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第85話 鉱脈発見

「……出ました」

 僕が発した一言で、皆の目が一気に僕へと集中した。

「……何ッ、本当か!?」

 特にクレールさんが予想以上の食いつきっぷりだった。

 顔、近いです。クレールさん。

 僕は少々引きながらも鑑定した闇鉄鉱をクレールさんへと差し出した。

「はい。これが」

「おお……!」

 宝石を見るような目で闇鉄鉱を見つめるクレールさん。

 ……採掘師からしたら、闇鉄鉱も宝石もそんなに変わりないか。

「これでこの鉱山の価値は一気に跳ね上がる。皆よくやってくれた!」

 クレールさんの言葉に、採掘師たちは誇らしげに胸を張った。

 これで、僕たちの仕事は完了だ。

 何か思ってたよりも簡単に事が運んだな。

「よし、引き上げるぞ。この話を国に報告しないとならないからな、これから忙しくなるぞ!」

 ああそうか。鉱山は国の所有物だから情報は提供しないとならないのか。

 冒険者ギルドもそういうことがたまにあるけど、職人ギルドもその辺は変わらないんだな。

 頑張って下さい、クレールさん。

 発掘した鉱石は、運搬の負担が減るように幾つもの麻袋に分けて入れられた。

 運搬するなら圧縮魔法を……と思ったけれど、これくらいなら大した重量にはならないし別にいいか。

『イオ、帰るの?』

 帰還の準備を着々と進めていくクレールさんたちを見つめながら、スノウが尋ねてくる。

「うん。僕たちの仕事は終わったからね」

『スノウ、つまんないなぁ。もっといっぱい魔法撃って戦いたかったなぁ』

 スノウは魔物との戦闘を仕事だと思っているらしい。

 本当にスノウは戦うのが好きだね。

「帰りにも魔物が出るかもしれないから、そうしたら魔法撃って戦おうね」

 とは言ったけど、魔物には出てきてほしくないのが本音だ。

 どうか出てこないで下さい、魔物さんたち。


 こうして、無事に闇鉄鉱の鉱脈を発見した僕たちはラニーニャの街に帰還した。

 心配された魔物の出現はなかった。平和に済んで有難い。

 リナさんたちとは街の入口でお別れ。次の仕事を探して別の街へと旅立つそうだ。

 僕は採掘ギルドの前でクレールさんたちと別れ、ヘンゼルさんたちが待つ冒険者ギルドへ。

「ただいま戻りました」

「お帰りなさい、イオちゃん」

 ギルドカウンターで貨幣の詰まった革袋を整理していたヘンゼルさんは、微笑みながら僕のことを迎えてくれた。

「調査はどうだったの? 鉱脈は見つかったの?」

「はい。何とか見つけることができました」

「あら、良かったわねぇ。クレールちゃん大喜びだったでしょ」

「宝を見つけた子供みたいになってました」

「でしょうねぇ」

 うふふ、と肩を揺らして、革袋を金庫に片付けながらヘンゼルさんは言う。

「アタシはイオちゃんがお外で無事に活躍してきてくれることの方が嬉しいけどね」

「僕はギルドの仕事だけで十分ですよ。毎度毎度外に出てたら身が持ちませんって」

 言って、ふと思う。

「そういえば……ジャド君は元冒険者なんですよね。出張業務は彼の方が適任なのでは?」

 その方が出先で魔物が出てきた時に対応できると思うんだ。

 鑑定魔法と圧縮魔法しか使えない僕が行くよりは、その方がいいんじゃないかって気がするんだけど。

 しかしヘンゼルさんは何言ってるのと肩を竦めて、笑うばかりだった。

「出張は言わばこのギルドの顔を出すようなものよ。キャリアが長いイオちゃんの方が適任に決まってるじゃないの」

「……そういうものなんですかねぇ」

「……あ、お帰りなさい先輩。出張はどうでした?」

 2階から鑑定依頼品を持ったジャド君が降りてきた。

 僕は掛けていた眼鏡を外しながら、彼の方へと向き直った。

「出張は──」

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