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1話 これは異世界への転生なのではないか、と。


目を開けると、そこは光の世界だった。ここはどこなんだろう?


「僕はさっきまでトラックに追われてて...。」


と、そこである考えが浮かぶ。休日はライトノベルやWEB小説を1日中、読みふけっている僕の考え。これは、異世界への転生なのではないか、と。


「一体、ここはどこなんだ?気が付いたらここに...。」


と、しっかりフラグ立てもするが、何も起こらない。僕、本当に死んじゃったのかな?


そんな不安が僕の心をぐるぐると回っていると目の前に光が集まる。うわっ!いきなりだとビックリするじゃないか!


その光はだんだんと人の形を作っていく。あれ?なんか体格が小さすぎないか?


「ふぃ~。ようこそ、神の心の間へ。」


目の前には明らかに小学生としか思えない幼女が立っていた。何故か見た目と喋り方の年齢差が半端ない。


「ここはどこなの?君は神様なの?」


「お!私を一目見て神と認識するとは!お主中々やるのぉ。よく見たら中々可愛いい顔をしとるでわないか。どうだ?私の夫婦の契りを結ばぬか?」


「ち、契りって!ていうか可愛いって言わないでください!気にしてることなんです!」


僕は男なのに顔つきが女の子みたいなのだ。中学3年生の文化祭で喫茶店をした時、クラスの女子が一人怪我をしてしまい、何故か僕がかつらを被り化粧をされ、店の売子として出たら店の売り上げが2倍以上になったのだ。クラスに貢献できたのは嬉しいがおかげで1日中店番をさせられたことやそれから卒業までの間、下級生や同級生に告白をすごい数された。しかも男子(・・)に。あれは僕の黒歴史である。


「そ、そんなことより!なんで僕がここに呼ばれたんですか?」


「うむ、そのことなんだが...まぁ、単刀直入にいうと私の作った世界が面白くないのだ!せっかくドラ○エのような剣と魔法の世界を作ったのに連中ときたら、いざ魔王を倒したらその謝礼金で自堕落な生活を送りよって!勇者なんかギルドの受付嬢にセクハラをしてな!終身刑だぞ終身刑!」


セクハラで終身刑て。どんな過激な触り方したんだよ。


「つまり、僕が神様が作った世界を面白くさせる。そういうことですか?」


「話が早くて助かる。頭の働く男は好きだぞ?」


舌をペロッとだして僕を見てくる。


「からかわないでください!で、でも僕そんなに知識のある方じゃありませんよ?」


「私は本気なのだが...まぁよい!その点に関してはすでに考えておる!」


考えてあるってどんなことだろう。まさか強引に世界の知識を叩き込まれるとか!?そんなの嫌だ!!


「安心しろ、そんなことはせぬわ。お主たちの持っておるケータイとか言うのがあるじゃろ?あれのバッテリー(?)を常に100%にしておる。だから分からないことはネットとか言うので調べて存分にいい思いをしてくれ!君は、そう...〝錬金術師(アルケミスト)〟として生きてもらう!」


うわ、心読めるのか。さすが神様。じゃあ僕が神様の事可愛いって思ってることバレちゃったかな?もしそうだったら結構恥ずかしい。しかも錬金術師か~。かっこいい~!


「何を言っておるのだ君は!まったく!」


やばい。バレてたしそんな><な顔で言われたら抱き付きたくなっちゃう。


自分の心を抑えるのに時間がかかったが、何とか会話を次に移してもらう。


「それと君には1年不自由なく過ごせる金と家を用意しよう。」


神様は色々と準備をしてくれるようだ。ありがたい。


「そうそう、君を選んだわけだが。下界から君のことを見ていたがあまり元居た世界に心残りなどなさそうに見えたのだ。実際そうではないか?」


その通りだ。僕には家族と呼べる人はいない。中学3年生の時、家族で北海道に行ったか帰りの飛行機でハイジャックにあった。その時の死者は3名。僕の父と母、そして妹のみ。だから僕は元居た世界には未練なんてない。でも、


「案外そうでもないですよ?」


僕には家族と同じくらいに大切に思っている人がいる。それは役所のおじさんだった。


帰ってきて家も売り、困り果てた僕は市役所に行った。子供心に助けてくれると思っていた。しかし考えは甘かった。中学生の自分を助けてくれる人なんかいるはずもなく、ただ項垂れているとある人が声をかけてくれてその人がおじさんだった。


