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神は好きに生きるそうです。  作者: 空の宙
3章 雪と氷のお城で遊ぶそうです。
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94 ゆきがっせん

あられ作りと同日です。

 


「チキチキ! 氷の部屋の雪合戦たいかーい!」


「は、はいっ」


(ふんすふんす)


「気合いは足りてるかー!?」


「やったんぞー!」


「やったんたんぞー!」


「やってやんぞー!」


 冷たい冷たい氷の部屋の中。

 どこかで見たような掛け声をして、六人はエイエイオーをする。


「それでは! アイシャ、ロッカ、ミゾレ。バーサス! レイ、アラレ、ツララの雪合戦! アヴィーは審判! 勝利条件は相手の陣にある雪だるまに雪玉を当てること! レディー……」


 全員が、雪玉を手に持つ。

 辺りに、冷気が漂った。


「ファイっ!」


 そして、掛け声と共に氷柱やら粉雪やら雪玉が氷の部屋に飛び交う。

 雪玉だけではなかったのか。

 もはやただの狂乱闘である。


 さて、容易に察せられるだろうが、一応の話の流れを簡易的に説明しよう。

 まず、アイシャからツララへの伝言で、雪合戦のお誘いがレイに来た。

 道中の魔物退治も兼ねて、レイはそれにノッた。

 で、ルールとチームをチャチャッと決めて、今ここである。

 実に楽しそうな人達だ。


「ツララ! 壁は任せたよ!」


(コクコク!)


「アラレ! 向こうの壁ぶち抜いたれ! アイシャに勝つつもりでね!」


「いわれずともー!」


「んでもって、私は能力相殺の力で向こうにばっかり冷気持っていかれないようにする! イエス私!」


「かか様に……負けない……!」


 アイシャの熱操作の能力の範囲と、レイの能力影響無効の範囲がぶつかり、術式同士の抵抗による魔力の火花が散った。

 アイシャの効果範囲では、猛烈な吹雪が吹き荒れ、レイは高くなろうとしている温度を抑えつつ、アラレが雪玉や氷柱を作りやすいように雪やら水分やらをかき集めてやる。

 リーダー同士は空間支配権を巡る壮絶な争いだ。

 結局のところ雪合戦なのだが、熱を操るアイシャがいるとどうにも壮絶となってしまう。


 一応細かいルールとしては、雪だるまには雪玉以外の攻撃は無し。

 雪だるまへの、例えば表面を氷で覆うなど、直接防御も無し。

 しかし一メートルほど離れた場所に、氷の壁を作るのはありである。

 雪だるま以外に対しては、魔法も能力も不法地帯という、フェアなのかフェアじゃないのか分かりにくい、不思議なルールとなっている。

 アイシャの能力の効果を無効化出来るレイがいるからこそ成り立つ、めちゃくちゃなルールなのだろう。


 そしてアヴィーラウラは、それらのルールに乗っ取り、勝敗を公正にジャッジする審判だ。

 影の手を伸ばし、双方の雪だるまの影と繋いで、自らの視覚範囲を広げている。

 もし雪だるまに雪玉が当たった場合、壊された側の勝利である。

 それ以外にも、お互いハッスルし過ぎでルール違反していないかを見るのがアヴィーラウラの役目だ。

 例え極寒の暴風に呑まれながらやらなければならないブラックな役回りだとしても、頼まれたからにはやらねばならない。

 やらねばならぬのだ、公正な勝敗のために。


「アラレがほほほのほーい!」


「ロッカもまけなーい!」


「ミゾレもやったるー!」


 ゆきんこ達が投げ合うツララやら雪玉やらが飛び交う。

 勿論、お互いに雪だるまには当てようとせず、相手を昏倒させるためだけに氷柱を打ち出している……


「うぉいい! アラレ! 氷柱が雪だるまに当たりそうになってる! それ反則! 負けになるから!」


「はうあっ! アラレうっかり!」


 ……はずなのだが、どうやら手加減というものを知らないらしい。


「うっかりで負けになりたくないわボケ!」


(ブンブン)


