第拾歩 トッマテクの朝
「……えへへ♪」
「……君は? 誰?」
ケイゴは、不思議な空間にいた、周りは真っ暗で、自分の姿は見えないが、目の前には眩しいほどに光る、人と思わしき誰かが立っていた。
「……私、…………だよ♪ 」
眩しい人は、女性の声だった。
「……え? よく聞こえないよ……」
「ケイゴって、なんでいつも泣いてるの?」
「……そ、そんなに泣いてないと思うけど……」
……俺そんな泣いてないよな? ん? どうなんだろう……てか誰?
「え〜〜♪ だって私にすぐ頼るもん」
まぶいちゃんは、俺を小馬鹿にした声で言う。
「……頼る? 俺は君を知らないよ?」
……こんなまぶい子知らんぞ? 今まで会ったことない声だし……
「いつも会ってるよ〜♪ また会いに来るね? ケイゴって……私が見えないもん……」
「……え? いつも? 見えないってどう言う……」
「しょうがないよ〜♪ ケイゴは…………じゃないんだもん……でも、これからもよろしくね〜♪」
すると、まぶいちゃんは、スーと消えて行った。
「……ま、待って! 俺君のこと知らない!」
ケイゴは、手を伸ばしながら覚醒した。
「……な、なんだったんだ……今の……」
俺は、周りを見渡す。
「…………そういえば、俺宿に泊まってたんだった……分からん……前も違うけど、夢ちゃんと似た夢だった……」
……夢ちゃんの夢は、最近見てないな……
ケイゴは、ボッサボサの頭でボーとしていた。
「…………」
(……おはよう、ケイゴ……何の夢みてたのかしら……)
盾師匠は、寝間着姿だった。
「……今日……何しよう……」
……何だろう……俺って何すればいいんだ? クエストも終わったし……タプだってしばらくは大丈夫だ……
「…………」
(……貴方は、冒険者なんでしょ? 休んでる暇はないわよ)
「……俺の強さを見るか……最近カード見てないから、スタスオン」
ケイゴは、目を擦りながらカードを取り出し見た。
名前 ケイゴ
職業 脚フェチ ( < 魔導士 > ) ( < 上級魔戦士 > ) ( < 上級頑盾士 > )
レベル 10 ( 99 )
ステータス
体力 8421 ( 999 )
魔力 4590/5100 ( 899/999 )
攻撃力 4721 ( 999 )
魔攻撃力 13621 ( 999 )
物理防御 18999 ( 999 )
魔力防御 14864 ( 999 )
速さ 2300 ( 999 )
運 1201 ( 999 )
「……レベル2も上がってる……前8だったから……もしかして……殴られまくったからかな? 物理防御と体力だけ高くなってね?
そもそも、この数値何なん?」
ケイゴは、眉をひそめる。
「……それに、魔力なんか減ってるし……100減ってる……まだまだあるからいいと思うけど……魔法使ってないよな?俺……」
「…………」
(……それ私だわ……ずっとシークレッルドは使えないからケイゴから借りてるの……でも……
……100しか減ってないのは、おかしい……)
「……まぁいいや……他のページも見たかったんだよね〜」
ケイゴは、カードを下にスクロール!!
おはようございます、ケイゴさん♪
私は今、神達が集う集会……集神に来ています。
隠れて送っちゃってます、暇なので……
今回の内容はですね……あっ! これ言っちゃいけないやつでした……神判にかかっちゃうから……人が寿命を延ばして来たので、循環が効率悪いみたいなんですよね〜それで呼ばれちゃったんですよ〜良いことなんですけどね?
どうですか? 魔王倒せそうですか? 異世界は大変でしょうけど、諦めたらいけませんよ! 私が選んだんですからね♪
魔王は、受け継がれて行く、でも、魔王には1つ呪いがあるんです、それも受け継がれているんです。それは、魔王の住む家から出られないと言う呪いです。これのおかげで、外に出られないので、被害が少ないはずです。
たまにはヒントを与えてあげる、優秀な女神様より♪
「……そんな呪いが魔王に……それよりも……
……情報漏れ漏れだし、大切な集会に何してるんですかーー!! 暇って……優秀なら、ちゃんと聞きましょうよ!! 女神様〜!!」
ケイゴは、カードを強く投げつけるように上に持ち上げて、優しくベットに置いた。
「…………」
(……女神様ってどう言うこと? ケイゴってもしかして……
……可哀想な人?)