おじさんは小さいながらも自由に使ってくれ、と家を用意してくれた。だから僕はおじさんには感謝してもしきれないほどの恩がある。だから、


「やっぱりお金は1か月分にして貰えないですか?残りのお金は渡したい人がいるんです。すごく自分勝手なのはわかってるけど。駄目ですか?」


しかし、神様は承諾してくれた。とてもいい神様だな。この神様を祀っている場所とかあったら掃除とかしよう。


「うむ、いい心がけだな。ぜひよろしく頼む。」


ニヤッとして笑いこちらを見てくる。いや、そんなに見られても可愛いって感想しか出ないんだけどね。


「へ、変なことは思わなくていい!そ、それよりそのオジサンとやらの住所を教えろ!」


いやおじさんは名前じゃないんだけどな。でも住所分からなきゃ送りようないしな。ごめんなさい。


そして本当の名前と住所をいうとどこから出したのか段ボールにこれまたどこから湧いたのか僕にくれるはずだったお金を少し残し残りは段ボールに入れていく。ていうかどんだけの額を入れてるんだよ。異世界の通貨価値が分からないからなんともいえないけど結構な額が入っていたような。通貨の変換は全部この段ボールがやってくれるらしい。もはや段ボールじゃない。


「それから君の全能力をいま私の出来る限り最高値にしておこう。これはささやかなる君の心に対する感謝だ。私の世界に来てくれてありがとう。」


いい神様だな。きっと皆にも愛されているんだろう。


「それから最後だが、細かいことは全てこのメモに記してある。」


と、神様からメモを貰う。色々書いてあるみたいだな。後で見ておこうっと。


「もし、寂しくて心が張り裂けそうになったら私の名前を呼ぶといい。すぐこの場所に招待しよう。ここでは時間の流れが止まっているからな。いつまでおっても構わんよ。」


「うん、ありがとう。じゃあ君の名前をおしえ」


「では行って来い!」


「僕まだ名前、聞いてないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


そして天界(仮)から落とされた僕の視界は再びブラックアウトする。


┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄


目が覚めると僕は道脇の木の下で眠っていた。どうやら転生先の世界の様だ。ぼっくは普段おとなしい方だがこればかりは少し興奮してしまう。だって異世界だよ?ワクワクするに決まってるじゃん!


そこで僕はあることに気付く。僕って今どこにいるの?


不安になり藁にもすがる思いで僕は神様から貰ったメモを見る。すると、


《1.地理的な問題は全てMAPアプリで解決!現代の技術ってすごいね!✌》



とある。元居た世界の代わりに表示される世界を更新したのかな?


見てみると確かに見覚えのないところに現在地と示されている。


「おぉー!すごい!」


神様すごい!知らない間にこんなことを!


地図アプリによるとここはフル―リッシュという街のすぐ近くらしい。こんな元の世界でいう農村部の様なところの近くに街があるのか?と疑いたくなるが結構栄えているとのこと。神様の口コミ曰く、


「君の凄さが実感できる」場所らしい。


どんなところなんだろう。とても気になる。神様に能力を底上げするって言われたけど実感湧かないしな。とりあえず少し走るか。


乾いた地面を蹴って走る。するとおかしいことに景色が塗り替えられていくようにみるみる変わっていくのだ。おかしい。そう思い後ろを振り返ると、


「な、なんだこれ...!」


さっきまでいたところは地平線に隠れて見えない。確か地平線までの距離は平均して5㎞くらいだから...って嘘。僕最初の踏み込みだけで5㎞以上も移動したの?やばい。こんな力、ほかの人に見られたら絶対拒絶される。折角新しい世界に来たのにそんなの嫌だ!


だから少し小走りにする。まぁそれでも余裕で100m走の世界記録を更新できるスピードだが。そんなこんなでナビでは4時間のところを1時間かからずに着けた。途中から人に会うのも増え少しスピードダウンしてもこの短時間なのだ。たぶん全力で走ったら軽く音速は超える。


そんなこんなでついた街フル―リッシュの第一印象は物凄くでかい、だった。だって仕方ないじゃん!こんな大きい都市表現のしようがないよ!とりあえず街をぶらついてみる。というか家への道を覚えなきゃ。メモを開く。


┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄┄


何とか着けた。といってもやっぱりこの世界でも5LDKは凄いらしく途中で道を聞いた数人のおばちゃんに、


「若そうなのにやるわね!誰に貢がせたの?」


なんて聞かれたが「強いて言うなら神に、ですかね?」なんて口が裂けても言えるはずがなく、(というか言っても信じてくれない。絶対変な人だと思われる。)適当に流して、ようやくたどり着いた。やっぱり一人で住むには寂しいかなぁ~。そう思いながらも頭の中では大きい風呂を独り占め~なんていうバカな妄想のオンパレードな僕、五十嵐鷹翔。まぁ、妄想じゃなくて事実なんだけどね!


メモに同封されていた鍵を使いドアを開けるとそこには吹き抜けの天井に開放感あふれる窓、使いやすいキッチン、ふっかふかのベッドなど本当お金持ちの家みたいだった。


「ここが今日から僕の家...やったぁぁぁぁぁぁぁ!!」


心から喜ぶのであった。

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