 ツララがイヤイヤと首を振った。

 全くもってその通り。


「むっ!」


 開戦から拮抗が続き、少しだけ吹雪が強くなったころ、突然レイが短剣で一線を薙いだ。

 同時に、ガキンッと冷たい激突音が響く。


「やっぱりね、あっちは幻影だと思ったよ!」


「かか様、騙せないの、分かってる」


 それは、突然吹雪の中から現れ、氷で出来た刀を振りかぶったアイシャであった。

 レイは咄嗟に短剣で突こうとし、アイシャを自分達の陣地から距離を取らせようとする。

 アイシャ陣営からは、今も膨大な冷気と、こちらで雪玉を作らせないための熱気が襲って来ていた。

 それに、アイシャの姿もそちら側にある。

 と思いきや、こちらのアイシャが姿を見せた瞬間、アイシャ陣営のアイシャは、その姿を朧気にさせ、砕けて雪となり舞った。


「雪と幻影と能力を組み合わせたデコイだなんてやるじゃん」


「えへへ」


 そう、今まで陣営にいたのは、アイシャが試合開始と同時に作り始め、自分だと誤認させたアイシャ雪だるまであった。

 作り方としては簡単なもので、まず自分の後ろでこっそり等身大のアイシャ雪だるまをつくり、そこに自らの姿に見せる幻影魔術をかける。

 その後吹雪を強くすることで相手の視界を悪くし、その間に周囲の光を屈折させる隠密の類で自らの姿を隠し、奇襲をかける。

 どれも、レイやルルディーとの旅の途中で学んだことだ。


「でも、単純な物理戦なら、今の私だって負けてないよ!」


「アイだって……!」


 興奮するアイシャの周りの雪がじゅわりと溶けて水と化す。

 レイは雪だるまの周りに張られたツララが形成する壁まで溶かされないよう、能力の無効化でアイシャの熱を食い止める。

 二人は部屋の中で縦横無尽に動き回り、魔術や剣を何度もぶつける。

 その間、二人の口角は楽しさで上がっていた。


(ぱたぱた)


 そんな二人を、分厚い氷の壁を形成し、その上に寝そべって維持するツララは、両手を振りながら両方を応援した。

 氷の壁にガキンゴキンとゆきんこ達の乱闘の流れ弾が当たってもなんのその。

 砕けても氷は直ぐに修復される。

 驚異的な速度だ。


「むー! ツララなまいきー!」


「もー! ツララはらたつー!」


 向こうでロッカとミゾレが憤る。

 雪だるまを狙うために壁を壊したくても、その壁は壊れても壊れても瞬時に元通りになる。

 頭にきてしまうのは仕方ないだろう。


「こうなったらー!」


「おおわざどーん!」


 だからといって、一気に決めようと巨大な氷塊を作るのは短絡的すぎやしないだろうか。

 ロッカとミゾレが作った氷塊は、直径三メートルほどの、この部屋の天井まで届きそうな氷塊だ。

 デカい、とにかくデカい。

 ツララ諸共氷の壁をペチャンコにする算段らしい。

 いやそれ雪だるまも氷塊で潰してルール違反負けになるのでは、と審判ことアヴィーラウラは思う訳だが、審判が注意するのは違反した時。

 する前では何も言えまい。


 ちなみに、両チームのリーダー達は未だに剣と剣をぶつけている。

 お互い、雪玉を当てに行きたいのだが、相手の力を考えると妨害されるのは分かっている。

 だから隙を狙いつつ、お互いを潰そうとしているのだが、両者互角のようだし、おかげで壁などは全てゆきんこ任せだ。

 今も、出来ればレイはツララ達をかばいに行きたかったが、そのために足を向けた瞬間にアイシャに背後を取られるのは分かり切っているため、行くに行けない。

 つまり、ツララとアラレでどうにかしなければならない。


「ふふーん、かかってこいー!」


(わくわく)


