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カーんスト99なら強いよね?  作者: チョロォーク
第一章 俺は強いよね?
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授業の時間……

これは、ケイゴがノエちゃんに出会う間の出来事。




「……これでよし……時間は……そろそろ始まる時間だ……準備しなきゃ」


受付嬢ちゃんは、机の端に置いていた教科書を手に取り、ルン先輩の方に行く。


「……ルン先輩……私、これから授業の時間なので、あとはよろしくお願いします」


「……ん? あ、あぁ……昨日から始めた……薬ソウネの選別を教える教室だっけ? ……へぇ〜♪ 何よ♪ そんなにニヤニヤして〜♪」


ルン先輩は、受付嬢ちゃんをからかうように言う。


「……えっ?! 私……ニヤニヤしてました?」


「……してたわよ〜♪ そんなに授業楽しみなの? 教えるのってめんどくさいじゃない……」


「……そうかもしれませんけど……私が教える事で少しでも……役に立てたら……


……嬉しい……かな? って……」


受付嬢ちゃんは、教科書を見ながら言う。


「……もんもん言ってる子が……ここまで立派に育って……私は嬉しいわ♪」


「……ルン先輩!」


受付嬢ちゃんは、怒った顔でルン先輩を見る。


「……そんな顔しないでよ……あんたからかうの楽しいんだもん♪」


ルン先輩は、めっちゃ笑顔で言う。


「……ひどいですよ! ノエちゃんも私をからかうし……私そんなにもんなんて言ってないもん……あっ……」


受付嬢ちゃんは、顔を赤らめる。


「……今のは、私悪くないわよ♪ ほら! 授業の時間なんでしょ? あとは任せてしてきなさい」


「……はぃ……」


受付嬢ちゃんは、解体室にとぼとぼと向かった。





「……あの子が授業を始めた理由って……何だろうか……男嫌いなら……授業するたびに会うことになるはずなのに……少しずつ……変わってきてるのかしら?」


ルン先輩は、優秀な後輩がさらに成長しようとしている姿を見て、笑みを浮かべた。






「……あっ……あの子……もう来てたんだ……」


受付嬢ちゃんが解体室に入ると、解体室に丸めて立てかけてあったシートを敷くマフラーの少女だった。


「……こんばんは、ごめんね? シート引いてくれてありがとう」


「……あ、いえ……敷いといた方がいいかなって……思ったので……こんばんは……」


マフラーちゃんは、受付嬢ちゃんを見て言う。


「……今のところ……あなただけね……これから他に来ると思うから……先始めとこうか?」


「…………えっと……あの……太った男の人も来るんですか?」


マフラーちゃんは、声のトーンを落として言う。


「……えっ? うん……ケイゴさんも来ると思うから……そうだ……ケイゴさんと知り合いなのかな?」


「……あの人……ケイゴさんって言うんですね……いえ……知り合いじゃありません……」


マフラーちゃんは、受付嬢ちゃんと目を合わせないように言う。


「……そう……なんだ……」


受付嬢ちゃんは、少し、何故かホッとしたように言う。


「……じゃあ……続きから始めるから……座ってね♪」


「……はい」


それから、受付嬢ちゃんとマフラーちゃんは授業の時間に入った。


受付嬢ちゃんは、授業中に解体室の扉をチラチラと見ていた。





「……ふむ……やっているね……」


「……あ、お疲れ様です、ギルマス」


「……こ、こんばんは……」


受付嬢ちゃんは、チラッと見たときにギルマスが来ているのを知っていた。


マフラーちゃんは、ギルマスと聞き、緊張した面持ちで挨拶する。


「……あまり緊張しなくていいぞ? 私は優しい方だからな……」


ギルマスは、ニヤァと超怖い笑顔をマフラーちゃんに向けて言う。


「…………っ!」


マフラーちゃんは、ぷるぷると震える。


「……ギルマス……あまり怖がらせないでください……笑顔怖いんですから……」


受付嬢ちゃんは、マフラーちゃんの頭を優しく撫でながらギルマスに言う。


「………そ、そうか……すまなかった……」


ギルマスは、マフラーちゃんに拗ねるように言うと頭を下げた。


「……ギルマスは、とても優しい方だから……怖がらないであげてくれる?」