盾師匠は、ケイゴに可哀想な人を見る目で見た。
「……魔王か……そういえば俺、魔王倒そうとしてたんだよな……忘れてた……」
「…………」
(……えぇ……そんな事普通忘れる? ケイゴが魔王を倒そうと考えてたなんて……今のケイゴじゃ、魔王に会う前に死んじゃう……魔強者だっているのよ?」
「……まっ! 勇者が倒してくれるっしょ♪
……俺は、ロッパーを倒す事がまず目標だからな……俺弱すぎて笑えてくるんだけど……」
「………っ!」
盾師匠は、拳を握りしめた。
「……よし、俺はまず冒険者になる努力をしよう……それからだ」
ケイゴは立ち上がるとトイレに入った。
「……魔王に挑もうとしてたのね……
……ならその目標を目指してもらうから」
盾師匠は、ニタっと笑った。
「……えへへ♪」
「……ど、どうしたの?」
「……♪♪♪」
俺は、食事が出るとの事なので、下に降りて来たら幼女が俺の前に立ち塞がり……
手を上げて笑っていた。
「……何をしているのかな?」
……本当になんだよ……なんか質問したわけでもないのに手を上げちゃってるよこの子……訳分からん
「……マネ〜♪」
「真似……誰の?」
「おじさん!」
幼女は、俺を手を上げたまま指を指した。
「…………」
……俺手を上げてないよな? なんで俺の真似なんだ? 俺も手をあげるのか? しなきゃいけないのか? 手が可愛いなこの子……ちっちぇ〜ぷにぷにしたい……
「……前してたよ! 私見たもん! だからマネしてるの〜」
「そ、そうですか……じゃあ、自分は、君の真似をするよ」
ケイゴは、しゃがんでその子のように手を上げた。
「……真似しちゃ、やー! ヒーがマネするんだもん! おじさんは、マネしちゃダメだよ!」
幼女は、怒った顔をすると俺を殴り始める……痛っ! 柔ら可愛い……
「分かったから、ごめんなさい! 許してください」
やばいわ〜♪ ヒーちゃん可愛いわ〜♪
「……おじさん、ヒーのマネしたから嫌い! 嫌い! 嫌い!」
幼女の連打が止まない……う、おおう……可愛いけど流石に痛いのだが……嫌われちゃった♪ デュフ♪
「……こ、こら! お客様に何してるのヒーちゃん!」
ヒーちゃんのお母さんが、俺からヒーちゃんを遠ざける……もうちょっとヒーちゃんに殴られたかった……ロ、ロリコンじゃねーし! 遊びたかっただけだし!
「すいません、ほら、ヒヨル謝りなさい!」
「ヤ!」
ヒーちゃんは、プイッと顔をそらす。
「……あ、いや大丈夫ですよ自分は」
「そ、そうですか、本当にうちの娘がすみませんでした」
奥さんは、頭をヒーちゃんの頭を手で無理やり下げさせ自分も下げた。
「……ヒー悪くないもん、悪くないもん!!」
「待ちなさい! ヒヨル!」
ヒーちゃんは、何処かに駆けて行ってしまった。
「…………」
……ちょっとからかっただけなのに……こんなおおごとに……幼女恐るべし……
「普段は、あんな事しないんですが……朝食が出来ておりますので、どうぞ」
奥さんは、俺に振り返ると食堂まで案内してくれた。
「……別に自分は構いませんよ、遊んでもらってたんです」
ケイゴは、紳士ぶる。
「ありがとうございます」
奥さんは、そう言うと、仕事に戻って行った。
「…………」
……だって、俺に普通に触れてくれるのは……幼い子たちだけだからな……嬉しいんだよ……それだけでさ……
ケイゴはその後、パンとスープと何かの肉の朝食を食べてトッマテクを出た。
「ヒー悪くないもん……」
お父さんの足に抱きついた幼女はそう呟いた。
女の子や男の子って、あまり見た目とか気にしないで接してくれるので、嬉しい……ロリコンが消えない訳だ……




