盾士なら……
皆さま! 読んでいただきありがとうございます!
ユニーク4000人突破致しました! 嬉しいな!
はい! という事で、ケイゴの補欠戦記、戦いが少ないけど戦記! は、あまり進まないけど、成長してるケイゴを応援しておりますので! どうぞ!
「……お邪魔しま〜す……」
ケイゴは、屋敷の扉を開け入る。
「…………盾師匠は、まだいないようだなぁ……」
……はぁ……顔合わせるのやだなぁ……
ケイゴは、いつものように、屋敷の門前で黒執事を呼び、状況を説明し、今日で終わることを伝えてから来ていた。
「いるわよ?」
ケイゴの左側から聞こえた。
「うおぅあーーーー!!」
ケイゴは、本気の叫び声上げると声のした方の逆にこける。
「……なによ、私を幽霊みたいに……」
盾師匠は、ニヤッとした笑みを見せる。
「……あ、いや……ごめんなさい、こういう暗いとこ苦手で……」
……殺す気かよ……ガチでもう、漆黒鎧さんも花の嫁さんも盾師匠も気配消してさぁ……特に暗闇でされるのきつい……
「なら出せば? シロフワさん」
盾師匠は、後ろに手を組み屋敷の中の方へ、歩いて行きながら言う。
「……そ、そうですね……シロフワさん」
ポンッ!
すると、頭の上からシロフワさんの登場だ。
「……じゃあ、始めましょ? 掃除の続きをね」
盾師匠は、後ろに手を組んだままこちらを振り返ると、微笑んだ……その笑顔は、やめてくれ……
「……はい……」
ケイゴは、立ち上がると、初めて出会った時と同じ服装の盾師匠を追った。
……パーティを断ったくせに、そんな馴れ馴れしく接しないでくれ……もう、勘違いしたくない……
ケイゴは、盾師匠の背を辛そうな顔で見ていた。
「…………」
「…………」
あの後、2人はいつのまにか無言だった、盾師匠がものを浮かし、ケイゴが掃除していく、いつものように……会話がないこと以外は……
「…………」
……やっぱり楽だなぁ……ものが浮かされているから、ものをどかす作業がなくなって時間が短縮されている上に、盾師匠は、綺麗に並べて置いてくれるから、本当に掃除機と雑巾掛けだけだ……本当すごいよ……
ケイゴは、黙々と掃除する。
「…………」
(……ケイゴ、元気ないみたい……それは、私がパーティを断ったからだと思うけど、話しかけないでって言う感じが凄いもの……)
盾師匠は、黙々とものを浮かす。
「…………」
……今日で終わる……盾師匠ともお別れだ……ずっと俺といて嫌だったろうから、早く終わらせなきゃな! いつまでも、引きずるわけにいかない……俺には、シロフワさんがいるじゃないか……愛くるしい白丸に、抱き心地最高のフワフワ感……そして、意思を持ってるんじゃね?って言うくらい、俺の役に立ってくれる……何度助けられたか……
ケイゴは、雑巾掛けを一旦やめ、伸びをするついでにシロフワさんを見た……
……シロフワさんは、盾師匠の頭の上に乗っていたので、自然と目が合ってしまう……なんか、白のベレー帽を被ってるみたいで可愛い……
「……なに、そんな嬉しそうな顔しているのよ……」
盾師匠は、ケイゴの目をジッと見た。
「……い、いや、別に……」
……やべ! 目が合っちゃった……掃除に戻ろう……
ケイゴが、雑巾掛けの続きを再開させようとすると……
「……ねぇ……ケイゴ……」
盾師匠の、落ち着いた声が聞こえた。
「……っ!……はい」
俺は、盾師匠に振り返る。
「……盾士になれた?」
盾師匠は、俺を包み込むかのような優しい声で言う。
「………くっ……」
……なんで……そんな事を言うんだよ……俺を盾士にしてくれるって、言ったくせに……俺は、貴方が辛いと、ここにいると追い出されちゃうから、パーティに誘ってやったのに……
「……私はね……なれなかったの……」
盾師匠は、俯きそう言う。
「えっ……」
「私は、盾士になれなかった……守れなかった……大切な物が……」
盾師匠は、ポーチから何かを取り出した。
「…………」
……盾師匠が? だって、上級頑盾士って……
「……私、貴方に最強の盾士になれって言ってたけど……私の押し付けだったわよね……」
盾師匠は、困ったような笑みをした。
「そ、れは……」
……たしかに、俺が最強なんて無理だけど……そんな顔……
「……貴方は、もう盾士だって知れたから……きっと強くなれるわ……だって……
……私の弟子なんだから」
盾師匠は、ポーチから取り出したものを俺に見せた。
「……これはね? イローデタルの魔石なの……イローデタルって分かる?」
「……いや……分かんないです……」
「地面に穴を開けて、その中でモンスターを生み出して、階層を増やして行って、そこに入って来た生き物の命を、養分として成長していく生命体の魔石よ」
「……それが……」
……それって異世界物の小説でよくある、ダンジョンみたいなものか、てか……そんなやばい魔石持っててもいいの?
