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短編集  作者: かき
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泥棒の資格

 大学から帰ってなんとなくテレビを付けた。近くで泥棒が出たらしい。なんと物騒な、とか思っていたら犯人は20歳なんて聞こえてきたものだ。まさか同級生じゃないよな、と恐る恐る見るとそこには親友だった彼がいた。


 彼は別に一番勉強ができたわけでも、一番真面目だったわけでもないが、僕よりゲームが上手くて、色んな知識もあって、勉強もできた。東大に行けるわけじゃないし、プロゲーマーにもなれるわけじゃない。人より少し出来るから見栄を張りがちで怠け者、それでも友達には優しい彼だった。


 全国の家には高校時代のいかにも軽薄そうな写真で報道されている。中学の頃から少し変わっていたけどすぐにわかった。自然とテレビを消していた。大学の課題はあって、まだご飯も作っていない。それでも部屋の中をぐるぐると回る。スマホを付けてみたが、よく考えたら用もないのですぐ消した。


 後日テレビにはまた別の場所で泥棒をしたらしい彼がいた。少し足が早かったが何度も逃げられはしなかったらしい。今度はスマホでも撮られたらしくインターネットで拡散された。そこには焦燥に駆られた顔で逃げようとする彼がいた。彼は少しだけ少し責任感があった。

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