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酔い、宵…酒と避けられぬ戦い

獣車を借りるために立ち寄った村はトウキがいた村よりも明るい雰囲気であった


シン「もう夜だから今夜の宿を探そう」


トウキ「そうだね…でも僕ちょっとお腹空いちゃったよ」


シン「…まずは腹ごしらえといきますか!」


2人の腹の虫も呼応するかのように鳴り響いた…


店員「いらっしゃい!おや!見ない顔だねー?旅人さんかい?!」


シン「ああ。一見だが、いいかな?」


店員「なーにいってんだぃお金さえ払ってくれりゃお客さんは神様ってな!ほら、好きな席に座んな!」


トウキ「…慣れてるね?」


シン「まぁ1人で旅もしてりゃ自然と…ね!おっちゃん!ビーアちょうだい!ほら、トウキも頼め頼め!」


麦酒…ビーアが机に届いた瞬間シンは一気に飲み干した。そしてさらにビーアを頼み、飲みを繰り返す様子をトウキは目で追うことが精一杯だった



シン「トウキぃ!ほりゃ!おまぁぇもぉ…飲めェっ!」


そして完全に出来上がっていた


トウキ「え、シン?大丈夫?」


シン「おうよぉ〜俺ァ大丈夫らぁ!」


トウキ「?なんか呂律も回ってないし、全然大丈夫じゃないような…」


シン「うるさぁい!ホレ!お前もビーア飲めェ!」


半ば強制的にジョッキを突っ込まれ無理矢理飲まされた…


トウキ「…お、美味しい…かも?」


シン「お、いけるじゃ〜ん!ほら!どぉんどこ頼めェ!おっちゃーん!ビーア2つー!」


しばらくして酔った他の客がテーブルに寄って来た


酔っ払い「あんちゃん!なかなか酒強いねぇ!」


トウキ「そうなんですかね?初めて飲んだんですけど、喉に一気に流れる感じ…結構いいですよね。」


酔っ払い「そうだろそうだろ!連れの奴なんてもう出来上がっちゃってるってのに…!」


シンは顔を赤らめ頭が右へ左へと揺れていた


酔っ払い「というかコイツ、見た目は男っぽいけどいい匂いすんなぁ!」


そしてシンの肩を掴み顔を近づけようとする


トウキ「な、何言ってるんですか!そんなわけ…ちょっと!」


酔っ払い「なんだぁ?あんちゃん、邪魔すんなよぉ〜!」


酔っ払い客はトウキを突き飛ばす


トウキ「その人に…触るなぁ!」


トウキは立ち上がるとその酔っ払いに掴みかかって馬乗りになった


他の客達は止めるどころか歓声を上げ騒ぎ始める


客「お!喧嘩か?!やれやれー!」


客「どっちが勝つか賭けようぜ!」


酒場の中で歓声や物が壊れる音、色々な音が響き渡っていた…

時は経ち河原でシンは嘔吐していた


シン「うぅぅ…気持ちわるぃ…」


トウキ「大丈夫?雪山で死にかけていた時みたいに顔色悪いよ?」


シン「あの寒さに比べたらこんなくらい…うう…ゲボォ…」


見事に吐きまってしばらくするとようやく落ち着いたにか近くの土手に座る


シン「なぁ、結構派手に暴れたらしいじゃん?どしたのさ急に」


トウキ「だってアイツ…シンに近づいて…」


シン「…なぁに?わたしを守ってくれたわけ?かっこいぃ〜」


寄った勢いもあってかシンはトウキにヘッドロックをかける


トウキ「ゲホゲホ…ちゃ、茶化さないでよ…何であんなことしたのか僕も酔っ払ってたのかもしれないし、よく分かんないけど…

なんか男として頑張ってるシンをバカにしてるようだったから、

ついカッとなっちゃったのだけは覚えてる…自分でもあそこまで喧嘩したのは初めてだったよ…」


シン「へ…へぇ…。なにさ、きゅ、急に女扱いしやがって!

でも…い、一応礼だけは言っとくわ…ありがと。」


トウキ「なんか喧嘩したのにお礼言われるって変だね。」


シン「…確かに!」


夜空に2人の笑い声が響いた


シン「さ、酒場に行く前にとった宿に戻ろっ」


トウキ「う、うん!」


宿にて寝床についた2人。

シンはスヤスヤと眠っていたが


トウキ「お酒って不思議な味だったなぁ」


初めて訪れた自分の村以外の場所で飲んだ初めての酒、初めての喧嘩…

トウキは今まで体感したこともないワクワクするような気持ちが溢れ出してなかなか寝付けずにいた


トウキ「明日はどんな1日になるんだろう…」


窓越しから夜空の星を眺める目もキラキラとしているのであった。



一方その頃路地裏では…


酔っ払い「くっそう…あのガキ…派手にやりやがって…なんだってんだよぉっ」


先ほど絡んできた酔っ払いは千鳥足になりながら更に酒を飲んでいた

顔は酔って赤くなっているだけでなく、タンコブや青タンだらけになっている


酔っ払い「ったく…ちくしょうめぃ!」


空になった瓶を投げ捨てた瞬間、暗闇に赤い目が2つ浮かぶ。

雲に隠れていた月の光が路地裏を照らすとそこには異形の者がピンと張った糸を口に咥えていた姿で立っていた

その糸を伝うように先を見るとその糸は人の死体から出ていた


酔っ払い「ひ、ヒヤァァァ!?!?」


足元がおぼつかないながらに懸命に酔っ払いは路地裏をでて逃げ出す


?「おカァさん、今ノごハン…?」


?「オ酒はカラだに毒ヨ。アナタにハまだ早いワ…」


無事に逃げ切れた酔っ払いは自警団に話をしているようだが自警団はまともに話を聞いてくれない


酔っ払い「だから!見たんだって!

路地裏で化け物が…人が糸になってて…人を…化け物が食ってたんだ!!」


自警団「だからぁ…何度も言ってるでしょ!あの辺りを見回ってきたけど、そんな形跡は見当たらなかったって!!」


酔っ払い「ででででも!俺は見たんだ!」


自警団「それにアンタねぇ酒臭いよ?…見たところ泥だらけだし、顔中もタンコブだらけだよ?さしづめ転んで気絶して夢でも見てたんじゃないか?」


酔っ払い「それは逃げてくる時に転げ落ちたからで…それにこれは酒場で殴られて…そうだ、暴力事件もあったんだ!いきなり殴られて…っておい!どこ行くんだよぉ!信じてくれよぉ」


話が二転三転する様子に呆れたのか自警団は呆れて立ち去ってしまう…


シン「あれって…?」


トウキ「…酒場にいた人…だ」


その姿をたまたま近くを通りかかった2人は酔っ払いに話しかけた


シン「どうかしたのか?」


酔っ払い「あああ、あんたはあん時の!?

実は、化け物が出たんだ…たた助けくれぇ」


泣きじゃくる子供のようにシンに縋りつく


トウキ「またお前…近くな!」


酔っ払い「ひぃ!」


シン「トウキ!落ち着けって!大丈夫だから!…それよりも詳しく聞かせてくれないかい?」


酔っ払い「し、信じてくれるのか?!ああ!ありがとう…実は…」


酔っ払いは事の顛末を話し始めた

お読み頂きありがとうございました。


もしも

・面白い

・続きが気になる

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皆さんに見て頂けること自体が嬉しいことですし、これからも貴重なお時間を共に過ごせるよう頑張って書いていければと思いますので応援よろしくお願いします_(:3 」∠)_

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