俺って……主人公なんじゃね?……
「ふっ……ふふ」
家の角で気持ち悪い声が響く。
「……成り上がりパターン入りましたわ♪」
ケイゴは、めっちゃニヤける。
「……あれだろ? 俺だけだろ? これ……へへ♪」
……ニヤニヤが止まらねー♪
「……女神様……ありがとうございます」
ケイゴは、カードを両手で挟みながら拝む。
「……俺が成り上がり主人公になれるとは……ディフフ♪」
俺は、小説を読むのが好きだ……あれよ……ファンタジーや異世界系のが一番良くて、その中でも成り上がりの主人公が出る小説が好きなのだ……俺が最初から無双なんて無理だろ?……今実際、ロッパーに負けまくってるし……
「……でも……成り上がった後は、好きくない……」
成り上がるまでが好きで……成り上がった後は、俺とかけ離れてるため……だって俺だぜ?
「……でも……それに俺がなるかもしれない……なら良し!」
……俺は自己中なのさ!
「……魔導士は……杖なしだと弱いんだよな……」
俺は、解体室での受付嬢ちゃんとの話を思い出す。
「……成り上がりしたら……惚れられたりして……」
……私の……受付がオススメです……よ?
「…………」
えへへ♪
ケイゴは、ブスキモさ増した笑みをする。
「……でも……俺だもんなぁ……はぁ……」
ケイゴは、自分の体を見る。
「……イケメンだったらそうなるんだろ?」
……受付嬢ちゃんは、ブレイクがいるし……
「…………」
……門番ちゃんも……レンさんがいる……
「…………」
……成り上がりって……ヒロインいないと……燃えないな……はぁ……
「……よっこいしょっと……」
ケイゴは、その場を立つ。
「……杖が必要だな……冒険に出る前に準備だ……」
俺は、成り上がりしたいけど……恩返し出来れば良いかなぁ……偽善者だよなぁ……
ケイゴは、嬉しさを自ら底辺に持って行き、杖を手に入れに歩き出した。
「……武器屋ってどこだろう……」
ケイゴは、ぶらぶらとライトセルを歩く。
「……この剣って……配布にしては、高そうな剣だよなぁ……」
ケイゴは、歩きながら、自分の剣を見る。
「……最初って大体……銅の剣じゃ無いのか?」
ケイゴの腰についている剣は、銅の剣ではなく。鉄っぽい材質でできていて、持ち手もなかなかの細かい細工がしてありタダで貸すには……
……おかし過ぎるものだった。
「…………」
……使わなくなったら、返せと言われてたよなぁ……確か……
「……まだまだ使わせてもらいますか……てか……まだ使えても無いしなぁ……」
……ロッパーの持っていた瓶に傷つけただけだしなぁ……
「……武器屋って……どこだろう……」
……適当に歩いても見つかるわけないよな……
ケイゴは、結局……迷っていた。
「……小説の主人公達って……何故ああも簡単にいろいろ進めるのだろうか……補正ずり〜」
……そう思わん? え? ……俺だけっすか?
「……誰かに聞くしかないよなぁ……コミュ障なのに……」
……はぁ……スマホあればなぁ……
ケイゴは、いつも右ポケットに入れていたスマホを恋しく思いながら、聞ける人を探す。