受付嬢ちゃんは、マフラーちゃんに優しく撫でながら言う。


「……う、うん……」


マフラーちゃんは、そう言うと……ギルマスの近くによって。


「……一緒に授業……受けましょう……」


ギルマスの手を引いた。


「……そ、そうだな……一緒に……な……」


ギルマスは、マフラーちゃんに手を引かれシートに座る。


「……ふふ♪ じゃあ……授業を再開しますね……」


「……はい、お願いします」


「……一緒に……ふ〜む……」


受付嬢ちゃん達は、仲良く授業を始めたのだった。


「……薬ソウネは、ギルドでも見分けられる人が少ないです……なので、選別に時間がかかり鮮度が落ちてしまう。この授業をきっかけに少しでも多くの人が薬ソウネ選別を出来るようになっていただきたいと思います」


受付嬢ちゃんは、真剣な表情で言う。


「……まだ、この授業を受ける人が少ないですが……沢山の人がここで授業を受け。また、危険な植物の知恵を得てもらい、知っていれば良かったと後悔してもらわないように私が……お教えしますのでどうかこれからもよろしくお願いします!」


受付嬢ちゃんは、綺麗なお辞儀をした。


「……はい! よろしくお願いします!」


「……素晴らしい……私も頼む」


パチパチパチパチパチパチ


マフラーちゃんとギルマスは、拍手した。


「……ありがとうございます」


受付嬢ちゃんは、とてもいい笑顔で笑った。


「……では……今日はこれで終わります。


明日は、毒ソウネの利用方法を教えたいと思います」


「……毒ソウネ……」


「……私は、知っているところだな……」


「……お疲れ様でした」


受付嬢ちゃんが、空中に書いた字を消して行く。


「……ありがとうございました」


マフラーちゃんが、立つ。


「……今日も良かったぞ」


ギルマスも立つと、解体室を出て行った。


「……雨降ってきてる……傘ってあるの?」


受付嬢ちゃんが、マフラーちゃんに聞く。


「……いや……ないです……」


マフラーちゃんは、下を向いて言う。


「……なら、私の貸してあげるから……ちょっと待ってて?」


「……え、でも……」


マフラーちゃんは、申し訳なさそうに言う。


「……大丈夫よ、私の家……すぐ近くだから」


受付嬢ちゃんは、マフラーちゃんに優しく言うと自分の傘を取りに向かった。


「……ありがとうございます……」


マフラーちゃんがお礼を言う頃にはもう受付嬢ちゃんは、解体室を出ていた。


「……お姉さんいたら……あんな感じなのかなぁ……」


マフラーちゃんは、寂しそうにそう呟いた。







「…………」


マフラーちゃんに傘を渡して、帰らせた後、受付嬢ちゃんは、解体室に戻っていた。


「……ケイゴさん……どうして……」


受付嬢ちゃんは、雨の降る外を窓から眺める。


「……約束したのに……何かあったのかなぁ……」




……また……来てくれますか?



……はい……まだ全然、薬ソウネ選別出来ないですし……



……私に任せてください……必ず、見分けられるようにしてあげます♪




「……ケイゴさんの……ウソつき……


……明日来たら……問い詰めなきゃ……」


受付嬢ちゃんは、雨を眺めながらそう呟いた。







「……雨すごいなぁ……傘なかったら風邪引いちゃってたかも……」


マフラーを外した少女……スリちゃんは、受付嬢ちゃんから借りた傘をさして、激しい雨の中を歩いていた。


「…………」


(流石にこの雨の中……デブさんは来てないよね……)


スリちゃんは、いつもの獲物が通る道に来ていた。


「……今日は早めに帰ろうかな……おじさんのご飯準備しなきゃいけないし……」


スリちゃんは、いつもとは違う道を通ることにした。


「……ん? 誰かいる……」


スリちゃんが見た先には、ボロボロのシャツを着たおっさんが体育座りで座っていた。


「…………」


(……怖いから……近づかないようにしよう……)


「……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ふふむ……ひぃ! 女!」


ボロボロのシャツを着たおっさんは、何か呟いていたが、スリちゃんを見て、悲鳴をあげると走り去ってしまった。


「…………」


(……こっちも怖かったのに……何かあったのかな……)


