ギルドに向かうよ……
「…………スタスオン」
ケイゴは夕日に染まるライトセルの町の中を歩いてる。
ケイゴは、カードをしまう。
「…………」
ケイゴはローブを脱ぎ、ギルドを目指す。
「…………薬草どのくらい入ってるかな……ゼロだったりしたら泣けるよな……」
ケイゴは、左肩に担ぐ草のパンパンに詰まった袋を見る。
「……俺って、運ないんだよなー……課金してたもん当たらなすぎて……ゲーム」
俺は、ガチャ運ない……まぁ……みんなそうだよなぁ……当たる時は当たってたし……
「……受付嬢ちゃんには、近づかないようにしよう……その方が、彼女もいいだろうし……」
「……まぁ……なんだ? 避けられるのは慣れてるし……避ける体力を使ってもらいたくないから……俺から避ける!」
ケイゴは、歩きながらローブを出来る限り、綺麗にたたみ、右腕で抱くように持つ。
「…………」
……ブレイクだっけ? 受付嬢ちゃんと話してた奴……あいついないよな……いやだよ? いたら……受付嬢ちゃんの所に並ぶわけじゃないからいいんだけどさ……
「…………」
……モヤモヤする……いやだよ……この気持ち……なんで俺はあそこで振り返ったんだよ……
ケイゴは、ローブを強く抱きしめギルドを目指す。
「……この匂い……」
ケイゴはギルドに向かう道を進むと、美味しそうな匂いが漂ってきた。
「串焼きのおっさんの店か……でも……混んでるな……」
匂いのする方を見ると屋台が見えたが、今が稼ぎ時なのか、何人かが、並んでいた。
「………邪魔しちゃ悪いしな……ギルド行くか……」
ケイゴは、屋台の逆サイドに行き、バレないように前を通り進んで行く。
「……しかし、ハラヘッタよなぁ……家に帰ったらいつも夕飯があったのに……」
ケイゴは、地球の家の情景を思いうかべる。
「…………」
それから、ボロい教会を曲がり、ギルドに着いた。
「……さて、薬草入っててくれよ?」
ケイゴは、小さくそう呟くと、扉を開けた。
「…………やっぱり、人多いなぁ……」
ギルド内は、賑わっていた。
「…………」
ケイゴは、受付嬢ちゃんの受付を見る。
「…………混んでる……あの時は、少なかったのに……ブレイクがいないからだろうなぁ……あいつ皆んなにあんな感じなら……」
受付嬢ちゃんの受付には、人が並び。忙しそうに動く受付嬢ちゃんの姿が見えた。
「…………空いてるとかないかなぁ……まぁ……ないから……あそこでいいかなぁ……」
ケイゴは……ギルドの隅にある机や椅子の並べられた場所に座る。
ちょっと休憩……疲れちゃった……色々と。
人が結構いる中。4人テーブルに一つだけ、全身鎧を着た人が座る机に対面の前が空席になる位置で座る……まぁ斜め前かな……
「…………」
俺は受付嬢ちゃんを見る……資料を机の下から出す所だった……目が吸い込まれるわ♪
受付されてる、冒険者の男も凝視していた……その後ろの男たちも……あれ目当てか……
受付嬢ちゃんが顔を上げた瞬間に、男達はシンクロして元と同じように戻る。
「…………」
「……君もあの子が好みかい?」
俺が受付嬢ちゃんを見ていたら……斜め前に座る全身鎧が話しかけてきた……声からしてイケメンだな……違う……女?……どっちかわかんない
「……えっと……その……」
なんとも答えづらい質問だよなぁ……マジ好みですけど?……ナニカ?
「……嫌いなのかい?」
「……嫌いではないです……」
嫌いなわけないじゃん! 可愛いし、優しいんだぞ? ……仕事だからだけどなぁ……
「……ふむ」
鎧の人は、手を顎に添え考え込む。
「…………」
「…………」
この空気辛い……話途切れるとなんか悪い気がして……なんか話さなきゃいけないのかな?と、思うんだけど……俺、コミュ障っすわ
「……君は冒険者になれたのかい?」
「……あ、いえ……まだです……」
「……泥人形だろ? 速くなった方が報酬も増えるし、クエストも受けられるはずだが……」
「……そうですね……自分も、速くなりたいとおもってますよ……」
「……頑張るといい……あそこにいる受付嬢は、優しいからね……色々聞くといい……今朝の様に」
「……え? 今朝……」
見られてたのかぁ……
「……たまたまだよ……ブレイクは本当に困っててね……君は気をつけるといいさ……」
全身鎧は、首を振る。
「……あ、はい」
「……私はよくこの席にいるから、暇な時は、話し相手になってくれると嬉しい……最近そう言うことが減ってしまってね……」
「……あ、はい……暇だったら」
全身鎧は、席を立ち、二階に上がって行く。
「……フルアーマーか……あの人強いのかな……」
鎧は、漆黒でガチガチではなく軽さを追求した感じだった……よくわからんけど
「俺も鎧を、きれないかな……タプないから無理だけどさ……」
「……トラリスは人があまり来ないからいい……」
漆黒鎧は、そう呟く。
「………お疲れ様です」
漆黒鎧にトラリス男は気づき、挨拶をした。
「……ああ、おつかれ……少し聞きたいことがあるんだが……」
「……はい? 何でしょうか……」
トラリス男は、漆黒鎧に近づく。
「……こいつは、何の職業なんだ?」
漆黒鎧は、緑色のノートを開き、そこに書かれている名前に指差す。
「…………あ、ああ……この前来られた……脚フェ……間違えました……ケイゴさんですね」
トラリス男は、ちょっとニヤける。
「何笑ってるんだ? 気持ち悪いぞ? ……それで? 職業は何なんだ?」
「……あっ、えっと……言っちゃっていいんでしょうかね……まぁ……言っちゃいますけども……ケイゴさんの職業は……
……脚フェチですね……」
「…………ふざけてるのか?」
漆黒鎧は、剣に手を添える。
「いやいやいやいや! 本当なんです! 本当に職業が脚フェチになってるんですよ! 貴方に冗談なんで言いませんよ! 僕はまだ死にたくないんですから!!」
トラリス男は、漆黒鎧か離れ物の陰に隠れ、顔だけを出しながら言う。
「……ふむ……嘘は言ってなさそうだな……でも……脚フェチだと? そんなふざけた職業なんてないはずだが……これは……注意しておく必要がありそうだ……」
漆黒鎧は、剣から手をどかしてノートを開きながら言う。
「……緑色のノートって事は……ケイゴさんが何かしたんですか?」
「……いや……まだ……な?」
「あ〜〜……あの子が書いたのか……男嫌いですもんねぇ……」
「……ああ、あの子のおかげで休む暇もないよ……」
漆黒鎧は、そうは言うものの緑色のノートを優しく撫でる。
「……そうですか……頑張ってください……
……ギルドマスター」
「……ああ、ありがとう」
そう言うと、漆黒鎧はトラリスの奥側にあるドアを開き入って行く。
「……ケイゴさん……ギルマスに目をつけられてしまったみたいですよ? 僕のせいにしないでくださいよ……
……気をつけないとあなた……大変な事になるから……
頑張ってください!!」
トラリス男は、そう呟いた。




