35話 俺は誓ったから……
「………」
ここは……夢の白い場所か……
「……また来てしまった……」
ここに来たって事は……
「わぁーへへ♪」
夢の少女さまだ〜♪……可愛い声だ……
「頑張って! 負けないで!」
ん? 今日は何してるんだ?
遠くにいる少女は、座って何かを読んでいた。
「…もうっ! レッちゃん! まだめくらないでよ〜、もうちょっと絵を見たいの!」
夢ちゃんは、レッちゃんに邪魔されてるようだ……
「ルーちゃ〜ん、レッちゃんを止めて〜」
レッちゃんは、先が読みたいのだろうか……ルーちゃんは仲裁に入る感じか……
「ミッちゃん! 今のうちにミッちゃん♪ 次読んで〜、レッちゃんが来る前に!」
ミッちゃんが読んであげてるのか……レッちゃんとルーちゃんはバトルしてるんだろうか……
「次は? 勇者さまはどうなったの〜? ねぇっ、ねぇー♪…わぁーー勇者さま♪ カッコいいなー」
……勇者の出る絵本かなぁ?……やっぱり勇者だよなぁ……俺全然カッコよくないもんな……どうせイケメンだろ? 勇者って……
俺、補欠だぜ?
「ねぇっ、ねぇ〜♪ 勇者様って、このそうりょさんを助けてあげられるくらい強いんだよね♪」
勇者のヒロインは僧侶か……どんな話なんだろうな……
「私もこのそうりょさんみたいに…ううん…ミッちゃん、続き読んで〜」
……俺の妄想の夢ちゃんは、悲しそうに言う。
「…あっ! レッちゃんとルーちゃんが勇者と魔王みたいに戦ってるー♪ レッちゃんは、意地悪したから魔王ね♪」
レッちゃん、強制的に魔王にされちゃった……ドンマイ! 勇者役が良かっただろうに……
「ルーちゃん頑張れ〜!! レッちゃんなんか倒しちゃえー♪ 」
なんか……レッちゃん可哀想だぜ……続き早く読みたかっただけだと思うんだけど、無慈悲だね? 夢ちゃんは……小悪魔的で好物です♪
俺ってMに近いからだと思う……さすが夢だな……
「ルーちゃんの勝ち〜♪ レッちゃん負け〜♪ 悪いことするとダメなんだからね? 分かった?」
……レッちゃんは追い討ちをくらい体力0だな……
「…私も勇者が来てくれないかなぁ…助けてくれるなら助けて欲しいなぁ…無理なら…」
その声は、いつもよりも儚さの含まれた少女にしては、大人びていた……
「……殺して」
「……っはっ!」
……俺の妄想の夢ちゃん……いつも最後……人が変わったように言う……
……殺して
「……どうしてそんなことを俺は……彼女になぜ言わせたんだ? 暖かい感じから、いきなりシリアスにもっていくなし! 夢って、ある程度操作出来るはずなのに、勝手に進むんだもんな……夢ちゃんとお話ししたい……遠いいからか、俺が声出しても反応しないし、顔遠くて見えない……なんも話さず終わるだろうけど……」
……だって俺だぜ?
「……年って10歳から20歳の中間だと思うんだよなー」
ケイゴは周りを見て、ゆっくり立つ。
「慰めて欲しかったなぁ〜……泥人形に負けたから……へへ」
周りはもう暗く、空はオレンジ色に染まっていた。
「……俺朝に出たよな? 何時間寝てたんだよ……」
ケイゴは空を見る。
「………」
空から、今度は剣を見た。
「………」
そしてポケットから方位マッフを取り出し、それを見る。
「……俺……生きてる……」
方位マッフを手が痛くなるくらい強く握る。
「……うぅ……俺ぇ……もうダメかと……もう死んじゃうっで!」
ケイゴは歪んで見える方位マッフを見続ける。
「俺が、何をやっでも! 全然攻撃あだんなぐで! 今度ごぞ! っで! おもっだんにー……くぅぅ……」
ケイゴはその場で立ち続ける。
「……死ぬ気で……本気で戦ったんだ! もう死んじゃうんだって思って! 俺の全てをぶつけたんだ! でも……モンスターの方が、一歩も百歩も上手で……何もできなかった……」
ケイゴはその場で座禅して座る。
「………」
ケイゴは顔を歪ませ、鼻水をタラタラと垂らしながら歪む地面を見る。
「なぜ俺は、弱いんだよ……戦闘技術ないのわかってたから、俺はカンストを選んだのに……敵の攻撃だって避けられる訳ないから、選んだのに……どうして!」
ケイゴは女神様の笑顔を思い出す。
「……女神様……助けてください……」
無理なのをわかった上でも、言ってしまう……
「……俺以外の人ならもっと、ちゃんとやっていけたはずじゃないですか……異世界に来たかったけど……こんなのじゃないよぉ……」
「……小説みたいに……モンスターをバッタバッタと倒したり……悲鳴を聞いて、その子を助けて惚れられたり……獣人をモフモフしたり……地球で知った事広めて領主になったり……メイドさんに逆に襲われたり……お姫様を、お姫様抱っこしたり……力で従えて、でもベットの上では立場逆転してしまったり……種族の色々な掟とかで、お嫁さんもらえたり……可愛いモンスターが俺に惚れたりとか……そんなことが良かったのに!」
ケイゴは色々と想像したせいか……ポジションを変える……
「……イテテ……落ち着け……」
ケイゴはその場を立つ……たった!
「……体力少ないはずなのに……お前は元気だなぁ……」
俺は左手の平をくの字に曲げ。
[スタスオン]
ケイゴはカードを出して、見る。
「回復薬とかは……泥人形に使っちゃったよな……はぁ〜……馬鹿だよなぁ……こんな事になるくらいなら他の泥人形を探しに行って、回復薬は残しとけば良かった……」
体力はすぐ回復するもんじゃないしな……宿行かないと回復できないんだよなぁ……ゲームだと……
名 ケイゴ
職
レベル 99
体 999
魔 999
攻撃 999
防御 999
攻魔 999
防魔 999
速 999
運 999
どれどれ?……ん?
体 999
……ん?
体 999
全回復してる……え? なんで? 俺はロッパー食らってさらに腹にパンチくらって蹴りも食らったのに……回復はやくね?
まぁ……寝てたからか……夕方だし……
ん? 職業は見ないようにしてるだけだよ?
ケイゴは方位マッフを見る。
「門番ちゃんに……また会える! あんたそこでなにしてるのよ……へへ♪」
ケイゴは涙と鼻水をローブをめくり服で拭う……門番ちゃんにもらったらからな……
「負けても諦めない。俺は誓ったから、恩返しするって……」
ケイゴは真剣な顔して、方位マッフを裏返して五回ボタンを押す。
「……覚えてたよ、受付嬢ちゃん……」
……はぁ……受付違う人にするかな……
ケイゴは方位マッフを見ながらライトセルに向かう。
「適当に草抜いてくか……薬草とかあれば金になるし……」
ケイゴはそこら辺の草をたくさん抜き、袋に詰めて帰る。
「タプを稼ぐんだ……そのタプであの子を少しでも……救えるなら……」
ケイゴはそう呟き森を進んで行った。
願望が爆発してしまいました……ケイゴの……
私の願望ではないんですよ?……本当だよ?




