30話 性癖は変えられない……
30話ですよ皆さま。こんなに書けるなんて……文字数は他のに比べると、雀の涙ですけど……
だって私だよ?
皆さま! 読んでいただき誠に有難うございます!
と、いう事で! 補欠戦記ケイゴまだまだ続くはず……どうぞ!
「「…………」」
トラリス男はすごくニヤニヤしてる……何なん?
「脚フェチさんに残念な知らせが…」
「脚フェチじゃなくてケイゴです……」
「あっ、ごめんなさい…名前わからなくてつい」
……と言いながらニヤけていますよ?
「残念ってなんですか?」
「職業は、一つまでなんです」
「………」
……性癖は変えられない…違う! 職業は変えられないか……
「もしかしたらその職業は、あなただけしか居ないと思うので…ヨカッタデスネ」
「………」
こいつ馬鹿にしてんだろ! んぁ? こっちはマジで悩んでるって言うのに!! くそ! イケメンって嫌い!
「職業には、なれないものもあるんですよ? 例えば、盾士だった人が防御力の低い暗殺士には直ぐになることはできないんです。理由はよくわかってないんですが…レベルが1になる時、その職業の得意、不得意なステータスのばらつきがあるからかもしれないと言われてますけど…」
「……そんな事があるのか……」
ケイゴのちょっとイラついた顔を見たトラリス男は話を変えていく……
「ケイゴさんの場合は……防御力が高そうなので、もしかしたら暗殺士にはなれないかもしれませんね…」
「そう……なるのかなぁ……てか、職業を変えられないですよ……」
「そうでしたね…頑張ってください」
「……はい、ありがとうございます」
……どう頑張れと?
「レベル上げていけば、どんな職業も強いので…きっと行けますよ!」
「………はい、上がれればですがね……」
レベルカンストしてますが?
「では、冒険を繰り広げて来てください」
「……ありがとうございます」
トラリス男はお辞儀をして言う。
俺もここにはもう用がないので、その場を離れて階段を降りる。
「魔導士になれないのか……」
ギルドの一階に着いた。
「………」
俺は受付嬢ちゃんの方を見る。
「職業選べたって言っとくか……」
嘘だけど、カード見せなきゃいいべ……
「……でも人が増えて来たな……この時間くらいから平常通りなのかな?」
ギルド内は人がボードみたいな奴に貼られた紙を見てたり、受付に並んでいた。
「凄い行列だよな……でも……何故か、受付嬢ちゃんの所だけ一人だけしかいない……」
受付嬢ちゃん以外の所は10人くらい並んでるのに……受付嬢ちゃんって綺麗なのに何故だ?
「……まっ、一人なら直ぐ終わるべ」
俺は受付嬢ちゃんの受付に行く。
「僕は強いんだよ? そう思うでしょ? ほら、この剣は有名な鍛治士が作った剣なんだよ♪」
「そうなんですかぁ…」
「いつも使ってる剣は、切れなくなっちゃって買い換えたんだよ」
「そうですかぁ…」
受付嬢ちゃんの受付に行くと、ガチガチとは違うスリムな鎧を着た男と、受付嬢ちゃんが話していた。
……後ろ姿、すげー高そうな鎧だ……俺も着てーなー鎧!……でもこれは派手すぎでやだけど……
「今日も華麗にクエストをこなしてくるよ……君のために」
「気をつけてください…」
「ふっ、君はやはり、優しく美しい。次の休日に食事でもどうかな?」
「ご、ごめんなさい用事があって…」
「そうか…君はいつも忙しそうだ、残念だよ」
……これは、口説いてるのか? こういうのやっぱりいるのか……
てか、受付嬢ちゃん嫌がってね?……気のせいか?
「あともう少しで僕はB級の試験が受けられるんだろう? また、あの時の答えを聞くから…次は承諾してくれることを楽しみにしてるよ」
「…は、はい…分かりました…」
……約束か何かしてたのだろうか……B級になるって結構強いのかな? 階級の事聞いてないからわかんないや……
……それより早く終わらないのかな……受付嬢ちゃん笑顔だな……俺の時とは違うな……やっぱイケメンだよなぁ……ハラヘッタ……串焼き2本じゃ足りなかったようだよ……
グニュルルー
やべっ……
「…ん? 何だ君は」
男がこっちを向く。
「……おはようございます」
「僕の質問に答えろ!」
男は睨みつけてくる……こえ〜
「えっと……ケイゴって言います!」
こう言う時ははっきり言わないとな……怖いから
「…何故ここにいるんだ?」
「……受付に来ました」
「今は僕がいるから、他の所に行けばいいだろ」
「……でも、ここ空いてるし……」
それに受付嬢ちゃんに用があるんだけど……
「君は言ってる意味が分からないのか? 僕と彼女が話しているから邪魔をするなって意味で言ったんだ」
「……は、はぁ〜……」
俺は受付嬢ちゃんを見る……申し訳なさそうな顔をしていた……あんな顔させちゃいかんでしょうよイケメンさん
……的な事アニメで言ってたような気がする……
俺は自分を奮い立たせ言う。
「……話してるだけなら……先にいいですか?……すぐ終わりますから」
周りが静かになり……ゴニョゴニョと近くの人と話し始める。
「…おい、ブレイクとデブが言い合ってるぞ」
「またか…ブレイクには手を出すなって言うのはここの鉄則だぞ」
「冒険者の新人はいつもあぁなるわ…ギルマスは例外だけど…」
俺は頑張って相手の顔を見る……人の顔を見るのは苦手だけど……
「貴族である僕に口答えするつもりか! 醜い顔したオークが!」
「………」
醜い顔したオーク……ああ! そうだよ! 俺が一番わかっているさ! だからなんだ!……だからって言い過ぎだろ!こ、この……イケメンが!
「何も言い返せないのか? なら消えろ! 邪魔だ!」
ドン!
「うっ!」
俺は男に突き飛ばされる……くそ! 力つえー!
「ブレイクさん!ギルド内で暴力は禁止ですよ!」
受付嬢ちゃんが言う。
「すまない、ゴミを払っただけだよ」
尻餅をついたケイゴをブレイクは見下ろす。
「………」
受付嬢ちゃんがこちらを見ていた……悲しそうだ
……俺はやっぱり……弱くて……バカだ……
「………」
俺は立ち上がり、ブレイクって言う男を睨みつける。
「…何だ? その目は、文句があるなら言いなよ…醜いオークが」
「………」
俺は……何も言えなかった……ごめんなさい……受付嬢ちゃん
俺は受付嬢ちゃんを見る……首を振っていた
俺はギルドの扉に向かう
「貴重な時間を無駄にしてしまったよ、はぁ〜…これで邪魔者は消えた。クエストを見せてもらってもいいかな?」
「……わかりました」
周りの目が痛い……勘違いした上に……受付嬢ちゃんに迷惑を掛けてしまった……受付嬢ちゃんが嫌がってると思ってたんだけど……あの首振りはやめてくださいって事だよね……貴重な時間を無駄にさせてごめん……
ギルドの扉は昨日より重かった。
そのケイゴの背中を、受付嬢ちゃんが見ていた。




