杖……
「………誰に聞くかだが……」
時間はそろそろ昼ごろになる……たくさん人がいる……嫌だなぁ
「……仕事つくようになって、慣れ始めたけど……人混みが……」
俺は18で就職した……運が良く始めの面接の時に、仕事に就くことができた……でも……ミスばかり……怒られてばかりで……自分がその会社に就かなければいいかなぁ? なんて常に、考えている感じだ……20歳になってもだぜ?
「……すぐ育たないのはわかるけど……それを理由にしてる俺は……ダメなんだよなぁ……」
……満員電車やだわ〜……
「……そんな事は今関係ないんだけどさ……聞けば教えてくれるよね……」
ケイゴは、近くを通った男の人に声をかけた。
「……あの〜すいません……」
「……はい? すいません……今急いでるんで」
男の人は、早歩きで、止まらずにそう言い去って行った。
「………あっ、すいません」
……やべ……まじごめんなさい!
「……今ので声かける自信消えたよ……」
ケイゴは、悪いことをしてしまった気持ちになり心臓がバクバクしていた。
「……怒られたような気がして……」
怒られるの……怖い……
「……もう適当に探すよ……話しかけられる方だって迷惑だよな……」
ケイゴは、両サイドの店や家を見て武器屋ッポイのを探しながら歩く。
「……はぁ……」
ケイゴは、さっきの出来事を思い出す。
「……皆さん……がんばってるのにな……俺は……」
ネガティブな気持ちが溢れる。
「……仕事も覚えられず……言われたことも出来ず……何も無いから……」
俺は何も無い……俺が小さい時は、友達もいたし、いろいろハッチャケていたのだが……どんどん気持ちがネガティブになっていった……理由は、わからないけど……
「……異世界に来ても……何も変わらないんだな……」
……俺は、何の為に異世界に来たんだ?……魔王か……無理だな……
「……成り上がれると浮かれてたのに……魔法使えるくらいじゃ……勝てんやろ」
……魔王は、受け継がれてくんだから……たしか……それが本当なら……うん、無理!
「……チートって俺が持つものじゃ無いの?」
……魔王がチートって……鬼畜だよな……
「……てか……勇者って今何してるんだろ……」
……俺が勇者になりたかったよ……
「……もうハーレム作ったのかな……やばい……気が……落ちすぎて辛い……」
想像したら……きつ!
「……俺は一生無理だな……ハーレムの前に女性が俺を好きになってくれん……」
……デブスだもん……それに頭も幼稚だし……
「……ん? ここって……」
俺は、妄想で倒れそうになっていたが……ある店を見つけた。
「……異世界に来て初日の……ローブ男さん」
俺は、異世界に来て途方に暮れていた時に、ローブでフードを被ってるので顔が見えない男の人に声をかけられ、ご飯をご馳走してもらっていた。
「……今昼だし……腹減ってるからこんなネガティブなんだろうしな……よるか」
ケイゴは、その店に入って行った。
「いらっしゃいやせ〜」
店員さんは、……男だった……女性じゃなかったっけ?
「…………」
「……お一人……って……お前は……」
「……ど、どうかしましたか?」
店員さんは、俺をじっと見てくる……なんかしたか?
「……俺のこと覚えてるか?」
「……えっ?……いやぁ……無いです……」
えっ? いきなりなんだよ……てか……こんな人知らねーよ……かっこいい系のイケメンだ……知らねーし!
「……あっ! なるほどなぁ……何日か前にお前にここでご飯おごった奴って言えば……分かるか?」
「……えっ! あの人ですか?」
「……まぁ? そのあの人って奴だな……おっとすまんな、こちらの席に座れや♪」
ローブ男……ローブ店員さんは、俺を席に誘導してくれる。
「……ここで働いてるんですか?」
俺は、席に座り聞く。
「あぁ! あの日の2日後に、働かせてもらってるわ♪」
ローブ店員さんは、手慣れた様子でメニーを渡しながら言う。
「……へー……前に頼んだ……これ下さい」
「……それ一番安い奴だぞ……お前もしかして……まだタプねーのか?」
ローブ店員さんは、いい笑顔で俺に言う。
「……はい……最近ようやくですよ……」
「……まぁ頑張れや……よし……じゃあ10秒で持って来てやる!……コックが!!」
「「「毎回やるんじゃねーよそれ!」」」
奥の方から、人の声が聞こえて来た。
「……あ……ゆっくりでいいですから……」
ローブ店員さんは、注文を書き、俺にニヤって笑うと去って行った。
「……はぁ……ここで働いてらっしゃるのか……あっ! いた……」
俺が見る方に、あの時にいたウエイトレスちゃんがいた。
「……楽しそうに仕事してるな……」
ウエイトレスちゃんは、常連なのか、そのお客と仲良く話しながら仕事をこなしていた。
「…………」
……こう言う雰囲気好きなんだよな……
しばらくして、料理が来た。
「……よし! お待ちどー……ニトリスの肉野菜炒めきたぜー」
ローブ店員さんは、水の入ったコップと料理を机に置く……いい匂いだ……
「いや〜あんたのおかげだぜ? ここを知ることができたのはよ?」
ローブ店員さんは、俺の肩に手を置きながら言う……フレンドリーな人なんだな……
「……あ、いや……あなたがここを選んだからですよ……」
「……えっ? あんたに話しかけなきゃ行ってないって……
……おかげでこうしてやれてるんだからよ?」
ローブ店員さんは、最後の言葉だけ耳元で言った。
「……えっ?」
……最後……笑顔が……怖かったような……気のせいかな……
「……まぁゆっくりしてってくれや……」
「……あっ、はい……」
ローブ店員さんは、ウエイトレスちゃんの方に歩いて行き、仲良く話し始めていた。
「……ウエイトレスちゃんは、さっきより楽しそうだよな……」
ローブ店員さんがきた時の、笑顔は最高だった……
「……食べよっと……いただきます」
……ニトリスの肉うまー……あの笑顔は……あの人が手に入れるんだろうな……
ケイゴは、ローブ店員さんとウエイトレスちゃんの方を見た。
ケイゴは、料理を食べ終わり、45銅タプを払い店を出た。
「カレスさん? さっきの人とお知り合いですか?」
ウエイトレスちゃんが、ローブ店員さんに言う。
「……あ、ああ……知り合いだなぁ……名前知らねーけど」
カレスは、おどけたように言う。
「名前知らないのに、随分とお話ししてましたよね?」
ウエイトレスちゃんは、お盆を抱えながら楽しそうに言う。
「……ああ……ここで働くキッカケを見つけられたのは、あいつのおかげなんだよ」
「……そうだったんですか……キッカケはなんなんですか?」
「……それは……内緒だなぁ♪」
「え〜教えて下さいよ〜……私、先輩です!」
ウエイトレスちゃんが、自分を指しニコッと笑う。
「……もう少ししたら……な? ……すまん……休憩するわ〜」
カレスは、手を合わせて、すぐさま休憩室に向かった。
「……あっ……逃げられた……」
「…………」
カレスは、休憩室の椅子に座った。
「……キッカケを教えられるわけねーじゃん」
カレスは、優しい笑顔から……ニヤっと笑った。
「……そろそろ……行動に移すか……俺のスキルを使えば……ヒヒヒ♪
……あんたの体目当てだって……なんてよ〜?」
カレスは、ニタ〜と笑った。
この人の事、忘れてた人多いんじゃあないですか?
……私?……忘れてないですよぉ〜……本当だよ?




