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5.47.うるさいっ


「うおおおおおおおお!? なんっだこりゃああああ!!!!」

『!!?!?』


 突然の大声で目が覚めた。

 他の子たちも全員が起きてしまう程の物だ。

 全員が何だ何だと周囲を見渡している。


『敵か!』

『今の人間の声じゃなかったか!?』

『兄さん!!』


 俺のせいですねー。


『待て待て待て待て!』

『んだよ速くいかねぇとやべぇだろうがよ!』

『いや話を聞け! 今のは多分俺が昨日捕まえた悪魔の声だ』

『『悪魔ぁ?』』


 うーん、こりゃ全員に話しておいた方がよかったな……。

 スルースナーやヴェイルガはだから悪魔の事を聞いたのかと納得している。

 うん、判断ミスである。


『悪魔って何!?』

『何々? 気になるの!』

『子供たちは来ちゃダメだ。俺とベンツとガンマ、それとヴェイルガとスルースナーで行く』

『『ずーるーいー!!』』


 これだから好奇心の強い子供は……。

 ここはアリアに任せよう。


 アリアに子供たちの事を任せると、小さく頷いて子供たちを洞窟の奥へと連れて行ってくれた。

 流石だぜ……。


 とりあえずシャロたちには洞窟の防衛。

 スルースナーの仲間にはいつも通り狩りをしてもらって、ヴェイルガの仲間は外を警戒。

 三狐は俺の背中に乗せておく。

 とりあえずこの布陣であれば、すぐに壊滅するなどという事はないだろう。


 準備ができたので、俺たちは悪魔を捕らえている場所に急ぐ。

 その場所に行ってみれば、ミノムシの形をした悪魔がぶんぶんと体をくねらせて何とか脱出しようと試みているようだった。


 そう言えば……空中にぶら下げたんだっけか……。

 いや、今思ってみればくそだせぇ格好してんなこいつ。


『ぶははははははは!!』

『……なんでずがごの悪魔ば……』

「なんっだてめぇらこの野郎! 笑ってんじゃねぇぞ一角狼!! クッソほどけねぇええ!!」

『あははははははは!!!!』

『……フッ』


 スルースナーさん。

 貴方が笑うととても怖いのでやめて頂けますでしょか。

 ヴェイルガに関してはもう転がりまわって笑っている。

 まぁ確かに面白い光景ではあるが……。


 ていうか笑っていることが分かったのかこの悪魔。

 となると……もしかして言葉分かったりするのか?


『おいミノムシ悪魔』

「だぁれがミノムシじゃごらぁ!!」


 お、言葉通じるっぽいな。

 それだけ分かれば十分だ。

 さて、何から聞こうか……。


 そう思っていると、悪魔は全力を振り絞って俺の方に体を近づけようと躍起になっていた。

 殴ろうとでもいうのだろうか。

 だが残念。

 その闇の糸には水狼と同じくらいの魔力が籠っているので、そう簡単には千切れないぞ。


「クソガァッ! オラァ! あああああああ!!」

『……』

「ていうかてめぇら何なんだよ一体よぉ!! 俺様をこの束縛から解けやぁああああ!!!!」

『うるさいっ』


 軽く俺が悪魔を殴ると、悪魔が付けていた勢いも相まって思いっきり後ろに飛んでいった。

 だが、闇の糸があるのでそいつは自ずと戻ってくる。

 しめたと思って悪魔は不敵な笑みを浮かべ、勢いを最大限に利用して俺の方に飛んできた。


 軽い気持ちで殴ってしまったので、反応が遅れてしまう。

 すぐに空間魔法を使って結界を張る。

 それは何とか間に合ったので、俺にぶつかることは無いだろう。

 だが、悪魔が俺の作った結界にぶつかることがなかった。


 ズドォン!!


「ふぐほぅ──」

『え? ガンマ?』


 悪魔が結界にぶつかるより先に、ガンマがお手をしてそいつを地面にたたきつけてしまったのだ。

 闇の糸はガンマの攻撃にも何とか耐えたようで、地面に闇の糸も埋まっていた。

 そして悪魔はというと……。

 頭だけ残して体は地面に埋まっていた。


 流石にガンマの攻撃には耐えれなかったのか、ピクピクと動いている。

 相当なダメージだったようだ……。


 てか縦に埋まるとかどういう事だよ。

 お兄ちゃんびっくりだわ。


『兄さん』

『な、なんだ』

『こいつウザイ』


 それはすっげぇ分かる。

 なんか下っ端のヤクザみたいだもん。

 よくやったぞガンマ。

 これで本当にゆっくり話が聞けそうだ。


『よし、では尋問を開始する』


 俺はそっと土魔法を発動させた。


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