2話 始まりの始まり
「ここは……どこ?」
俺は、いつの間にか知らない空間に来ていた。
確か俺はいつものように、左手でスッキリしたあと自分家で眠ったはず……
すると…
「あの〜」
と、どこからか女性の声がした。
「はい! ……って、どこにいるんですか?」
声はするのに、どこにもいない
「あれ〜見えないですか? 私、前にいるんですが…じゃあ、これならどうですか?」
いきなり目の前に、美女がいた!
「え?! あっ! 見えました……って、なぜなにもないところから!?」
美女が……
「フフフ♪ びっくりさせてしまいましか? ケイゴさんはまだ死んでまもないので、目が慣れてないからかもしれません」
「あはは……そうでしたか、死んでまもないから仕方ありませんよね〜」
いや〜かわいいな……この人、言っている事と見た目もなんかお茶目なところとかさっ、ぐっとくるよ♪
「………」
「……ん? 死んだ? 誰がです?」
「え?♪ ケイゴさんですよ?」
「……っえっっえーー!? 俺って死んだんですか? だって俺、今あなたと話してるし、元気ですよ!」
「それは、ここが生と死の狭間の空間…わかりやすく言えば、川ですよ♪」
「さんず? 確か……そんな、でも……じゃあ自分が死んだ理由は、なんなんでしょうか?」
「肺炎ですね。呼吸がつらかったはずなのに、ずっと放置した結果…ここに来てしまったんです。」
「えっ? あれ肺炎? 風邪かと思ってたのに……」
「ケイゴさんは、あまり病気にかからなかったですもんね♪ 病院にちゃんと行っていれば、死ななかったと思いますよ?」
はぁ〜俺死んだんだ……まだ読みたい小説あったのになぁ……もう読めないのかよ……
でも待てよ? この美女が言ってることが、本当かどうか、わからんぞ? そうだよ…そうだ! 嘘言ってる可能性が、まだあるじゃん!!
「ケイゴさん…足フェチですよね? 昨日のお楽しみしていた、本のタイトルを言いましょうか?♪」
ガチだーこれガチやーって事は……
「私は女神ですよ」
女神実際してたんね! だから、こんな綺麗なのか〜そうかそうか
「………」
ふーこれは、夢か? 夢オチか? ん? そうなんだろ?
あぁ〜あー早く起きねーかな〜俺!
「すぐ信じるのは普通、無理なものですが、信じてください…話が進まないのでお願いします」
そう、これは夢だから……今は楽しもうぜ!
「で……俺は、なぜここに呼ばれたんですか? 女神様」
「それで今はいいでしょう…それはですね、あなたには異世界に行ってもらいたいんです。」
「異世界って……小説とかに出る、あの異世界ですか!?」
「そうですよ? あの異世界に」
お、ああ、うおーまじか! 夢にまでみた異世界……
って、これ夢や……
「そうですか、でも、なぜ異世界に?」
「その異世界では、魔王がいまして…その魔王を倒していただきたいのです」
テンプレですね、俺、勇者か……この俺が、デブでブスの俺がか……でも、勇者って……カッコいいよなーもしかしたらモテるかも知れんなぁ♪
彼女いない歴……年齢20年とうとう卒業生となれるやもしれん!
「あっ、でもケイゴさんは勇者じゃないですよ?」
「えっ? 勇者でしょ? 魔王を倒すのって!」
「まぁそうなんですけど、その世界にはもう勇者いるんですよ」
「勇者いるの!? ならなんで俺が? 俺……いらないじゃないですか!」
「勇者が必ずしも勝てるとは限りません。勇者は、強いですよ? その世界に1つしかない聖剣を使えますし、その体は頑丈で負けるほうが難しいくらい。ですが…魔王も強いんです。その世界の魔王は受け継がれていくんです。」
「受け継がれる?」
「はい、魔王は自分が取得したスキルや魔法を、次の世代に受け継ぐ」
おいおい! なんだそのチート! 世代を重ねるごとに魔王は強くなっていくってことかよ!
「そういうことです」
それって勝てなくない?