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5.46.下調べ


 あれから帰ってスルースナーやメイラムたちに話を聞いてみたが、悪魔についての情報を持っている狼はいなかった。

 話には聞いたことがあるらしいが、実際に見たことは無いのだという。

 その話というのも、こういう種族がいるんだよというくらいで、それ以上の詳しい情報は得られなかった。

 残念。


 悪魔ってそんなに珍しい種族なのだろうか?

 こういう世界だから普通にいても別に問題なさそうではあるけど……。

 あれかな。

 動物には無干渉なのかもしれない。


 そう考えたら狼たちが知らないのは無理もないな。

 まぁ、悪魔って人間との契約とかで出てくる種族だし、動物にはそんな変な考えとかないしね。

 無垢だぞこいつらは。

 うん。


 俺は無垢じゃないけど。


 後、あの悪魔はとりあえず危ないものとして認定しているので、子供たちにはこの情報は伝えていない。

 知っているのはニアくらいだ。

 まぁあの場所にいたしな。

 今から隠すのは無理がある。


 ニアにも口止めしているので、とりあえず子供たちが興味本位で悪魔に会いに行くという事はないだろう。

 あんな訳の分からん奴の所に、子供たちを連れて行くわけにはいかんからな!

 うん!


『でさー。もう少し詳しく悪魔について教えてくんねー?』

『『『言っているではないですか。くそ野郎だと』』』

『俺は性格を聞いてるんじゃないんだよ……。どういう生き物なのかを聞いているんだよ』

『『『要するに習性とかそういう事ですよね?』』』

『ああ、そう言う事だ』

『『『じゃあ鬼畜のくそ野郎なのです』』』

『……』


 話にならねぇんだもんなこいつらー。

 さっきからずーっとこの調子。

 質問の仕方を変えてもこれしか返ってこない。

 何かのゲームかよ。


 ていうか自分たちの事神霊とか言ってた奴が吐いていい台詞じゃないぞ今の。

 神様がくそ野郎とか言ったら俺絶対引くもん。

 ギャップがすごい。


『『『ガジガジガジガジ』』』

『俺の毛を噛むなー?』


 三狐は俺の背中にずっと乗っている訳なのだが、どうにも悪魔の話をするとストレスが溜まってしまうのか俺の毛をずっと噛み続ける。

 結構引っ張られるから痛いのでやめて欲しい。


 前に憑りついていた奴一体こいつらになにしでかしたんだよ。

 おかげで情報全く得られないじゃないか。

 交渉の材料になるとか思ってたんだけどなぁ……。

 駄目ですね。


『お?』


 どうやらヴェイルガが狩りから帰って来た様だ。

 そう言えばまだあいつには話を聞いていなかったな。


『ヴェイルガー』

『ハイなんでしょうかオール様!』


 すると、すぐにヴェイルガが雷魔法を纏って俺の前にやって来た。

 ここに来て、お座りをするまでが一連の動作だ。


 相変わらず速いなぁ……。

 俺としては別にいいだけど、そうなると必ずといっていい程シャロが来るんだよなぁ。


『こらヴェイルガー!!』

『また貴様かっ!』


 ほらな。

 そこからはいつもの茶番劇。

 ヴェイルガが逃げるが、その隙をついてシャロがヴェイルガを思いっきり殴る。

 これもそこまでが一連の動作。


 今は子供たちも大きくなって、魔法も覚えたからあんまり気にしなくはなったが、ディーナが子供を孕んでいるので、産まれてからは本当に注意してやらなければならないな。

 それまでは放っておいてもいいだろう。

 シャロがいつもお仕置きしてくれるしな。


 だがシャロはヴェイルガの纏雷の速度を完全に上回っている。

 身体能力強化の魔法は雷魔法よりも優秀な様だな。

 まぁ体の大きさにもよるのかもしれないが……。

 ヴェイルガちっさいしな……。


『おーいヴェイルガ。大丈夫かー?』

『……い、いつもより痛かった……』

『まぁ一回目じゃねぇからな』


 何回叩かれてるのか俺もう覚えてないもん。

 まぁこいつも覚えてないだろうけど。

 さて、そんな事より聞きたいことがあるのだ。


『ヴェイルガは悪魔について何か知ってるか?』

『……お役に立てず申し訳ありません』

『やっぱ直接聞くしかねぇか……』


 うん、明日まで待機だな!

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