26話 俺はもう……
「………」
「職業見るのは当然でしょ?」
門番ちゃんは当たり前よ、と言う顔で俺に言う
「…お! 人が来たわ、俺はちょっと相手してくるから頼んだ♪」
門番さんは、門前に来た人の対応に向かった。
「あっ、お願い」
「………」
おい! ヤベーぞ! 職業って一番見られたくないんですけど! 性癖書いてあるんだぞ!
それに一番見られたくない相手なんですがぁ? 頼むよ! こう言う時さ、主人公補正来いよ!
「……あの〜……なぜ職業みるんですか?」
俺はカードを門番ちゃんから見えないよう後ろに隠しながら聞く
「知らないの? はぁ〜…わかったわ、説明してあげる。そのカードは書き換えされてくのよ、レベルとかステータスとか上がればちゃんと表記が書き換えられるの。職業も同じで、最初みんな住民や農民とかが一般的になってるものなんだけど…もし犯罪とか殺人などした場合、その表記が書き換えられる用になってるのよ」
「………」
えっ? このカードやばくね? 犯罪出来んやん……いや! しねーよ? 本当本当しないしない
「犯罪とか殺人などの罪を犯した場合、元書いてあった職業の隣に犯罪名が描かれるのよ…あっ! もしかして他の所見られるのが嫌だったりする? レベルとかステータスの方…大丈夫よ? 見られたくない場合、この…ミチャイで職業だけを見ることできるから」
門番ちゃんはポーチから、カードがピタリとハマりそうなケースを出した。蓋側に透明なガラス? が貼ってあり、いかにもそこから見るんだろうと分かる……でもね? 門番ちゃん……俺は……
…… 職業が一番見られたくないのーー!
いやね? レベルとかステータスもね? カンストしてるからさ普通見せたくないよ? なんか色々なゴタゴタに巻き込まれそうだし……ここの世界の住人達も、自分の強さとか見られたくないものがあるだろう……けどさ……そうじゃないんだよ
異性に! それも……その……綺麗な門番ちゃんに! 性癖を知られのは嫌なんだー!!
男なら誰でも……いや女性だって異性に知られるのは嫌だろ?!
「………」
「ケイゴ?ほら、はやく見せてちょうだい。早く帰りたいでしょ?」
門番ちゃんは手を俺の前に出す
「………」
「…もしかして…見せられない理由があるの?」
門番ちゃんは手を引っ込めて、 俺をじっと見る。
門番ちゃん! そんな目で見ないで……あなたにそんな顔で見られると……くっ!
「……職業を……見ても……いや……なんでもないです……」
「……私は気にしないわ、犯罪をしてなければね?」
俺は……覚悟を決める!
門番ちゃんとの関係が終わってしまうことに……
まず、何も始まってすらいなかったが……
「……どうぞ……」
俺は後ろに回していたカードをゆっくり門番ちゃんに渡す。
「えぇ、じゃあ見させてもらうわね? レベルとかステータスは見てもいいのかしら?」
「……はい」
そんなの見られてもいいし……はぁ……
「……」
門番ちゃんはカードを見る
名 ケイゴ
職 脚フェチ
レベル 6(99)
体 3243(999)
魔 2609(999)
攻撃 3564(999)
防御 4107(999)
攻魔 2003(999)
防魔 2128(999)
速 1291(999)
運 1053(999)
「……」
「………」
……なんだ? このカッコの前の数字……カンストした数字より多いし……レベル6?
何が何だかわからん……
「…ス、ステータスはあれね…普通なんじゃないかしら…」
門番ちゃんが一歩下がった……
「運は低すぎると思うのだけど…」
門番ちゃんは俺をチラチラと見たりを繰り返す……もじもじとしている
「……」
「………」
……だよなぁ……そりゃーなるよな……だってさ?
俺は脚フェチなんだ♪ よろしくって言われてみ? 近づきたいと思う?
……ないわー、近づきたくねーわ。
それも……デブスでカッコ悪いところしか見せねー男となれば尚更のこと嫌だよなぁ……
「……スタスオン……変なの見せてごめんなさい……これ、ありがとうございました……では、さようなら……」
門番ちゃんにグニョングニョンされていたカードを、スタスオンでしまった俺は深くお辞儀をして振り返り、早歩きでライトセルに入っていく。
「あっ! ごめんなさい! さようなら!…」
「………」
門番ちゃんに振り返らず、ケイゴは町に消えていった。
「…そのローブと方位マッフは、あなたのおかげで必要なくなったのよ…」
門番さんが、門番ちゃんの所に来た。
「おい…どうしたんだよ」
「あ…いや、何でもないの…」
門番ちゃんは震えていた。
「あのクソデブ! 何しやがった!」
「違うの! 別にケイゴは何もしてないわ…本当よ…私がいけないの…」
「……」
「ありがと。また心配かけて…」
「そんなこと無い…あの時は、全部あのやろーが悪いんだ…」
「…ケイゴはそんな人じゃない…の」
「あん時も、同じこと言っていた…」
「……」
「……」
二人は、ケイゴが歩いて行った方向を見ていた。
「……はぁ〜」
見られてしまった……俺の……性癖を……
「……もう、前みたいに話す事は出来ないんだ……」
俺は、門番ちゃんがくれた方位マッフとローブを見る
「……でも……いいじゃん……俺は最初から彼女と何もないのだから……」
ケイゴはいつもの場所に来た。
「……よっこいしょっと」
いつもの位置に座る。
「……それに……門番ちゃんは優しい……でもさ? それっておかしいよな……普通あそこまでしてくれるか?」
ケイゴは前に、川辺で助けてくれた日を思い出す。
「……あんたそこでなにしてるのよ……今でも覚えてる……あなたが俺を助けてくれたこの言葉を……」
ケイゴはローブを羽織る、ローブは門番ちゃんの言う通り小さかったが、来た途端に丁度いい大きさになった。
「……門番ちゃん、貴方はどうして俺に優しくしてくれるの?」
俺はローブにくるまり横向きに倒れる。
「……あったかい……なぁ……門番ちゃんが着ていたローブ……いい匂いがする……」
ケイゴは目を閉じる。
「……貴方にどう思われてるか……わからないけど、俺は恩返しをするって決めたから……避けられようと……必ず……するがぁら〜……俺……弱いげどぉ……いつか……絶対……冒険者になってぇ〜……うぅ……」
ケイゴは泣く。
グゥリュリュ〜〜
「……朝から何もぐっでながった……」
「……手料理食べだい……」
門番ちゃんはもう俺と接してはくれないだろう……さようなら……おやすみ
ケイゴは疲れていたのもあり、空腹のまま眠った。
理由のない優しさは……信じられないですよね




