5.25.研究
ちょっと整理してみよう。
まず、ヒラが無限箱を作ろうとしたが、できたのは正方形の箱ではなく丸いボール。
だが中には物を入れれるようだった。
箱と言っても開いて入れるという物ではなく、入れようとしたものは例外なくスーッと入っていく。
これは無限箱と同じ性質だ。
初めは形が違うだけかと思ったのだが、中に物を入れてみると、それが変わった姿をして帰ってくる。
雪は硬い結晶となり、葉っぱは鋭利な刃物となった。
そしてそれは全て、少しだけ重くなっている。
この魔法は一体どんな効果があるのだろうか……。
『ヒラは何かわからないのか?』
『わかんなーい』
んー、ちょっと研究する必要がありそうだな。
もっと他の物を入れてみよう。
少しだけ土を掘って、それを光のボールにいれる。
暫くしてから出してみると……。
土が出てきた。
いや、それが普通なんだけど……。
今回は何も変わらなかったな。
少し重い土が出てきただけだった。
土を入れただけじゃ無限箱と何が違うのか分からないな……。
んー、じゃあ今度は枝でも入れてみるか。
そして出てきた枝は地面に埋まるくらい刺さった。
『んでだよっ!』
『だよっ!』
ヒラちゃん?
一々真似しなくていいからね?
つーか何だこの魔法。
全く理解できないぞ……。
枝と葉っぱは鋭利になって帰ってくるのか。
えーと、そうなると?
中にいれた物がちょっと強化……。
ちょっとどころじゃないな。
結構強化されて戻ってくる魔法……と思っておけばいいかな?
……魔法入れたらもしかして強化されるかも?
そう思い、俺は比較的に安全そうな魔法、太陽の杭を入れてみる。
小さいボールだというのに、太陽の杭は全て吸い込まれた。
物量を完全に無視している。
『何が出るかなぁ~』
『楽しんでるな……』
『むふふー』
まぁ楽しんでるならいいんだけどね。
よし、そろそろ出してみるか……。
太陽の杭を出してみると……。
姿がちょっと変わっていた。
杭というより剣だな。
能力自体も何か変わっているのだろうか?
とりあえず自分に使ってみるか。
ダメージ自体は無いからな。
太陽の杭……剣? を腕に刺してっと。
『!?』
う、動けねぇ!
喋ることすらできないだと!?
え、ま、まじで?
太陽の杭は相手をその場に固定する程度の物だが、ここまで動けないという事は無かった。
うおおおおおお!
動けないこれどうしよぉおおお!
『? オール兄ちゃーん?』
つっつくなヒラ。




