第陸歩 いつもの……朝……
「…………」
ここは……どこだ……
「……布団に寝てる……なぜ?」
……てか、見覚えあると思ったら……家か……
「……俺異世界いたよな……」
ケイゴは、布団から起きると、階段を降りる……俺は二階で寝てるからな……
「……おぉ……」
「……ケイゴ、おはよう」
……お父さん……
「……ん? あ、起きてきた……おはよう」
……お母さん……
「……おはよう」
……お姉ちゃん……
「…………」
……弟……
「…………」
「……どうしたんだ? ご飯食べな……」
「……あ、うん」
「……今日は弁当作ってないけどいいよな」
「……まぁ、無理に作らなくていいよ……お母さんも今さっきまで寝てたみたいだし……」
お父さんは、俺にそう言うと、電動髭剃りで剃り始める。
俺は、ご飯が置いてある所に座る……鮭フレークの卵ご飯で食べるか……
「ケイゴ……寒くないの?」
「……え? ああ〜……大丈夫だよ……肌寒いくらいがちょうどいいから……」
お母さんが、心配までもいかない普通の顔で、俺に言う……俺は、パンツとシャツだ……
「…………もぐもぐ」
……卵ご飯美味いな……久しぶりのような気がする……
「…………」
弟は、最近手にしたケータイでサッカーのゲームでもしているのか……
「……もぐもぐ」
お姉ちゃんは、支度を洗面所でしていた。
「……もぐもぐ」
お母さんは、ニュースを見ている。
「……もぐもぐ」
お父さんは、トイレに入っていった。
「…………」
……そろそろ時間だ……バスに乗り遅れるからな……着替えるか……
ケイゴは、ジーパンを着て、服を着る……ジーパンと服が俺のコーデだな……めんどくさいから……
「……ケイゴ行くの? 大丈夫? 忘れ物ない?」
「……あぁ、お母さんありがとう」
「……お前の日記……クズだな♪ ……アップァ♪」
「……いきなりなんだよ……飽きたって言って読まなくなったんじゃないのかよ」
弟が、急にこちらを向いて、バカにした顔をしながら言う。
「……パターンが同じだし……読みづらいから……小説じゃなくて日記読んでるみたいだからな?」
「……はいはい……流石ですね先生」
……弟は、なかなかの大作を書いていて……俺もファンの1人だ……小説書くようになったのも誘ってきた弟に言われたからだ……
「……最初よりは、読みやすくなったな……俺のおかげで♪」
「……それは認める……てか……早く投稿しろよ……読みたいんだけど……先生♪」
「……あ、今、読専だから……アップァ♪」
「……そうかよ……じゃあ行ってきます」
「……いってらー」
弟が、ケータイの画面を見ながら言う。
「……行ってらっしゃい……ケイゴ」
お母さんが、笑顔で言う。
「……行ってらっしゃい……ケイゴ……なんで二枚着てるの?」
「……毛!」
「……そっか♪ ごめん……見間違えたわ」
お姉ちゃんが、俺の腕の毛を見て言う……いつもやるやりとりだ……
「……行ってらっしゃい……髪は……今日はそのままでも良さそうだな」
お父さんが言う。
「……じゃあ……行ってくる」
俺は、荷物を持ち、玄関のドアを開けた。
「…………」
……夢か……現実が……こっちなんだよな……
「……皆んな……いつも顔を見ていた……家族……」
……もう会えないんだろ……
「……暖かくなってきたなぁ……」
寒い時期から暖かい時期に映る最中なのか、昨日はあまり寒くなく寝れた……
「……行ってきます……頑張るから」
俺は、家族全員の顔を思い出す……皆んなも、元気でね……
ケイゴは、荷物を持ち、大きく一歩を踏み出した。
「……ギルドに行く道を俺は……覚えた!」
ケイゴは、ドヤ顔で歩く。
「……この道を、そうそう……そして……」
……この匂い……
「……よう!」
「……おはようございます」
串焼きのおっさんだ……
「……どうだ? 冒険者にはなれたか?」
串焼きのおっさんは、串焼きを焼きながら聞く。
「……まだです……」
「……そうかい……頑張れや……」
「……五本、お願いします」
「……あいよ」
「……ん? これはなんですか?」
俺が見つけたそこには、串焼きがバラの状態で容器の中に入っていた。
「……ん? お! 気づいたか……味見みたいなもんだな……」
「……味見ですか……」
……食べていいの? ……タダで?
「………お前はダメだぞ? もう美味しいのはわかってんだろ?」
串焼きのおっさんは、ニヤッと笑う。
「……そうですね……食べさせてあげたいです……」
「……誰にだ?……ほら……五本出来たぜ」
「……ありがとうございます……10銅タプです……家族にです……」
「……そうか……近くに住んでないのか?」
「……はい、会うには……遠すぎますね……」
ケイゴは、串焼きを見ながら言う。
「……たまに帰ってやんな……それだけで親は嬉しいもんだ……」
串焼きのおっさんは、優しく言う。
「……はい……では……行きます……」
「おう……頑張れや!」
「……はい!」
ケイゴは、軽くお辞儀してから屋台を離れた。




