7話 町ました…
「魔石? ……ですか?」
5つの魔石を見せながら、眉をひそめるケイゴ。
「ここら辺では見ない魔石ね…とても綺麗だわ」
手にのる魔石を見つめそう呟く門番ちゃん。
「ああ、ここまで綺麗なのはなかなか、ないんじゃないか?」
「そ、そうなんですか……」
へ〜、確かに綺麗だけど……最初ってまず何円かお金って持たされていると思ったんだけど……
「あのーすみません、魔石ってなんですか?」
一応聞いとく。
「「えっ?」」
二人の門番は同じようにこちらを驚いた表情で見てくる……こ、この反応って……
「魔石知らないって…田舎でもあり得ないんじゃないか?」
「今までどう生きてきたのよ!?」
「え、う……あの……」
流石に怪し過ぎか……でも今聞いとかねーとわかんないしな
「この魔石、あれですか? モンスターの核みたいなものですか?」
俺が読んでいたファンタジー小説のよくある設定を言ってみたわ
「当たり前だろそんな事!」
「そうよ、それ」
おお〜当たってた。 うぇーい
「今、これしかないんですが……足りますかね?」
今からしかないし、足りなかったら俺牢屋行きだぞ……
「う〜ん、なんとも言えないわね…鑑定してみないと」
門番ちゃんは、魔石をジッと見ながら顎に手を添えながら悩ましそうだった。
「あの……これ全部あげるので町入っていいですか?」
お願い! なんとかこれでお頼み申します!
俺は魔石を微妙に動かして、光の屈折を利用しキラキラと反射させ、門番ちゃんの顔が色々な色に照らされていた……少しでも高価に見せる作戦!
「タプないのよね? そう、ならこれでいいわ」
ふ〜〜なんとかなったぜー! 下手したらあのまま捕まってたかもしれん
「えー鑑定俺らがすんの? こいつにやらせりゃーいいじゃん」
「この人にやらせるより私達がした方がいいわ」
「まぁそのままバックられる心配しなくていいしな……」
「そんな事しないわよ、ね?」
「あっハイ……しません」
「ほらね? こう言ってるし、でも私達がした方が早いでしょ?」
「口ではどうとでも言えるし〜」
「まちに待ったでしょ? ス〜ようこそ! 私達の町、ライトセルへ!」
門番ちゃんが綺麗な笑顔でそう言った
「………」
「…何か言ってちょうだい…これ恥ずかしいんだから」
「……あ、お邪魔しまーす?」
「毎回しなきゃいけないの、ごめんなさいね?」
「いえ……お疲れ様です……」
俺はそのまま門番たちの横を通り過ぎていく……なんか門番ちゃんかわいそう……
「お前のお陰で町に入れたよ♪」
全身を覆うローブを着た人が、ニタァと笑っていた。