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カーんスト99なら強いよね?  作者: チョロォーク
第一章 俺は強いよね?
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後悔と決意を……

「……はぁ……はぁ……」


ケイゴは、大きな盾を背中に背負い、掃除用具を持って歩いていた。


「……何この盾……クソ重いんだけど……」


ケイゴの額から汗が出る。


「これ使いこなすの無理じゃね?……また振られたな……」


ケイゴの顔は、ニヤケていた。


「……まぁ、分かっていたさ……後悔したくなかったから言っただけだ……盾師匠がどう生きていくかそれは、本人が決める事だからな……それに、俺と一緒の方が大変だろう……俺馬鹿で何もできねーからさ……」


ケイゴは、盾を一回置き、腕にバンドをつけて、招き猫をする。


「……お疲れ様でした、ケイゴさん」


「……お、お疲れ様です……」


すぐさま現れたのは、黒執事とローゼさんだ……お姫様抱っこ……すげぇ……


「……今日で終わりとのことでしたが、掃除し切れたのでしょうか?」


ローゼさんは、地面に降り立つと、背筋を伸ばし言う。


「……はい! 出来たと思います! 掃除用具のおかげです」


ケイゴは、掃除用具を右斜め前に置く。


……いや〜異世界の技術も凄いものだよな……これ吸引力がやべーもん、コンセントないから自由に動かせたし……


「……出来たと思いますでは困るのですが……」


ローゼさんは、真剣な表情だ。


「す、すいません! 出来ましたです……」


……こ、こえ〜下手したらこの場で殺されるとかないよな……


「……そうですか、あなたに任せてよかったわ、それと……


……その盾はなぜ持ち出しているのですか?」


ローゼさんは、顔の表情を変えずに俺の持つ盾を指差す。


「……えっ?! そ、それは……」


……そういえば……盾師匠は、勝手に住んでたんだよな……じゃあ……この盾って、ローゼさんの持ち物? いや、自分のものだって言ってたし……でも、このままだと、俺が盗み出した事に……


「その盾は、代々受け継がれて来た物です。冒険者の方が欲しがるのは分かりますが、流石にそれは、報酬として渡すのは無理です。」


ローゼさんは、俺の目をジッと見てくる……なんだこの感じ、全てを知られてしまっているのではないかと感じる目……


「……そ、そうですよね……すみませんでした……」


……盾師匠、ローゼさんの盾って言ってますよ? どうしてこの盾を、自分の物のように言ったんですか……


ケイゴは、盾を黒執事さんに渡す。


「……メイズス、その盾を元の場所に戻して来て頂戴」


ローゼさんは、冷静な声で黒執事さんに言う。


「はい、ローゼ様………ん? ……フン! なっ……」


黒執事さんは、盾を俺から受け取り、屋敷の方に持って行こうとしたが、その場で踏ん張っているだけだった……どうしたんだ? その芸、何処かで見た事ある……軽い物を重く見せて、その場で踏ん張るやつ……


「……メイズス、貴方は何をしているのですか? 早く置いて来なさい」


ローゼさんは、黒執事さんに眉をひそめて言う。


「……す、すいません! ローゼ様……動かせなくて……はっ!」


黒執事さんは、まだ芸を続けていた。


「…………」


……確かに超重いけど……俺は、ここまで持ってこれるほどの物だぞ?


「……ふざけるのもいい加減………………」


ローゼさんは、急に黙り、俺の後ろを驚いた顔で見ていた。


「……どうしましたか? ローゼさ……………」


黒執事さんも、俺の後ろを見ると黙る。


「…………」


……どうしたんだ? 俺の後ろに何か……


……何もない……


ケイゴは、ゆっくりと後ろを見るがそこに何もなかった。


「……ケイゴさん……貴方、掃除は終わったと言ってましたわよね……」


ローゼさんは、俺の後ろをチラチラと見ながら言う。


「……はい、綺麗にしました」


こういうのは、ちゃんと言わんとな! 盾師匠とだけどね?


「……じゃあ……なぜ、まだいるのですか!」


「えっ? そ、それは……」


……えっ? 急にローゼさんが怒って……俺が何かしたのか? でも何も……それにいるのは、タプもらってないからですけど……


「……貴方は! 何を今までしていたのですか?! 見えないのですか?! あれが!」


ローゼさんは、慌てたように、俺の頭の上の後ろを指す。


「………………お屋敷があるだけですが……」


ケイゴは、後ろを見るが何も変わりのない屋敷があるだけだった。


「貴方が見た瞬間だけ、消えているのです! 今見えてますから!」


「……えっ?! ……いや……見えないですけど……」


ケイゴは、素早い振り返りで後ろを見るが、その驚くようなものはない。


「……な……」


「……くっ……」


ケイゴが後ろをずっと見ている時、ローゼさんとメイズスの前に文字が浮かぶ。


そこに書かれたものは……


「ケイゴに言えば、今度は何をするかわからないぞ」


すると、文字が消えた。


「……ローゼさん……自分が何かいけない事でもしてしまったのでしょうか?」


ケイゴが文字が消えた頃に振り返って、ビクビクしたような顔でローゼさんに言う。


「……………い、いえ……私の勘違いでしたわ……」


ローゼさんは、俺の上あたりをチラッと見ると、少し怯えた様子でそう言う。


「……そうですか……」


ケイゴの後ろには……錆びた鎧が、腕を組んでローゼさん達を見下ろしていた。









「……そう言えば私……盾が本体だから、こうなるわよね……忘れてた……」


盾師匠は、屋敷から引っ張り出されながら呟く。


「……やっぱり、盾は、返してもらおうかなぁ……」





……パーティが無理なら……


……一緒に冒険に出ませんか!



