花の氷涙
3章の始まりだどんどこどーん!
寒いです!
リアルも作中も寒いです!
いやホントに寒い!無理!
ファンヒーターの前でダンゴムシするしかねえべ……。
ちなみに、1話目から全部加筆修正中です。
ちょっと増えてるものも変わってるのもあるので、よければどうぞ。
傷付けたくない、苦しめたくない、悲しませたくない。
ただそれだけ。
ただそれだけの理由で、私はあの子から逃げている。
分かってる。
逃げたって何も変わらない。
目を逸らしたって、現実は残酷にも真実を突き付ける。
その現実が嫌で嫌で、私はずっと逃げ続ける、閉じこもり続ける。
ああ、分かってる。
分かってるからこそ悲しくなる。
自らの過去と罪からは逃げられないと。
神であろうと人であろうと、それらからは逃げられない。
その二つは、重く痛く冷たく、私を縛り続ける。
どうして、私は私なのだろう。
どうして、私は罪を犯し続けなければいけないのだろう。
どうして……私は生まれてしまったのだろう。
いいや、分かってる。
それすらも、分かっているの。
全部全部全部、自覚した上で、背負った上で、今もこうして立っている。
それでも、立つだけで、ちっとも前には進めない。
同じところに縛られ続けて、囚われ続けて、助けを求めることも出来ず、許されず、ただそこにいる。
……ああ、寒い。
孤独は、寒い。
一人は、寒い。
隣にあの子が居ないことが、こんなにも寒い。
温もりを知らなければ、寒さを知ることもなかった。
そう思って、始まりを後悔して、恨んでしまいそうになるけれど、出来るわけもなかった。
始まりがあったからこそ、あの頃の幸せがあったからこそ、今の苦しみがあるのだから。
始まりと終わりは繋がっている、なんて、分かっている。
私は、変わらない。
私は、救われない。
私は、進まない。
ただこうして、孤独に甘んじているしかない。
……こんな姿は、見せられない。
こんな私は、見せてやれない。
きっと、悲しませてしまうから。
あの子の悲しい顔は、何よりも見ていられない。
もしかすると、傷つけたくないのではなく、傷付けたことに自分が傷付くのが嫌なだけかもしれない。
だから、私はこうしてここに居続ける。
寒い寒い、この鳥籠で、ずっとずっと進めないまま、いつか来る、終わりを待つだけ。
……そういえば、昔、雪を見たわ。
初めて雪を見た時、私は、何を思ったんだっけ。
何を、感じたのだっけ。
全てが輝かしい思い出で、鮮明に思い出せるのに、どうにもその時の自分の感情は思い出せない。
それが悲しくて、虚しくて、悔しくて。
それでも、新しい思い出を積む気にはなれない。
思い出が増えれば増えるほど、全てが壊れてしまうことが怖くなってしまうから。
……ねぇ、貴女は、今もあの雪を覚えている?
白く小さく、花のような、綿のような、幻のような、あの雪を。
貴女は、覚えているかしら……?
宙:気がつけば3章……つまり序章は終わった。
S『なのにどうして貴方は未だにいるんですかねお帰りくださいませご主人様』
宙:そんなメイド喫茶は嫌だ。そしてリアルでメイド喫茶とか行かないから。リアルメイドが見たいんじゃないの。
S『面倒くさいですねえ……』




