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カーんスト99なら強いよね?  作者: チョロォーク
第一章 俺は強いよね?
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川は流れてく……

「…………」


……なぜこの人は……俺の辛い時に、いつもきてくれるのだろうか……


ケイゴは、前座になる。


「……ケイゴ?」


「……あっ、はい……何でしょうか?」


門番ちゃんは、少しこちらに向けた体育座りでこちらをみてくる。


「……こんなところで寝てると、荷物取られちゃうわよ?」


「……そ、そうですね……気をつけます……」


「……私がいたから良いんだけど……わかれば良いわ」


門番ちゃんは、こちらをじっとみている。


……そ、そんなにみられると……コミュ障には辛いな……


「……どうして……目が赤いの?」


「……えっ? あっ、いや……欠伸してたからかなぁ……」


ケイゴの目は、充血していた……右手のローブの袖が湿っていた。


「……ねぇ? 何かあったの?」


門番ちゃんが、真剣な表情になり……聞いてくる。


「……何にも無いです……眠くて欠伸が凄かったんですよ……」


ケイゴは、真剣な表情で言う。


「……そう……なら、そう言うことにしといてあげる」


門番ちゃんは、それ以上聞いてくることはなかった。


「……ケイゴは、どうしてここに来てたの?」


「……えっと……」


……これは……聞いたほうがいいな……門番ちゃんなら知ってるだろ……


「……杖が欲しくて……」


「……杖?……ケイゴは、まだそんな歳じゃないわよね?」


「……あっ、そっちの杖じゃないです……魔導士とかが使う……」


「そ、そうよね……ごめんなさい」


門番ちゃんは、頬を赤らめて恥じらう……かわいい……


「……杖を欲しいってことは、鍛冶屋を探していたってこと?」


「……そ、そうです」


……武器屋じゃなくて鍛冶屋か……そこから違うとは……


……だって俺だぜ?


「……杖って事は……魔導士系の職業にしたの?


……でも……ケイゴの職業って……」


門番ちゃんが、モジモジし始めた……かあいい


「……職業は、そのままなんですが……魔導士になった時ように持っときたいかなぁって……」


「……なら……もうなればいいんじゃない?」


門番ちゃんは、不思議そうにこちらを見る。


「……職業が……変えられないんです……」


「……えっ?!」


門番ちゃんは、凄くびっくりした顔をする。


「……そんな……あり得ないはずよ?……本当なの?」


「……はい……」


……これ以上は、教えちゃいかんだろうな……もうすでにびっくりしてるし……


「……じゃあ……職業変えられないのに、何で、杖が欲しいの?」


「…………」


……だよな……そうなるよな……分かってたよ?……だからってどう答えるか、考えてなかったんだけど……


「……何か言えない理由でもあるの?」


門番ちゃんは、真剣な表情で俺に聞いてくる。


「……え、えっと……ごめんなさい……」


言い訳はこの人には……通じないからなぁ……


「……そう……」


門番ちゃんは、川を見た。


俺も、川を見た。




川は、さっきと変わらず流れ続ける。




「……ケイゴ?」


「……はい?」


門番ちゃんは、川を見続け。


俺は、門番ちゃんの横顔を見る。


「……私は……元冒険者だったの……」


「……えっ? 冒険者だったんですか?」


「……ええ……B級冒険者……なかなかでしょ?」


門番ちゃんが、こちらを見て微笑み言った。


「……B級ってどのぐらい強いんですか?」


……ランクの基準聞いてないからわかんないんだよなぁ……すごいんだろうけどさ……


「……冒険者じゃないと教えてもらえないんだっけ?……なら……冒険者ランクについてから話すわ」


「……すいません」


「……知らないならしょうがないじゃない……冒険者はね……Dが一番下で、C級、B級、A級そして、一番上は……


……MTL級よ……」


「……エムテール級ですか……」


「……ギルドマスターとかは、MTL級なはずよ」


「……凄いですね! B級って真ん中ぐらいじゃないですか……」


「……そ、そうかしら?……全然よ? ケイゴもなれるわよ……きっと……たぶん……」


門番ちゃんは、少し嬉しそうに答えたが、だんだんと声が小さくなっていった。


……すいません……まだ冒険者すらないから……気を遣わせてしまった……


「……ですね……俺は……MTL級になれますかね?」


「……えっ!? えぇ! 頑張ってればいずれなれると思うわ!」


門番ちゃんは、最初あわあわした感じで、でも最後の言葉は真剣な眼差しで言ってくれた。


「……ありがとう……ございます……」


……ここまで言ってもらったんだ……流石にMTL級は、無理なのは分かってるけど……


……冒険者にはなっておかないとな……励まれ損だろ?


「……恩返ししたい人がいるって……言ってたわよね?」


「………はい……」


……どうして……その話を……


「……私もいるの……二人……恩を返したい人が……何をどうしても返しきれない恩なんだけどね?」


門番ちゃんは、川の方に顔を向け、目をつぶった。


「…………」


「……私の両親は6年前に死んじゃったの……辛かったわ……でも……レン君がずっとそばにいてくれて……私を支えてくれた……」


門番ちゃんは、こっちを見る。


「…………」


「……私は……一時期……レン君以外……


……信じられなくなった時があるの……」


「………えっ?」


「……ごめんなさい……内容は教えたくないの……


……ケイゴも…….秘密にしたでしょ?」


門番ちゃんは、おどけたように微笑む。


「…………」


……それが……さっきのか……


「……門番になった理由ってそれがあったからなの……たくさんの人に出会えるでしょ?


……克服するためになったの……」


「…………」


……そんなことが……なぜ俺にこんな話を……言ってくれるんだ?


「……門番になった最初は、ビクビクしてて……全然ダメだった……でも……レン君も一緒になってくれたから……ゆっくり……本当にゆっくりなんだけど……信じられるようになってたの……」


門番ちゃんは、その場に立つ。


「……門番である私は、ライトセルに住む皆んなを守って……冒険者になるケイゴは……


……私を含めてライトセルを守ってほしいわ」


「……え?」


「……でも……あの時の約束破ったら許さないから……必ず帰ってくるって……」


門番ちゃんは、俺を見下ろしながら微笑む。


「……あなたを……信じさせて? ね?」


「…………」


俺はその場を立つ。


「……ケイゴ?」


門番ちゃんは、微笑みから、心配した顔になる。


「……自分は……弱いですよ?」


「……これから強くなれるわ」


「……変な……職業ですよ?」


「……そ、そうね……私は、秘密にしてあげるわ……」


「……自分は……冒険者じゃないですよ?」


「……大丈夫よ」


「…………」


「…………」




川は、光を反射しキラキラと輝く。




「……必ず……あなたに信じさせてみせます」


「……本当に?」


俺は、最高の笑顔を作る。


「……毛が抜ける思いで守ります!」


「…………ふふ♪ 毛が抜けるってよくわかんないわよ……でも……


……ありがと……ケイゴ……」


門番ちゃんは、とても美しい笑顔を見せた……


……俺は……負け続ける人生だ……だがそれでも……生き続けるんだ!


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