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5.7.三種複合魔法


 水狼と雷狼は破られた。

 数で押せば倒せないこともないだろうが、それでは面白くない。

 もう少しこいつが何処まで戦えるのか見てみたいのだ。


 俺も久しぶりに肉弾戦をしてみよう。

 とりあえず土魔法で腕に装備を着ける。

 右腕にだけは隙間がないような装備を着けて、攻撃できるようにした。

 こうしておけば、あの棘の骨からでも打撃を与えることが出来るだろう。


 そして、雷魔法を纏って身体能力強化の魔法を使用する。

 これで機動力を底上げ。

 今の状態であればスルースナーの攻撃を全て回避することが出来るだろう。


 ばっと飛び出してきたスルースナーは、地面を掬い上げるようにして腕を振るって来た。

 それを一瞬で回避して、後ろを取る。


『ぐ!?』

『そいやっ』


 右腕で弾くようにスルースナーを吹き飛ばす。

 後方からの攻撃の為、骨でのガードは間に合わなかったようで、もろにその攻撃を喰らってしまった。

 大きく飛ばされはしたものの、すぐに骨を使って体勢を立て直し、再度突撃してくる。


 その時、また骨に変化が現れた。

 一つの骨がどんどん伸び、槍の様になって俺に突き出される。

 だが所詮はただの突き技。

 俺はそれを右腕につけた籠手で防ぎ動きを止める。

 動きがとまった瞬間に、左腕でその骨を折った。


 バギャッ!

 その骨は背中から飛び出していた物だったようで、折られると同時にスルースナーの体は一気に地面に叩きつけられる。


『ガグゥッ!』


 しかし、それでもスルースナーは動きを止めない。

 俺が骨を折ったとほぼ同時に、背中の骨が長く伸び、俺に襲い掛かった。

 巨大な体なので、それを避けきることはまず不可能。


 だが残念。

 俺にも魔法がある。


 俺は土魔法を使用して、土の壁を作ってスルースナーを持ち上げた。

 それにより狙いは狂い、あらぬ方へと骨を伸ばしただけになってしまう。

 急に現れた土の壁に対処することは出来ず、スルースナーは宙を舞った。


『なんだど!?』


 喰らった傷はすぐに回復魔法で癒している様だ。

 あんなに乱暴に使っていい物だったっけ……。


 まぁ……あんまりいたぶって楽しむ趣味は無いし、そろそろ終いにしておこう。

 空中にいる相手程、狙いやすい物は無い。

 俺は三つの魔法を使用した。


 水魔法、風魔法、身体能力強化の魔法。

 これで作るのは、物量を持った風刃。

 風刃の形に水を作りだし、それを身体能力強化の魔法で強化した肉体で思いっきり振るだけの簡単な技である。

 だが、その威力は申し分ない。

 風刃は切る事だけに特化したものだが、この水の風刃は打撃に特化したもの。

 水を思いっきりぶつけられた時って痛いじゃん?

 それです。


 水を手に纏わり付かせ、爪を出す。

 そして、強化した体を使ってそれを撃ち出した。


 ズォンッ。

 という音を出しながら、水の風刃はスルースナーへと向かって行く。


 魔法が飛んで来ているという事に気が付いたスルースナーは、すぐに体をひねって体勢を整える。

 腕と背中から飛び出した骨を前に向けて、構えを取った。

 どうやら相殺しようとしているらしい。


 あ、それ止めておいた方が……。


 そんな心配をよそに、スルースナーは大きく体をひねってタイミングよく水の風刃に骨を当てる。

 それは一度だけの攻撃ではあったが、その後から骨がいくつも飛び出し、更に威力を抑えようと奮闘しているようだった。

 だが、その水の風刃は……。


『爆発するんですぅ……』


 バチンッ!!

 という破裂音がしたと同時に、スルースナーは地面に思いっきりたたきつけられた。

 流石に爆発するなんて思わなかったのだろう。

 今回はもろに攻撃を喰らってしまったらしい。


 いや、本当はボコって一回当たって終わりのつもりだったんだけどな……。

 水狼と同じ仕組みで出来ている魔法だから、爆発するんだよあれ。

 でも風魔法で形を崩さないようにコーティングしてるから、それが破れない限りは爆発しない。

 まぁ……スルースナーは破っちゃったみたいだけど。

 ていうか大丈夫!?


『お、おーい! 大丈夫かー!』


 そう声をかけてみたが、返事は無かった。

 やっべ。


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