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5.53.空間魔法の攻略法


 シャロを乾かした後、俺とニアは一定の距離を取る。

 さて、ニアとの模擬戦だ。


 ニアは光魔法と闇魔法を使う。

 そして、三狐の一匹である冥直々に空間魔法のやり方を教えてもらっていた。

 なので今のニアは普通に強いのだ。


 いろんな魔法に浮気している俺と違って、ニアは一つの魔法を極め続けている。

 となれば実力差が出るのは当たり前だ。

 そして空間魔法は見えない。

 それが一番面倒くさい。


 まぁ俺も使えるんですけどね!

 空間魔法の器用さでは、今のニアには勝てないかもしれないが、魔力によるごり押しで勝てるだろう。

 それに、俺には空間魔法を破る方法があるのだ。

 そいつをどうやってニアが切り開くかが見ものだな。


『っしゃこーい!』

『いくよー……!』


 ニアが構えを取った瞬間、風が止んだ。

 もう既に空間魔法を何処かに出現させているのだろう。

 音も何も聞こえないので、何処に発動させたのかすらも分からないのが怖い所だ。


 では、それを見つけ出していこうと思う。


『氷魔法……冷気』


 炎魔法と風魔法を使い、冷気を周囲にまき散らしていく。

 今はニアが遠くにいるという事を確認しているので、冷気の温度はびっくりするくらい冷たく設定してある。

 触れたものが徐々に凍る程度に。


 地面が凍って草も凍る。

 ゆっくりとではあるが着実に凍っているので、氷魔法は問題なく発動している様だ。

 そして、空中が少し凍り始めた。


『また!?』

『ふっふっふっふ……』


 ニアの張った空間魔法の壁が凍っていき、その姿を現し始めた。

 これは何度もやっている方法なので、ニアも大分頭に来ている様だ。


 止めるつもりはないがなぁ!

 戦闘や作戦とは、相手がされて嫌がることをいかに的確にするかである!!

 という訳でどんどん凍らしていきます。


 暫くそうしていると、ようやく全ての壁が凍り始めた様だ。

 俺の周囲を囲うようにして展開しているらしい。

 ……ん?


『! あっ! お前壁で囲みやがったな!!』

『へっへーん! 騙されたでしょー!』


 どうやらあの一瞬で俺を閉じ込めてしまったらしい。

 随分と大きな結界だ。

 氷魔法を使って壁の場所を確かめられる前に何度か調整したのかもしれないな。

 ニアの魔力量でこの規模の大きさの箱を作るのは相当大変だったはずだ。


 でも息切らしてないな。

 割と余裕なのか……?

 

 さて、出ましょうかね。


『えいっ』


 バリィイイン!!


『ええーーーー!?』


 俺の身体能力強化の魔法であれば、ニアの張った壁くらい簡単に破壊できてしまうのだ。

 今までは発見されてそれを全て避けられるっていうのを繰り返していたから、実際に壁を破壊するのはこれが初めてである。

 残念だったなニア。


 守ってばかりじゃあれだな。

 俺も光魔法でニアを攻撃してみるとするか。


 展開するのは聖槍。

 効力こそ太陽の杭に劣るが、数で勝る。

 それを二十本ほど出現させ、ニアに容赦なく向かわせていく。


『わああ!!?』


 突然の事で反応できなかったのか、とてもあぶなかっしい動きをしながらなんとか攻撃を回避した。

 だが、攻撃はそれだけでは終わらない。

 以前ニアがやっていた事を真似してみることにする。


『ワープ』


 数十個の出入り口を作り、槍を吸わせては吐き出す。

 これをニアの周囲で何度も行うのだ。


『せいっ!!』


 ニアもそれに応戦するためか、ワープゲートを作って聖槍を全く別の所に吹き飛ばしていく。

 もう少し簡単な防御魔法があると思うのだが……。

 ていうかニア攻めに弱いな?

 せめて空間魔法で壁作って防ぐとかすればいいのに……。


『キャアアア! もう無理ぃい!!』


 あ、刺さった。


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