貴族の屋敷にて……
「…………」
……いや〜噴水が庭の中心にあるとはなぁ……
俺は今、屋敷の掃除に来た所で、水の出てない噴水を眺めていた。
「……貴族の屋敷によくあるやつだよなぁ……すげぇ〜」
庭の中心に、ドォーンと構えてる噴水はちょうど俺の向きに女性の像が壺みたいなものを構えて立っていた。
「……あそこから水が出るのか……脚が美しいラインで彫られている……素晴らしい……」
……何俺は像に欲情してんだよ……最近、相棒と戯れてないからかぁ……
ケイゴは、左手を見る……すると突然
ドバァーンッ!!
「ぐぁーーーなんだーーー」
ケイゴは、いきなり女性の像の壺から勢いよく出た水にゴロゴロと流される。
「……おいおい……何なんだよぉ〜水止められてるんじゃないのかよ……」
……ビショビショじゃん……脚ガン見してたの怒ったの?
俺は、水をまだちょろちょろと出す女性の像を見る。
「……はぁ……まじびっくりしたわ……女性から水を勢いよくかけられるとは……やばい……」
ケイゴは、その場で立った……立った
「…………」
……ふ〜……水でローブも綺麗になったし……そろそろ掃除、始めますか!
ケイゴは、濡れたローブを脱ぎ肩に担ぐと屋敷の扉に向かう。
「……あはは♪ すっごく転がってた〜……
……次の冒険者は、あいつか……すぐ追い返してやるわ……」
屋敷の窓からケイゴを見て誰かが言った。
「………よし!」
ギィィィィ
ケイゴは、扉を開けた。
……おう……玄関前も綺麗だなぁ……てか……
……暗! 薄暗! マジ怖!
扉を開けた先は、広い空間で二階に上がる階段が中心にある。よくある映画に出てくる屋敷のような感じだ。昼頃なはずなのに、その空間は薄暗く、入りづらい雰囲気だった。
「……電気……無いよなぁ……あかりの代わりになるやつってあるか?」
ケイゴは、ビクビクしながらスイッチッぽいものを探す
「………お! あった……」
屋敷に少し入った所に、丸い水晶みたいなものが壁に取り付けられていた。
「……シャワーの時のやつだろこれ……あっ……思い出しちゃった……」
ケイゴは、受付嬢ちゃんにシャワーを奢ってもらった時を思い出す。
「…………」
……ヤベェ……せっかく少し落ち着いて来たのに……
「……そろそろ限界そうだな……宿とまりてぇ〜……まずは稼がんとな……」
ケイゴは、水晶に触れる。
「……これで……あれ?」
ケイゴは、何度か水晶を触るが光がつく様子は無さそうだった。
「……壊れてんのかよ……この暗さじゃあ……怖くて掃除出来んのやけど……あとゴミが見えづらいし……」
……どうする……光に代わるもの……
「……あっ! あるじゃん! 光の魔法! みんな使ってたやつ!」
パラ魔ちゃんも! そして女神な聖女……間違えた♪ 門番ちゃんも使ってたやつ!
「……確か魔法の名前は……[ ヒカルン ] だっけ?」
すると……ケイゴの目の前に白いフワフワが出てきた。
「……うお! で、出ちゃった……もっとカッコよく出したかったのに……でも……魔法だよ……そうそう! こう言うのだよ♪ 魔法ってやつわ!」
ケイゴは、めっちゃ口角が上がり白いフワフワの光がうまい具合に影を作ることで、気色怖い顔になっていた。
「……でも……光弱くね?」
ケイゴの出した白いフワフワは、パラ魔ちゃんや門番ちゃんの出していたものと比べると全然暗かった。
「……これじゃあ……逆に怖くなるんだが……光を強くしたりできるかなぁ? 魔力を多めに入れるように……ふん!」
ケイゴは、魔力の感覚もわからないまま適当に力を入れるように意識を持って白いフワフワに手をかざすと……
ピカーン! と光が増した。
「あぁーー!!目がー……目がー!!」
ケイゴはその場で倒れ目を手で抑える。
……目が死ぬ〜……どうしてこうなるんだよ……だって俺だぜ?
ケイゴは、しばらく目を抑えて動けなかった。
「……まだ何もしてないのに……また、ゴロゴロしてる……」
ケイゴを見ている誰かがそう呟いた。