 というのに、二人は呑気というか強気だった。

 緊張感とか危機感とかいう感覚はどうやらどこかに落としてしまったらしい。

 今すぐ拾ってこいとでも言いたくなる強気さだ。


「れーっつ!」


「ごー!」


 そうこうしてるうちに、ロッカとミゾレは氷塊を打ち出した。

 巨大な氷塊はゴロンゴロンと恐ろしい音を立てて転がっていく。

 ゆきんこ達は、氷を作るのは一瞬だが、溶かすのは遅い。

 アイシャが氷結と灼熱を一瞬で操るのと比べると、最早稚拙なレベルなくらいには弱い。

 つまり、溶かすことが出来ないのであれば、氷に対しては氷で対抗するしかない。

 だが、真っ向からあの質量に立ち向かうのは、中々難しいと思われる。


「ツララ、いくよっ」


(こくこく!)


 それでも、迫り来る氷塊を前に、二人は手を合わせ、息を合わせる。

 レイはアイシャと剣を合わせつつ、ハラハラしながらも、内心では信じてみようと、アイシャに顔を向けたまま剣を振った。


「アイスゴーレムー!」


(どーん!)


 二人が手を挙げた瞬間、氷の壁から巨大な氷の拳が出現する。

 アラレの言う通り、まるで氷の人形だ。

 その巨大な氷の拳は、氷塊にヒビを入れながら受け止めるだけに留まらず、そのままあちら側へと打ち返した。

 逆ボウリングである。


「ふえー!?」


「ほわー!?」


 驚いたミゾレとロッカは、咄嗟に氷塊を避けてしまう。

 二人が何もせず避けたおかげで、氷の壁が剥き出しになる。

 そして、ひび割れていた氷塊と、氷の壁はぶつかり、同時に砕けた。


「あー!」


「わー!」


 ミゾレとロッカは失態に気付き即座に壁を修復しようとするも、ツララほど早くは出来ず、雪だるまは丸見えの状態となる。


「二人ともナイスプレー!」


 途端、レイは好機と捉え、素早く雪玉を作って構える。

 しかし、それと同時に能力無効化の能力も無意識に途切れさせてしまい、アイシャの独壇場が可能となる。


「かか様……痛恨の、ミス……!」


 レイが雪だるまの方を向いたと同時に、アイシャが一直線に熱の波動を起こし、ツララの作った分厚い壁を容易く溶かす。

 そして自らの冷気を使って、空中で雪玉をつくり構えた。

 ツララとアラレは熱に耐えられずに、咄嗟に雪だるまから距離をとっていた。

 最早、先に当てたもん勝ちであった。


「せーい!」


「やあっ」


「いっけー!」


(ぶんぶん!)


「やれやれー!」


「やったれー!」


 先に投げたレイと、冷気を使って高速で飛ばしたアイシャ。

 二つの雪玉はそれぞれの目標へと向かい、そして────





「────くーやーしーいー!」


 地面を殴りつけるレイの叫びが、氷の部屋に反響する。

 双方の雪だるまには、その顔面にべチャリと雪玉が張り付いていた。

 悔しがるレイの頭の上で、アヴィーラウラが慰めるように肉球をぽふぽふと当てる。


「引き分け……」


「引き分けたー!」


「わけっこしたー!」


「ごぶごぶしたー!」


(すいー)


