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第268話 王立図書館

36個目の評価を頂きました。ありがとうございます!

 冒険者ギルドの中は大勢の冒険者で賑わっていた。

 ギルドカウンターが幾つもあり、そのそれぞれに受付嬢がいて冒険者たちの応対をしている。

 ギルドカウンターっていえば普通はギルドマスターがいるものなんだけど、此処では違うらしい。

 僕は空いているカウンターに近付いて、そこにいる受付嬢に声を掛けた。

「すみません。王立図書館までの道を知りたいのですが」

「王立図書館ですね。少々お待ち下さい」

 受付嬢は少し屈んでカウンターの下から地図を引っ張り出すと、カウンターの上にそれを広げた。

「現在地が此処です。王立図書館は此処からまっすぐ通りに沿って歩いて、此処の道を右に曲がるとあります。大きな建物なのですぐに分かりますよ」

 地図を見ると、王立図書館以外にも神殿や教会など、主要な施設は大通りの傍にあることが分かった。

 城も、大通りをまっすぐに歩いていくと見えてくるようだ。

 これなら迷うことはないだろう。

 僕は受付嬢に礼を言って冒険者ギルドを出た。

 此処には後でまた護衛を雇うために来ることになるから、場所を覚えておかないと。

 覚えた地図を頼りに、通りに沿って歩いていく。

 ほどなくして、僕は王立図書館に到着した。

 ……でかいな。

 建物は1階建てだが、とにかく横に広い。古いが威厳が感じられる造りをしていて、如何にも学者が好んで訪れていそうな雰囲気があった。

 何万冊という蔵書がありそうだ。これなら、得られる情報にも期待が持てそうである。

「スノウ、この中では大人しくしてるんだよ」

「はーい」

 スノウに中では動き回らないように言い聞かせ、僕は王立図書館の門扉をくぐり抜けた。


 天井までの高さがある本棚が、壁のようにずらりと並んでいる。

 それらひとつひとつに、丁寧に装丁が為された書物がきっちりと収められていた。

 本屋にある本棚とは似ているようで全然違う。これぞ図書館って感じのする本棚だ。

 入口のところには小さいカウンターがあり、モノクルを着けた学者っぽい装いの女性が立っていた。

「館内ではお静かにお願いします」

 騒がしくしたら退館してもらうことになる、と念押しをされたので、僕は口元を引き締めた。

 スノウに静かにしてるようにと言ったのは正解だったようだ。

 さて……何処から探そうか。

 これだけの蔵書がある図書館である。闇雲に本を探していたのでは何日あっても時間が足りなくなるだろう。

 一応訊いてみるか。

「すみません。状態異常の治療法を探しているのですが、それに関する本ってどの辺りにありますか」

「それでしたら──」

 女性はカウンターから出てくると、僕たちを連れてひとつの本棚の前まで歩を進めた。

 どうやら彼女は館内の全ての書物についてを把握しているようだ。物凄い記憶力である。

「此処にあるものが、状態異常の治療法についてを記した本になります」

「ありがとうございます」

 200はあるであろう書物が収められている本棚を上から下まで見つめ、僕はふぅと息を吐いた。

 ある程度は絞られたとはいえ、此処にある書物を全部チェックしようとしたら結構な労力になる。

 できれば調べ物は1日で終わらせたい。そのためには、関係のない書物にはなるべく手を出さないようにしないとな。

 さて……始めるか。

 僕は近くに置かれていた梯子を持って来て、本棚に立て掛けた。

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