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6話 やばいやばい!本当にやばい!静まってくれない!


「う...こ、ここは?」


僕は真っ暗な視界が慣れるのを待つ。しかし一向に視界は開かない。


「あれ?おかしいな。ま、取りあえず起きるか。」


体を起こそうとすると体が動かない事に気付く。しかも柔らかいのが顔に当たっている。


「この柔らかいのは何だ?なんかいい匂いもするし。」


適度なハリを持っているがずっとこのまま顔をうずめていたくなるような柔らかさも持っている。しかも温かいし、なんだかトクン、トクンって言ってて落ち着くな。まるで心臓みたいな音――



まるで、心臓みたいな音...?



「ま、まさか...!?」


思わずガバッと起き上がると目の前には頬を紅潮させ自分の衣服を噛み必死に声を殺しているシャルがいた。


「え、えと...。」


頭の中で記憶を整理していく。



えっと、シャルにお兄ちゃんって呼ばせちゃって、それから気まずくなっちゃって、シャルに押されて丘に出ると目の前にサンダーバードがいて...あれ?その後からの記憶が無い?



「僕ってどうなったの?」


疑問に思ったことをシャルに聞く。


「あの時、オーカ様の目の前にサンダーバードがいました。オーカ様は倒れられて、私はオーカ様をおぶって無我夢中に走りました。そして、空を飛んでいるサンダーバードに見つかりそうになりとりあえず意識がまだ無かったオーカ様に被さる形で隠れていました。するとオーカ様が起きられて、それから、その...いい匂い、とか落ち着く、とか言いになられて...。」


わああああああああああ!声に出てた!!最悪だあああああああ!!!


「ごごごごめん!なんだか安心しちゃってつい本音が口に出ただけなんだ!だから、本当にごめん!」


「...。」


シャルは無言のまま。ずっと下を向いているため顔も見えない。もしかしたら泣いているのかも知らない。


「...しゃ、シャル?」


「...とですか。」


「え?」


「ほほほ本当ですか!?わわ私の、そ、その、むむむ胸があ、安心、する...とか。」


顔を真っ赤にして僕に聞いてくるシャル。これは...怒ってない、のかな?


「う、うん。いい匂いもしたしなんだか温かくて安心しちゃって。ほ、本当にごめん!」


僕は頭を下げた。それが今できる最大の謝罪だったから。


僕の謝罪を聞いたシャルはさっきよりも顔を赤らめ黙ってしまう。しかし突然シャルが僕に抱き付いてきた。


「うわっ!しゃ、シャル、さん?」


僕は慌てて体制を変えようとする。だってあぐらをかいていた僕に抱き付いてきたシャルとの体制は色々とやばかった。僕の意思とは矛盾しながら、それはそそり立ってしまう。


しかし、シャルは更に抱き付く力を強める。あ、当たってる!当たってるって!


「その、私もオーカ様の匂いを嗅ぐと安心するんです。なんだかここのあたりが温かくなって。」


そう言って自分の胸をさす。シャルは村を出てからずっと一人で生きてきたんだ。だから心のどこかで安心できる存在を求めていたのかもしれない。それは僕も同じことなんだと思う。


「で、でも運動した後は汗の臭いもするし。」


「たしかに動かれた後のオーカ様は少し汗臭いときがありますが、それは、それでアリと言いますか...。」


再び顔を赤らめながら恥ずかしそうに話してくれる。なんだかむずがゆくなってきた。


「もしかして私、匂いフェチなのでしょうか?」


そう言って顔を僕の首に持っていく。


「ちょ、シャル!?だ、駄目だって、」


――すん すん――


「少し汗の香りがいたしますが嫌いじゃないんです。こんなシャルは駄目な子なのでしょうか?」


瞳は濡れて唇は湿っていて少し顔が上気していて、なんだか急にシャルが色っぽく見えてきた。


「う、ううん?シャルは全然駄目な子なんかじゃないよ?」


上ずった声でそう言う僕。情けないなあ僕。


「そう、ですか。シャルは駄目な子じゃないですか。...えへへ。」


嬉しそうに微笑むシャル。あぁ、癒される。


「で、ではもう少しオーカ様の匂いが強い方へ。」


え?


――すん すん――


「ふぁぁぁ。なんだか変な気分です私。ずっとオーカ様の服に顔をうずめていたくなるような...。オーカ様の気持ちも分かってきましたよ。」


僕の服に顔をすりすりするシャルを見て理性がすごい勢いで削られていく。


「シャル?サンダーバードに追いかけられてるの覚えて――」


「もっと、強い所がありました!なんだか他の所とは違う匂いです。ですが私、嫌いじゃないです。」


そう言ってシャルが顔をうずめている所は――僕の股間だった。


「しゃ、シャル!そこはまずいって!やめて、ちょ、あぁ!」


やばいやばい!本当にやばい!静まってくれない!


「あら?なんだか固くなってきました。これはなんなのですかオーカ様?」


「え、えと...それは、その、あの...。」


口ごもる僕の反応を見てシャルはもう一度視線を僕の股間に戻す。そして、大分冷静になったようで――


「ふ、ふにゃああああああああああああああ!!ごごごごめんなさい!!!わわ私気付かなくて!!ほほほ本当にすみません!!!!」


自分の行った行為が分かったらしく、とにかく謝りまくるシャル。


「い、いや僕も同じようなことシャルにしちゃったし、お互いさまってことで、どうかな?」


「え?許してくれるのですか?」


シャルは疑問の顔を浮かべる。


「うん。ぼ、僕もシャルが隣に居てくれると安心するし。シャルも安心するのなら、ね。」


そう言って僕は笑った。シャルにはずっと安心を与えたかった。僕がシャルに感じている安心感をシャルにも感じてほしかったし、何より今までの怖い思い出を少しでも和らげてあげたかった。


「じゃ、じゃあ...」


「うん。」


「これからもご就寝中のオーカ様のお布団に入ってオーカ様をふがふがしてもいいのですね!」


「そんな事してたの!?」

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