 アイシャは悔しそうにしょんぼりとし、ゆきんこ達は負けてもハイテンションにプチ氷柱合戦を開始した。

 その中でツララは地面を凍らせてスイスイと歩く、要するにスケートをマイペースに行っていた。


「くっそー、絶対先にあてたと思ったのにー。能力で雪玉飛ばされたらそりゃ勝てないよー」


「かか様、加速の魔術、かけてなかった、の?」


「あ」


 それだ! と言わんばかりにアイシャの発言を指さしたレイ。

 そして両手を握りしめて地面を殴った。


「その手があったー! 忘れてたー! なにシンプルに投げてんねん私のアホー!」


「ふふっ、かか様、うっかりさん」


「わああぁん!」


「かか様、よーしよし」


 レイは悔しさから、何故か地面で女の子座りしているアイシャの胸元に飛び込んだ。

 飛び込んできたレイを受け止め、アイシャは慈愛に満ちた表情でよしよしと撫でる。

 こうしてみると、アイシャのほうがお母さんポジである。

 アヴィーラウラまで和やかな空気に猫の表情をふにゃんと緩めた。


「あ、そうだ。アイシャに聞きたいことがあったんだった」


 ふと、少々ひんやりしつつも温もりのあるアイシャの胸元から顔を上げたレイが、アイシャと顔を合わせる。

 アイシャは可愛らしく小首を傾げた。


「なに?」


「お前さ、ここ最近変なの見たり、触ったりしなかった?」


「変なの?」


「能力の暴走の原因になりそうなもの」


 レイの言葉に、アイシャは目を見開いた。

 アヴィーラウラも、レイの足元で耳を傾ける。


「かか様、アイの能力の暴走、アイが弱かったから、って思ってない?」


「何言ってんの。ずっとお前が努力してる姿を見続けたんだから、そんなふうに思うわけないでしょ。お前があんな暴走のさせ方をするわけが無い」


「っ……!」


「あーもー、いい子なんだから泣きそうにならないの。全く、私の周りはどうにも涙腺緩いやつが多い気がするなあ」


 レイはアイシャの胸元から手を伸ばして、アイシャのおでこをいいこいいこした。

 アイシャは泣きそうになるが、レイに言われて何とか涙を我慢する。


「それで、どう? なにかそういう記憶ある?」


「怪しい、もの…………あ……」


「お、なんか思い出した?」


 レイは抱きついていた腕を離して体を起こし、聞く体制になる。

 アイシャは唇を指でつつきながら、うーんと小さく唸りながら話す。


「怪しいもの……かどうかは分からない、けど、変な魔物、見た」


「変な魔物?」


「黒い、ネズミみたいな。ハムスター、って言うのかな? 神殿周りで見たことない魔物を、一度ツララが、見つけてた」


 アイシャ達は、普段はとある神殿で生活している。

 そこの周囲は雪と氷で溢れ、魔物も氷雪系統のものがが多く、黒いものがあれば目立つはずであった。


「ツララ、本当?」


 レイは後ろを振り返って、ゆきんこ達のプチ雪合戦の隣でスケートしてたツララと目を合わせる。

 ツララはスイーッとこちらにやって来て、首を傾げた。


「ここ最近、黒い魔物って、見た?」


(コクコク)


「どんな感じだった?」


 レイにそう聞かれて、ツララは首を傾げた跡、両手を上げて冷気を操る。

 そして小さな冷気の塊を起こした後、そこには一体の氷像が出来ていた。

 それはアイシャの言う通りハムスターで、恐らくツララの記憶通りに再現されていた。


「おお、確かにハムスター。ツララ上手じゃん」


(えっへん)


 レイはその氷像を指でつつき、大きさを見てみる。

 至って普通の、手乗りサイズのハムスターだ。


「ツララ、大きさもこれくらいだった?」


(コクコク!)


「かか様、この魔物、知ってる?」


「うーん、私も全部の魔物記録してるわけじゃないしなあ。ちょっと待って」


 レイはそう言うと、話してる途中で虚空を見つめた。

 恐らく、Sと会話しているのだろう。

 アイシャとツララには何をしているのか分からないが、とりあえずレイが話すのを待った。


「……うーん、多分それ、魔物じゃないかも」


「え? ただの、動物? にしては、何か禍々しい魔力、してた、けど……」


「でもシステム的には、こんな見た目の奴はいない。何か魔物同士の交配で突然変異したやつかなあ?」


「そういうことも、あるの?」


(ハテナ?)


