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薄明の魔法使い #0 竜骸迷宮と黒燿の剣士  作者: 式見 汀花
Ⅰ すべての始まり

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第37話 新たな仲間 #1

「待ってろアロエー! フラウム様が取り尽くしてー! 絶滅させてやるぜー!」


「物騒だなぁ……」


 ひどすぎる歌を歌いながら(歌自体は上手い)、ずんずんと野原を進んでいくフラウムに、三人でついていく。アロエが自生している場所は母から聞いているらしく、エルスウェンが案内する必要はないようだった。


 歩いているのは、生家から西にある森に向けてだ。生家の周りの森を抜けて、五キロメートルほど草原を歩くと、また森がある。その中をさらに五キロほど進むと、清水の湧き出る泉があり、近くにアロエも自生している。


 子供の頃は、エルスウェンもよく母に摘みに行かされた。ひとりの時もあれば、母が一緒の時もあった。花の冠を作って遊んだのを思い出す。


 ザングが一緒だったこともあった。一度、大きな猪を狩って持ち帰り、母を驚かせたことがあった。あれは、十年以上は前のことだったか――


 風景から薫る懐かしさを味わいながら、無事に泉へと辿り着いたエルスウェンたちは、喉を潤しつつ、水を汲んだ。この泉の水のおいしさには、初めて口にするジェイもラティアも、目を丸くして驚いていた。


 次の目標であるアロエも、すぐに見つかる。絶滅させるというのはさすがに嘘だったらしく、それでも籠いっぱいにアロエを集めて、フラウムは満足げだった。


 収穫を手に、家へと戻る道を進む。歩きながら、訊ねてみた。


「少しはリフレッシュできた?」


「うん! おかげで元気いっぱいだよ。午後は心機一転で解読作業だ!」


 フラウムは籠を片手に、力こぶを作りながら頷く。


「まだ見ぬ美容術を求めて! 我々の戦いは終わらない!」


「主旨変わってるよね……」


 エルスウェンは苦笑した。が、気分が良くなってくれて、よかったとも思う。当面はジェイと共に連係攻撃の巻物を読み解いていく必要があるから、静かにしていてほしい。


 フラウムは思い出したように、聞き返してきた。


「エルスたちもなんか話してたけど、なにか見つかったん?」


「ああ、うん。パーティの連携についての巻物をね。ジェイが見つけてくれたんだ」


「連携?」


 ラティアが首を傾げる。その様子を見て、説明をした。


「うん。ただの役割分担とかそういう次元の話じゃなくて、パーティの呼吸を合わせて攻撃することで、その威力を高めようっていう……そういう方法に言及してる、古代の戦術書みたいなものがあったんだよ」


「それは興味深いな。私もぜひ、目を通してみたい」


 ラティアの顔は、美容を追い求める女性の顔ではなく、パーティのリーダーたる聖騎士の顔に戻っていた。


 が、エルスウェンは首を振った。


「古語で書いてあるから、ラティアには難しいよ。僕がジェイと検証しつつ、現代語に直しておくからさ。それができたら、ジェイと使えそうな戦術を吟味することになるだろうから、その時に手伝ってくれれば」


「そうか。確かに、大陸古語は分からないからな。では、こちらはこちらで、別のものを探して、読み解くことにしよう」


 真面目に頷くラティアに、頼もしさが戻ってきた気がする。それを当てにして、エルスウェンはひとつ、質問をした。


「ラティアは、優れた弓士って知らない?」



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