茶色という全く同じ毛並みなので少し見分けにくいが、体に入っている線の色がそれぞれ違うので何とか分かる。
レリーは白い線が、ローは黒い線、アルーは真っ赤な線が入っていて、ティーは青い線が入っていた。
これがもしかしたら適性魔法に関わってくるかもしれないな。
レイがそうだし。
そうそう、レイたちの兄弟はまだ一匹も番になっていない。
成長からしてもう立派な大人なのでいつでも問題は無いと思うが、気に入っているパートナーがいない様だ。
まぁ急かすことでもない。
ゆっくりでも問題はないだろう。
だがこの顔を見たいのは事実。
できるだけ早く子供を見せてください。
増えた子供たちに関することはこんな所かな。
後は皆の成長なんだけど……これがまた著しいことこの上ない。
全ての狼が自分の適性魔法を自在にこなすようになり、今では複合魔法が苦手だったことも問題なく実戦に使えるまでになっている。
単純な魔力総量の増加に加え、三狐たちの魔法訓練のお陰で魔法の幅も広がり狩りでは物足りなさを感じているようだ。
なので時々模擬戦なんかをやらせてみたりするが、全員が拮抗するほどの激戦を繰り広げる。
地面を直す俺の気持ちにもなって欲しい物だ。
だがこの中で一番努力したのはレイだろう。
氷魔法を得意とする故に、寒い場所でしか活動できなくなった子だ。
レイは魔法を持続的に発動させることにより、周囲一定範囲を寒くすることが出来るようになり、ようやくどんな季節、気温でも活動が出来るようになった。
一年の努力をしたのだ。
報われてよかったなと、俺からも伝えておいた。
まぁ俺の氷魔法には敵わないみたいだがな。
皆の事もそうだが、俺もこの一年で結構できることが増えましたよ。
マジで。
基礎能力が高いのか分からないが、俺は全ての魔法が通常の数倍の威力で放つことができる。
なので手加減を覚える必要があった。
それが一番苦労したのだが、その次に頑張ったのは暗黒魔法。
バルガンの得意だった魔法、変毛も取得できて毛が爆発するなんてことは無くなった。
他の魔法も全て使いこなせるようになり、皆の技も全てコピーしている。
卑怯だと言われることもしばしばだが、真似するのにだって結構努力しないといけないんですよ。
主に手加減を。
まぁ全員の技をコピーしているということはですね……。
適性魔法が二つ以上、三つ以上の技も取得できたんですよ。
メイラムの毒魔法、レインの水の大魔法、それと、親父の風魔法。
深淵魔法の取得には、闇魔法を二つ組み合わせた暗黒魔法、そして暗黒魔法を二つ組み合わせた魔力が必要になる。
闇魔法を四つ使っているという事になるので、これを他の事にも使用できないかと考えてみたのだ。
するとできなかった魔法が普通にできた。
まぁそこにたどり着くまでに結構苦労したんだけど、暗黒魔法が取得で来てからは簡単だったな。
これまでに何度毛を爆発させたことか。
もうマリモになったりはしないからな。
そして深淵魔法の恐ろしさよ。
流石重力を操るとだけあって、その威力はすさまじい。
これだけ持っていれば何とでもなるんじゃないかと思ってしまう程だ。
実際簡単な問題であれば、これで何とかなった。
最後に二つだけ。
ロード爺ちゃんの土魔法、それと母さんの回復魔法。
どっちも二匹を越えたと思う。
まぁ目標にしてたんだけどね。
ロード爺ちゃんのあの土魔法は本当に凄かったし、俺だと木を動かすことくらいしかできなかった。
この体になってようやく実を付けれるようになったのだから、ロード爺ちゃんの土魔法は俺よりももっとすごかったんだろうな。
母さんの回復魔法はほとんど見たことが無い。
だけど一度怪我をした時、治してくれたのを覚えていた。
体調まで万全の状態に戻してくれたのだ。
それが今になって理解できた。
もう少し早く取得していたら、病気の子供にも使えそうだったんだけどね。
まぁ使うなって言われてたから、あんまり修行もできなかったというのが大きいかなぁ。
と、まぁこんなもんだ!
新しい子供たちの顔が早く見たいね。
後食料問題を何とかしないとな。
このまま行くと本当に備蓄が完全に無くなってしまう。
もう少し子供たちに遊ばれてはいたいのだが、問題を解決しないと落ち着かない。
大きな体を持ち上げて、外に出る。
『三狐。ベンツ、ガンマ、シャロ、レイ、スルースナー、ヴェイルガを呼んでくれ』
『二匹は遊ばれているので、界がお呼びしますね』
『頼む』
とりあえず、作戦会議ですね。