「……これはそのかけら……私は昔、パーティを組んでいて、その仲間と共にイローデタルを倒した……」
「…………」
……やっぱり強いんだな……でもなんで今言うのか……
「……私にとってパーティは、その仲間たちだけ……これから先もずっと……
だから……貴方とパーティは組めない……」
盾師匠は、俺に真剣に話してくれた。
「……分かりました……」
ケイゴは、真剣な表情で答える。
「……でも」
盾師匠は、盾を取り出す。
「…………?」
……なぜ盾を……そんな理由があったのか……ならしょうがないな……
「……私は貴方を盾士にするって約束したわ。だから、私の弟子であるケイゴに、これを受け取ってもらいたいの……」
(……貴方が心配……またあんな事になってたらって考えたら……)
盾師匠は、俺の手元までその盾を浮遊させた。
「……この盾は……さすがにこれは受け取れないですよ……」
……こんな高そうな盾を貰うのは……
……俺ってまだ……弟子だったんだな……
「……盾士になるんでしょ? 盾士が、盾無しでその名を語るのは、許さないわよ? それに、師匠の言葉はどうだっけ?」
盾師匠は、腕を組み、ニー♪と歯を見せ笑う。
「…………」
……何なんだよ……俺は……この人は、ただ弟子である俺に盾士にしてくれようとしていた……俺のパーティの誘いを真剣に考えてくれていた……そして今、俺に見せてくれたじゃないか……
「……はい! 盾師匠! 自分は、盾士になって見せます!」
……笑顔を見せてくれた……それだけで、良いじゃないか……勘違いなんかじゃないよな……いや、勘違いでもいい……だから……
……その後も何度か来たから、その度に告白して今は、ノエがいる……
……振られて諦めるより、告白をためらう方がいけねー……後悔するからな
……後悔……
……わかったら、消えな! 邪魔だ
はい、また来ます
……おう!
「……盾師匠!」
ケイゴは、ピンッ!と立って盾師匠を呼ぶ。
「……何? そんなビシって立って……」
盾師匠も、腕組みをやめ、普通に立つ。
「……パーティが無理なら……
……一緒に冒険に出ませんか!」
ケイゴは、自分の出せる笑顔で、言う。
「…………それは、パーティじゃあ……」
盾師匠は、一歩下がる。
「……パーティは、仲間で組む事でなると思うんです……自分と盾師匠は、仲間ではなく……
……師弟……仲間ではないです!」
「……っ?!」
盾師匠は、二歩下がった。
「……俺を盾士にしてくださーーーい!!」
ケイゴは、頭を下げた。
「……な……私は……………ごめんなさい!」
盾師匠は、浮遊すると、壁を貫通して何処かに行ってしまった。
「……えっ?! まっ?! ええっ!? 壁貫通〜!!」
俺は、どっかに行ってしまった盾師匠に驚けばいいのか、壁貫通した事を驚けばいいのかわからなくなった……そんな魔法あるんだなぁ……いや! これどうすりゃ〜いいんだよ!
「…………」
その場に固まったケイゴと、浮遊していた盾が、ゆっくりと地面に落ちた。
その後、盾師匠が姿を現すことはなく、掃除をギリギリで終わらせてケイゴは、屋敷を出て行った。
「……私は、人間じゃない……死人なのよ……」
盾師匠は、屋敷の綺麗になった窓から、ケイゴを見ていた。
が……
「……あ、いやっ!」
ケイゴが一定以上離れた所で、何かに引かれるように屋敷を出てしまった。
「ケイゴに、盾渡してたんだった〜」
盾師匠は、そのままケイゴに近づいて行った。
ケイゴって、魔道士なのに杖持ってなかったり、盾士なのに盾が無いこと多く無いですか?
お金がないと序盤からこうも手こずるんだなぁ〜と思う作者です。




