3年生、回想
1学年8クラスの学校で私こと時賄日名子は暮らしていたが…。
あとがきにはテストもあるよ
戸惑い――。
どうすんのよこれを。
初めて第二文芸部を見た時私、時賄日名子はそう思った。
埃が所々に落ちていて呼吸するだけでむせるような空間。
おバカ中は掃除をさぼる生徒が全体の9割。
3年3組の教室も例外ではなかった。
私こと時賄はそんな文系おバカ中の中で眼鏡をかけた陰キャとして、まじめ担当として生き抜いてきた。
第二文芸部―—。学校非公式の知る人ぞ知る部活だった。
帰宅部と第二文芸部の掛け持ち。
顧問は3年3組の高岸夜見琉先生。9年連続で3年3組の担当なんだ。だから、教室内を貸し出してくれる。
文句は言えない……
というか、よ。なんだその経歴って思わない?
逆にすごいよね。
しかーし!
第二文芸部は私の卒業とともになくなるのであります。
高岸先生は3月に1年5組の担当になり、3年3組の教諭は4月から大学院を修了したばかりの橋本冴矢先生に代わるのだ。
けれど1年生になりたてほやほやの私はまだそんなことも知らず、せっせとお隣の事務室から借りた箒で教室を掃いていた。
普通事務室って、1階か2階のどっちかじゃないの? 私の偏見かなあ……。
そして掃き終わった教室を見て清々した。そのとき私の後ろから素っ頓狂な声が上がった。
「あれえええ! 教室がきれいになってるう! まるでイリュージョンみたい!」
喜んでくれてうれしいなと私は顔を綻ばせる。だがしかーし!
次の言葉に、ふたたび私は唖然とした。
「よおし! じゃあ今日も好きなだけ汚すか!」
どうしたらその結論にたどり着く。
私はやれやれとため息をつくのであった。
・文中「というか、よ。なんだその経歴――」その経歴とはどんな経歴ですか。
・私の特長は何ですか。