スリちゃんは、走り去った男を見ながら歩いていると。


「……あれ? あの路地の方……光ってる……誰かいるのかな」


スリちゃんは、興味本位でその路地に近づいて行く。






「……う! あ! いだい、いだいよ!」



(…………えっ……)



「……げへへ♪ もっとやってやれ!」



「……えへへ♪ 兄貴のパンチはいてーぞぉ〜」



「……はぁ……はぁ……どうだよ……雑魚が……」



「…………うぅ……」



(……後ろ姿で顔が見えないけど……串焼きを食べさせようとして来た人だ……)


スリちゃんは、路地を隠れながら覗く。



「……デブ……コイツのバックの中に金目のものあるか?」



「……う〜ん……32純銅タプと……


……袋の中に117銅タプが入って居るよ……」



「……少ねぇな〜本当クソだなお前は……」



(……………た、助けなきゃ……でも……怖い……)



「……そのタプはやめてください! お願いします!」



「……はぁ? 無理に決まってんだわ」



「……そのタプは……恩を返すためのものだからお願いします!」



「……恩? ククク……こんな少ねぇ〜タプで何が返せるって言うんだ? ククク」



「……お願いします! それだけはやめてくれ!」



「……デブのくせにあんまし力ねーな……弱すぎだろ……」



「……ククク……これは大切に遊びで使ってやるよ♪ ……ククク♪」



「……返せー!! 恩を返すって約束したんだぁ〜! 離せ〜!!」



(……ひどい……でも……)



スリちゃんは、助けに行こうとしたが、体が震えて動けなかった。


「……やめてくれーー!!」



「……あ、兄貴……こ、これが……」



「………んぁ? なんだそれ……バンド?」



「……兄貴……そいつに手を出すのはやめといた方がいい……ギルマスに目をつけられる……」



(……ギルマスって……授業にいた女性の人?)



「……どう言うことだ……戦闘の花嫁がか?」



「…………これ……貴族どもがつけてるやつじゃねーか! コイツ貴族か!」



「……流石に違うだろ……貴族ならもっといい服着て居るはずだ」



「……貴族じゃないのに持っている場合……ギルマスが目を付けた相手にあるクエストを出す……これはその時に依頼者が渡すバンドという事だよ……兄貴……」



「……依頼者が貴族って事か?」



「……俺の知人は……ギルマスに目を付けられて、そのクエストを受けたって言っていた……」



「……だからって……なぜギルマスが目を付けるんだ?」



「……戦闘の花嫁は……獲物のと決めた相手はとことん調べ上げるんだ……知人は、そして……


……お、俺は……嫌だ! あんなことになりたくねー」



(ギルマスさんは、優しかったから……本当に怒らせちゃったんだろうなぁ……その人)



「……俺も聞いたぜ……戦闘の花嫁に目を付けられるとヤバイって……ギルドで暴力行為した奴や、受付嬢に手を上げようとした奴はギルマスに捕まって解体室に連れてかれるんだ……そうだ……この前、受付嬢に手を上げようとした奴が出てたけど……あれはもう……別人っていうか……ずっと同じことを呟いていたぞ……」



(……さっきの人も何かブツブツ言ってた……)



「……チッ! MTL級は流石に別次元だ……


……タプだけ取って帰るぞ……」



「……コイツはどうするよ……」



「……捨てとけ……行くぞ! デブ!」



「……待ってくれよ! 兄貴! 」



「……待てぇ! タプを置いてけよ!」



「……行くぞ……めんどくせぇ〜」



「…………………………ああああ〜〜!!」



「…………ああああーーーー!!」



(………かわいそう………)



「……ごめんなざい……おで……やぐそぐしたのに……たすげられてばっがだったのに……何も…….がえせないなんで〜〜」



「……俺は……最低な野郎ーだぁーー!!」



「……俺は……ただ……恩返ししたかっただけなのに……それすらもさせてくれないのか……」



「……怖っかった……死ぬのは……怖い……だって……


……あなたに会えなくなる……」



(怖い人だって……思ってたけど……この人も大変なのに私に……串焼きをくれようとしてくれたんだ……


……この人は……大丈夫な人なんだ……だから……)



「……大丈夫ですか?


……串焼きさん」



(……怖くて……助けに行けなかった……謝んなきゃ!)

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