「極稀にね。異種交配して本当に出来ちゃった例はあるよ。システム的にはバグ扱いで、システム外の存在ってことに自動的になっちゃうんだよね。だから見つけるのが大変なんだけど」


「……特に、アイの能力の暴走とは、関係、ない?」


 レイは額を指でグリグリし、思考する。


「うーん、どうだろ。憶測じゃわかんないなぁ。それって見たのは一度だけ?」


(コクコクコク)


「うん。アイシャが、そこに行った時には、足跡しか……あ、あと、そのハムスターが食べてた、のかもしれない、クルミが」


「クルミ? あそこクルミみたいなのなんて生えてたっけ」


「……あれ?」


 アイシャとツララは目を合わせて首を傾げる。


「そういえば、ない?」


(フルフル)


「え、じゃあなんでクルミが落ちてたの? 流石のハムスターも、クルミは隠せなくない? 普通の大きさだったんだよね?」


「うん。普通の、殻に包まれたクルミで、触ったら何故か、黒いモヤが出て、割れちゃったけど」


「…………いや、それじゃない?」


「え?」


(コクン?)


「怪しいもの、それじゃない?」


 アイシャとツララは、また目を合わせる。

 そしてお互いを指さした。


「……おお、かか様、賢い」


(コクコクコクコク)


「いやいやいやいや。危ないものには触っちゃいけないと思うんだよ。私そう教えなかったかな?」


「教わったかも、しれない?」


「めっ! 怪しいものを触るのめっ!」


「ごめんなさい……」


 アイシャはレイに優しく叱られて、可愛くしょんぼりする。

 レイは深くため息を吐いた。


「んで、その怪しいモヤに触れて、何か感じた?」


「分かん、ない……。特に、魔術のようなものは、感じなかった、ような……?」


「でも明らかそれっぽいよなあ……。余程小さな魔術だったのか? いやでも、アイシャの能力を暴走させるほどって、絶対簡単な魔術じゃないよねえ……。それを細かく隠せるレベル……? やっぱりあいつなのか……?」


 レイは一人でぶつくさと考察し始める。

 考え始めると集中するが、その時に外に漏れているのは気が付かないタチらしい。

 アイシャは何か知ってるらしいレイに首をかしげた。


「かか様、何か、心当たり……?」


「……憶測で犯人決めつけるのは良くないからね。ハッキリとは言えないけど。あー、うー、直接行くのが早いかなあ。でもどこにいるかわかんないし。向こうから来るのを待つ、って感じかな」


「……アイは、かか様傷付けたこと、気にしてる。でも、かか様が、後のことはまかせろって、言うなら、かか様にまかせる。アイ、難しいこと、よく分かんないから、とりあえず、かか様、信じる。手伝える事あるなら、手伝う」


 アイシャは淡々と言っているが、今回の件を誰よりも気にしている。

 大事な人を傷付けたのだ。

 気にしないわけがないだろう。


 だが、目の前の人が気にせず、むしろ慰めようと、それどころか人為的な原因を探そうとしてくれているのだ。

 うじうじし過ぎているのも、むしろ失礼な気がしてくる。

 だから、自分は自分に出来ることをしたいと、アイシャは本気でそう思った。


「あいよ、任された」


 そしてレイは、そんなアイシャに対して、頼り甲斐のある眩しい笑顔を寄越してやる。

 それを見て、ああ、やっぱりこの人はお日様みたいだな、なんてアイシャは思うのだ。


「よし! とりあえず二回戦目するか!」


 気を取り直して、レイはまた雪玉を握りしめて立ち上がった。

 それを聞いて、ゆきんこ達も盛り上がる。


「やるやる!」


「やったる!」


「したるたる!」


(おー)


「うん、次は、勝つ」


「こっちのセリフだよ!」


 そうして、氷の部屋で楽しい乱闘が再開され、アヴィーラウラはまた審判として見守った。


 とりあえず、その日の夕方までやりあって、全員ヘトヘトになって笑いあったとさ。

 めでたしめでたし。



二回戦目。

レイ「よっしゃー! 勝ったどー!」

ツララ(ぶい!)

アイシャ「むむ、もう一回……!」


三回戦目。

レイ「なにー! 雪だるまが動いたー! 確かにルールでは禁止してないけど! せこー!」

ミゾレ&ロッカ「へへへーん!」

アイシャ「雪玉……アタック」

レイ「あうっそ負けた!? 畜生! もう一回!」


とまあ、勝ち負けを繰り返し、完全に体力が尽きるまでやったそうな。

アホかもしれない。

でも楽しそうである。

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