銃と不自由
酔っ払いから詳しい内容を聞いたシンとトウキは事件の現場へ向かっていた
トウキ「シン、あの人の言っていたこと信じるの?」
シン「ああ。信じるさ」
トウキ「でもアイツは…」
シン「トウキの言いたいことは…まぁ…分かるよ。
でも聞いた話が本当なら、屍異奴の仕業だ。
人が糸になるなんて普通じゃありえないことをいくら言ったって気が狂ったとしか思われないけど、
俺たちは見ただろ?お前の村の人たちが生み出した異形の者を」
トウキ「ああ。…そうだね。ごめんよ。冷静さを欠いて。」
シン「しかしまぁ…現場を見る限りじゃその形跡は見当たらないけどね。」
トウキ「…?これは?」
トウキは落ちていた糸を見つけた
シン「ただの糸くずでは?」
トウキ「いや、何だか血の臭いがする…
この剣がそう言っている気がするんだ」
シン「剣が?そういえば雪山でもそんなことを言っていたよね?」
トウキ「うん。なんか…薄らとだけでそう聞こえる気がするんだ…ん?!」
トウキが剣に触れると急に剣が震えながら勝手に動き出す
宙を泳ぐように剣は移動を始めるがトウキは柄を握ったまま離さなかった
トウキ「わ、わ!?何だ?!急にどこへいくんだ?!」
シン「おい!どうしたんだ急に!?待てってば!」
剣は止まった先は村はずれに佇む古い家であった
剣「臭う…臭う…人の血肉の臭いだ…」
トウキ「血肉?!それじゃあここに屍異奴が?!」
剣に聞くも答えは返ってくることはない
シン「何を1人でブツブツと言ってんだ?
…とにかく入ってみよう。くれぐれも用心しろよ?」
トウキ「え?シンには聞こえないの?
まぁいいや。とりあえず…入ってみよう…ん?!」
戸に触れようとした瞬間、一筋の弾が足元の地面を射抜いた
軌道の先の建物の上には灰色のローブを纏った男が銃を構えながら立っており、こちらを見下していた
男「…戸に触れてはいけない」
シン「君は誰だ?!」
男「俺は…グレイ。各地に出でる屍人紛いを射抜く者」
グレイは建物から飛び降りて近くに寄る
よく見るとローブにはトウキのいた村でついた血も残ったままであった
トウキ「目的は僕たちと同じ…みたいだね?僕はトウキ。こっちはシン。よろしくね!」
グレイ「…馴れ合うつもりはない。だが目的は同じ屍人紛い…屍異奴か。いいだろう。この家の者について教えてやる。
…この古家にはかつてある家族が住んでいた。しかし一家は貧乏である時息子が流行りの病に侵されたそうだ。それ以降家族を見た者はいないという。死んだと思われていたが、様子を見に家へ入った者は帰って来ず、村でも対応に困っているらしい。
おそらく両親の息子を生かし、育てたいと思いが屍異奴に付け入られる隙になったんだと俺は考えている…」
シン「そこから屍異奴が生まれたか…血の臭いがするっていうこの糸は人間を糸に変えてその子供に食べさせる為のエサ…?
だったらなおさら早く倒さないと!」
グレイ「待て!扉には…!」
グレイの制止にも関わらずシンは扉に触れてしまう
戸を開けた瞬間、糸がシンを絡め取り家の中へ引きずりこんでしまい、壁に磔にしてしまった
トウキ「シン!?」
?「おカァさん!怖イヒトがキた!」
?「大丈ブ。すぐ二ごハンの準備スルカらね。」
グレイ「…食わせてたまるか!化け物め!」
家に入ったグレイは腰から一丁の銃を取り出し構えるのであった
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