…………それは、パーティじゃあ……



……パーティは、仲間で組む事でなると思うんです……自分と盾師匠は、仲間ではなく……


……師弟……仲間ではないです!



……っ?!



……俺を盾士にしてくださーーーい!!






「……うぅ……このままじゃあ、本当に一緒に冒険する事に……」


盾師匠は、宙をクルクルと、前転しながら頭を抱える。


「……私は、ポルスガース……物に宿る魂……人間じゃない……ケイゴは、全く気づかないけど……私と話してれば、いずれ……だからダメなの……私は、このままずっと1人でいれば……私の弟子に迷惑は……ん?」


盾師匠は、前転をやめて、屋敷の門前でケイゴが、ローゼさん達と話してるところを見つけた。


「……何話してるんだろう……<| シークレッルド |> あまり時間は持たないからね……このスキルは、使い方によっては、強いけど……魔力消費が高すぎてあまり持たないのよね……サイレルドも……だから2つ同時は出来ないから、ケイゴに言えなかったのよ……」


盾師匠は、透明になるとケイゴの背後に浮遊した。


「……そうですか、あなたに任せてよかったわ、それと……


……その盾はなぜ持ち出しているのですか?」




「…………」


(……あー……うん……当然よね……)


盾師匠は、納得したような顔をした。




「……えっ?! そ、それは……」



「その盾は、代々受け継がれて来た物です。冒険者の方が欲しがるのは分かりますが、流石にそれは、報酬として渡すのは無理です。」



「…………」


(……そうよね……私は、この貴族の所有物……)



「……そ、そうですよね……すみませんでした……」




「…………」


(……でも……私の盾なの……お爺様の設計した盾……このまま飾られて、鑑賞されて……


……また、その繰り返しなんて……)




「……メイズス、その盾を元の場所に戻して来て頂戴」




(……私は、死人で、幽霊で、モンスター……でもね?


……盾なの……私は盾……)




「はい、ローゼ様………ん? ……フン! なっ……」




(……私に触れるな……私は……リメス、メロカ……また見つけたわ……


……盾士必須 3 守る者を定めよ……


ケイゴの盾よ!)


盾師匠は、ケイゴの背を、大切なものをようやく見つけた時のように微笑んだ。








「…………」


錆び鎧は、何かを書き始めた。


「……くっ……」


ローゼさんは、悔しそうな顔をした。


「……ケイゴさん……その盾を貴方に譲りましょう……いや、貰ってください」


ローゼさんは、俺に頭を下げた……ええーー!!


「……あ、あの! そんな、別に自分は……せがむようなものでは無くて……自分が元の場所に返してきますから」


……なんでローゼさん急にそんな……よくわかんないけど、受け取らない方が良さそうだからな……盾師匠に悪いけど……


「……お願いします! その盾をケイゴさんが持ってってください!」


ローゼさんは、涙目だった。


「……わ、分かりましたから、はい! 持ちました!」


俺は、固まったメイズスさんから、盾を受け取り、持っているところを見せた。


「そのまま帰ってもらっていいですか?」


ローゼさんは、メイズスの後ろに隠れて言う。


「……あ、はい……では、お疲れ様でした……」


何をそんなに……も、もしかしてまた知らぬうちにしてしまったのだろうか……でも泣くほどの事してないよね? だよね?


「ありがとうございました……もう2度と来ないで……」


メイズスは、相変わらず石化したままだ。


「…分かりました……」


……お礼と拒絶を同時って……俺は何をしてしまったんだ〜!!


俺は、盾を片手で持つ……あれ? 軽くね?……


ケイゴは、盾を何度か上下に繰り返しした後、歩き出した。







「……私、生きてる……」


ローゼさんは、涙を手で拭い安堵した。


「…………」


メイズスは、まだ固まっていた。


「……メイズス! メイズス! 執事の貴方が何をしているのですか!」


ローゼさんは、メイズスの肩を揺らす。


「……はっ! 大丈夫ですか、ローゼ様!」


メイズスは、ようやく動き出す。


「……大丈夫じゃないわよ……もう帰ります……」


ローゼさんは、メイズスにいつものお姫様抱っこをするよう背を向けた。


「分かりました、ローゼ様」


ローゼさんを抱き抱えると、駆ける。


「…………」


(……なんて恐ろしい……でもこれで終わり……


……ケイゴに盾を渡さなければ、鼻の穴1つ減らす……だなんて……)


ローゼさんは、愛する夫に早く慰めて欲しいと考えていた。


盾を持ってても効果はない……


ケイゴは盾を、装備した!

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